ニュースレターバックナンバー

---

＝＝＝［2003-7-15］＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
　「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
　　　　　　　　名古屋ビジネス情報
　　　　　　　主宰　川津商事株式会社
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」
へのご登録ありがとうございます。当社は不動産にとどまらず
広くビジネス情報をお届けいたします。今回は、　

　　 テーマ：　イタリアのパラサイトシングル

日本より高齢化がすすんでいるのがイタリアである。６０歳以上の 人口に占める高齢化率が日本より高く世界の1番である。さらに少 子化率がスペインについで世界で２番目に少なく出生率が１．２人 以下である。

イタリアの小さな田舎町に行くと、夕方など道のベンチなどの老人 がちょこんと座っている姿を見かけますが、なるほどと納得が出来 るわけである。

イタリアの少子化の問題は、しばしば日本の問題の引き合いとして 出されてきました。歴史的背景が日本とよく似た状況にあり、しば しば比較されています。ヨーロッパ列強の中でアイデンティティが 無い事などが似ているといわれています。

高齢化と少子化の問題に必ず追随してくる問題がパラサイトシング ルの問題である。ローマなどの大都市では、歴史的建造物が多く再 開発が出来ません。日本の京都のように経済的都合を優先すれば別 でしょうが、地下鉄などの開発も止まっています。

住宅事情も当然よくありません。ワンルーム「マンション」はあり ません。昔からの古くなった狭いホテルの部屋を住居タイプに転用 して借りるわけです。高価なものになりお金がない人は一部屋を２ 人で共有することもあるそうです。

賃料、給与水準などは日本との比較が難しいので一概に論じること は出来ませんが、都心部で部屋を借りることは非常に難しいという ことです。さらにここへ来てヨーロッパ統一通貨ユーロの導入によ り物価が非常に上がっているということです。

イタリア南部では実質物価が２倍になっているといいます。そのく らい生活が苦しいということを言いたいのでしょう。そういった状 況で、若い人たちは一体どのような生活をしているかとういと、当 然都心部でのシングルライフは出来ません。男女を問わず親元から 通うパラサイトシングルになるわけです。

結婚すら簡単には出来ません、当然子供なんて、という話になるら しいです。

イタリアは北部経済と、南部経済の経済格差が激しいところです。 日本も東京と地方の格差が急速に広がり始めています。イタリアの 若者の生活が苦しいのと同様に、日本でも新たな社会公費負担で、 若年層の所得に大きなしわ寄せが向いています。イタリアは失業率 が高くて有名でしたが、日本の失業率も急速に高まっています。

日本の消費経済は若年層に重きを置いた構造になっています。住宅 産業も新婚などの新築需要を中心にしています。これらの量的拡大 が、果たしていつまでもつのか非常に疑問を感じるわけです。

以上