ニュースレターバックナンバー

┏┏┏[2004-8-10]┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
 名古屋ビジネス情報  主宰 川津商事株式会社
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   テーマ: 早まる郵便局の賃貸事業

以前から既に既定事実としてみなされてきた郵便局の賃貸事業が、 予想より早く進むようである。新聞のリークによると政治的決着は 2007年の郵政事業民営化より早まる模様である。

言うまでも無く、郵便局は日本全国の都市の中心核に位置して、そ の不動産戦略は都市の価値を左右するほどの影響力を持っている。

全国の主要な郵便局
東京千代田区 42669平米  地上5階
横浜市西区  17180平米  地上4階
名古屋市西区 23289平米  地上4階
京都市下京区 43692平米  地上6階
大阪市北区  36648平米  地上6階
広島市中区  28216平米  地上8階
福岡市博多区 18676平米  地上8階
賃貸事業のシナリオは、再開発して高層化ビルに百貨店・オフィス ビルにするという考え方である。ビジネスの魅力としては郵政事業 とのビジネスチャンスを目指していろんな企業が参入してくる可能 性があり、又民営化後の郵便事業もいろんな事業との間に収益の囲 い込みを行い、競合者に対して早く優位なポジションを取りたい思 惑があり利害は一致している。

したがってもしゴーサインが出れば予想より早い開発が進む事が予 想される。

過去のニュースレターでも何度も取り上げているように、名古屋駅 前の中央郵便局は、その機能を西区の天神山に移転して、既に建て 替えが可能なだけの準備が終わっている。

名古屋駅の西側に新たに高層ビルが出現することになると、現在建 設中の牛島開発と重なり相乗効果が生まれる可能性がある。現在名 古屋駅前エリアのトレンドの中心が、トヨタと毎日新聞の再開発、 三井ビルの再開発側に移行する様子がみられるが、将来、まだ用地 としての開発の余地がある西区郵便局牛島開発エリアとの間に、熾 烈な綱引きが起きる可能性がある。

このようなエリア内での競争は、かつて栄が東西南北で綱引きをし たように、そのエリア内の競争が更にそのエリアの活性化を進めて エリアの魅力をますます高めることにもなる。

かつて都心の旗艦百貨店1店舗の商圏とてして約200万人必要で あるといわれた方がいる。名古屋は以前4M時代があった。当時愛 知県の人口は600万人超であった。大量消費時代にあり市場が均 衡していたと考えられる。

JR東海高島屋が名古屋駅前にできた時、三重県、岐阜県の商圏を 吸収した。そして現在名古屋の商圏では高島屋の一人勝ち模様であ る。新しく商業施設が出来れば同じように商圏を拡大する必要があ る。

商圏の拡大は、周辺地域の流出と名古屋都心部への吸収・集中とい う形になって現れる。そして名古屋駅エリアが更に拡大することに なる。栄がブランドショップに代表される商業エリアに傾き始めて いる一方で、名古屋駅は商業とオフィス街に混在したエリアになり つつある。

栄があまりにも商業一辺倒になりつつある中で、オフィスを置くに はふさわしくないという考え方が出来始めている。栄からオフィス が伏見などへ流出する可能性が出始めている。「混在」から「近接」 への進化が起きているのではないだろうか?

商業、オフィス、住居などが近接して利便性が高い事が最近のエリ アのトレンドであるとするなら。そのトレンドに向かって進化し始 めた事になる。名古屋駅前は今ところ混在といわざるを得ない。

郵政の賃貸事業進出は街の様相にも影響を与えるのではないだろう か。街の郵便局は駅前などの街のフロントとなる表通りから一本も 二本も中に入ったところに位置している。平屋の店舗だけでは確か に待ちのフロントでは効率が悪い。

しかし賃貸事業が可能になれば賃貸ビルを経営しながら一階で有分 事業経営も可能となる。当然既存の郵便局の再編も起きるとなれば、 駅前などの町のフロントに進出してくる可能性が高い。郵政事業も 競争原理を取り入れるのであれば立地戦略は非常に重要なポイント になる。

かつての国鉄の民営化以上に、地域の細部にわたって大きな変革を もたらす可能性が高い。郵便局が名古屋でどの様なソリューション を提案してくるのか不動産ビジネスにおいても予断できない状況に なってきた。 以上



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