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┏┏┏[2005-1-20]┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
 名古屋ビジネス情報  主宰 川津商事株式会社
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   テーマ: エリア戦略:都心ビジネスエリアのキャンパス化

商業エリアとして名古屋に新しく登場した栄三丁目エリア通称ナデ ィアパーク界隈には、実に社会人大学、専門学校をあわせて既に5 校以上進出している。この学生たちが最も名古屋でトレンディなエ リアの重要な主体となっているとも言われている。

専門学校、社会人大学とは通常の一般的な大学、専門学校をあわせ た高等教育の中でも最もビジネスに近接している分野である。この ような分野の学校が、名古屋でも都心の重要な経済ファクターとな っている。

学校教育が、ビジネスと一線を画してある意味でビジネスとは隔離 されたエリアに疎開をした時期があった。1970年代から80年 代にかけて大学が郊外に移転をした。そして社会の大競争時代に入 り都心に回帰をしてきた。

特に、社会人大学と言うビジネスモデルが市場で認められるように なってから、特に急速に都心への回帰を早めてきている。これに対 して専門学校は従来から都心、交通機能の要所に位置してきた。

そして専門学校においては、大学の劣後的・予備的な位置づけから 抜け出し、ビジネスと直結して考える事が出来ない大学の教官をよ そに、いち早くビジネスをサポートするカリキュラムを取り入れ、 経済活動に欠くことのできない重要なポジションをとってきた。

現在では税務、資格、IT、デザイン等の多くの分野で、専門学校 の方が一般大学よりも信頼されているといえよう。もし専門学校が 一般大学と同じように都心から離れた郊外に設立されていたらこの ような目覚しい発展があっただろうか?

現在東京では社会人大学が一斉に丸の内、大手町界隈に集まり始め ている。回帰をしている大学にとって丸の内、大手町とは交通の拠 点ではなく、ビジネスの拠点として捕らえている。ビジネスと学問 の再遭遇である。

名古屋でも名古屋学院大学大学院が栄の中日ビルにサテライト校を 開設して以来、名商大、愛知学院等いくつかの大学院が栄界隈に進 出してきている。しかしこれは果たして、交通の拠点としての進出 なのか、ビジネスに対して隣接したい行動なのかは明確なところで はない。

現在、ナディアパーク界隈には、デザイン、エンターテイメントそ の他の専門学校が集まり、丸善書店のビルには社会人大学が開設さ れ始めている。ナディアパーク南の公園はさながらキャンパスの敷 地の様相を呈している。それが又栄3丁目のトレンドともなってい る。

逆に言えばこのようなユーティリティーな広場がある事が、このよ うな学生にアメニティーを提供していると言えよう。そして消費文 化から言えば、このような学校の学生が大きな消費活動を行い、当 然のごとく社会トレンドの重要なファクターとなるわけだ。このよ うなファクターを持ったエリアは他に対して当然優位性をもつ。

名古屋駅前界隈にも従来から多くの専門学校が開設されていた。専 門学校の数から言えば名古屋駅前のほうが栄よりメッカと言えよう。 それは交通の拠点を求めたビジネスモデルである。大原簿記専門学 校、トライデント、東京アカデミー・・・・資格ビジネス、アメニ ティービジネス、医療福祉ビジネスなど今では数え切れないほどで ある。そして今後も専門学校の名古屋駅前への進出希望は非常に強 い。

三井ビル南館東館の再開発に参画するモード学園もその一つである。 このケースはおそらく駅前旗艦専門学校の新しいビジネスモデルの さきがけとなろう。モード学園は旧近鉄の都ホテル跡地に進出しよ うとしていたが、結果的にもっと良いポジションを得ることになっ た。

これらの専門学校の経営戦略は、1mでも駅のフロントに隣接して目 立つポジションを我先に陣取りたい競争である。中心のビジネス街 とのオーバーラップは避けられない事になる。

エリアが特定のビジネスだけでなく、いろんなビジネス、世代の交 流が存在することは非常に重要な要素である。名古屋駅前エリアに もその発展性から考えれば当然必要な要素である。

しかし名古屋駅前には先のナディアパーク横の公園のような、ユー ティリティー広場がない。当然運動場もない。学生が道端、コンビ にもまわりでたむろしていることになる。このような光景は、エリ ア市場を活性化させるどころか市場を劣化させる外部不経済となる。

市場原理で名古屋駅の活性化が進む中で、市場原理では補完されえ ない施設インフラの欠如が、今後の名古屋駅前エリアの発展に大き なバイアスとなって来たわけだ。これで大競争時代に入った名古屋 駅前の市場が、他のエリアに対して競争優位性をもてるだろうか?

エリアが、ビジネスのインキュベーション機能を持たなくては、ク ラスター的な発展は望めない。エリア全体がキャンパス化。これは どのエリアでも十分に通じる戦略である。名古屋駅前エリアがこれ にどの様に対処できるのであろうか?

子供の少なくなった小学校をユーティリティー広場にするとか、那 古野旧市バス操車場跡地を公園にするとかの発想が浮かばれる。

名古屋駅前は、ほっとけば発展する時期は終わった。エリア間の大 競争時代に入り、街づくり協議会、都心に必要な公共インフラの整 備など、あらゆる問題に対処するべくエリア戦略のリーダーシップ が必要なステップになってきた。



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