===[2001-1-20]================
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」
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テーマ: 人気の超高層マンション
東京汐留再開発地区において三井不動産が開発しているマンション 「東京ツインパークス」(1999年10月着工)に代表される超 高層マンション(20階以上)の販売が東京では非常に注目を浴 びている。
東京ツインパークスは最高価格1戸6億円、2億以上が33戸あ り、超高層マンションのシンボル的存在である。超高層マンショ ンは、マンション建築における高層技術の発展、マンション販売 のマーケティング、景気対策の優遇税制、都心への回帰等様々な 要因によって人気がでていると考えられる。
現在のマンション建築では、鉄筋コンクリートで作れるマンショ ンはせいぜい35階が限度とされてきた。建築の高層化に必要と される技術はコンクリートの強度である。1立方粒部のコンクリ ートの塊にかかる強度が、600kgはセメントと水の比率で作 り出すことが出来るが、それ以上の強度を作るためには建築現場 などの制約があり難しいとされていた。
大成建設が東京の佃で建設する都市基盤整備公団の賃貸用マンシ ョンではコンクリート強度が1,000kg耐えられる技術を開 発したことにより、43階が実現可能となった。又竹中工務店で は鋼管の中にコンクリートを充填注入した鋼管コンクリートを採 用することによって、東京で56階建て高さ200m超のマンシ ョンを手がける。
マンション開発は、もちろん建築技術、販売技術が大きくものを 言うが、基本的には立地と土地の安値仕入れが一番の成功に秘訣 である。この立地が良いところの土地を安く仕入れることが出来 れば、後は工務店、ゼネコンに安く建築を依頼すれば、昨日今日 出来たばかりの不動産業者でもすぐにマンション開発が可能とな る。
実際こういった住宅産業への参入は、特にバブル期以降の景気刺 激策により実施された住宅優遇政策、低金利政策が背景になって 非常に多く見られた。大手ゼネコンがこれらの新規参入デベロッ パーと差別化するために開発してきた技術がまさに耐震性、高層 ビル技術である。
とくにマンションの2000年問題と言われる、1999年から 2000年にかけての大量マンション販売の反動(売上減)に対 する対策として、超高層住宅の販売を重点的に手がける計画があ る。都心に大量の良質な超高層住宅が供給される事になる。20 01年に完成する超高層マンションは首都圏全体で35棟ある。 9000戸の供給である。
名古屋では積水ハウスがザシーン・シリーズで超高層マンション の供給を試みた。1990年のザシーン徳川(30階建)と19 94年完成のザシーン城北(45階建)である。しかしその存在 は必ずしも注目を浴びたとはいえない。
特に前者ザシーン徳川はバブル経済末期の高額な商品であり時期 的な問題もあった。オフィスビルが「新近大」に人気が集まった ように、今マンション販売にも「都心」「大型」「企画」が求めら れている。
今のところ、名古屋ではこれらに続く高層マンションの計画は出 てこない。可能性としては、住都基盤整備公団が買収した吹上の サッポロビール名古屋工場跡地に、サティ、トヨタ自動車の住宅 部門等が参画する意向を表明している。
東京の考えなら、すぐに隣接するJRから駅を作ってしまうのだ ろう。小さな駅で大体建設費が約40―50億円といわれる。「都 心への回帰」は単に地価が安くなったから起きるのではない、食・ 住・職の接近に対する要求でもある。名古屋都市高速道路のアク セス、名古屋の中心などから言ってもこのエリアの潜在的可能性 は高いといえる。
旧地主のサッポロビールは、東京で同じような立地の恵比寿ガー デンプレイスを成功させている。高層住宅、商業施設、オフィス ビルの調和の取れたエリアである。しかしサッポロビールは恵比 寿での実績、ノウハウがあるにもかかわらず断念したのが現実で もある。
果たして名古屋に超高層マンションが根付くだろうか。
不動産業者として純粋に考えることは、何故これほど分譲マン ションが売れるのだろうか?様々な多くの問題を包含している 住宅なのに?
以上