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===[2000-12-1]================
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
        名古屋ビジネス情報
       主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」
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   テーマ: 名古屋の不良債権処理がいよいよ始まるか

東京で、不動産収益物件への投資が活況を呈していた。これは東京での不良債権処理が進み、塩漬けされていた優良物件が、非常に安い価格で市場に放出されたことによる。

東京の市場を見る限り、収益物件への投資は、そのために新規に建築がなされた物件ではなく、既存の物件が安く放出されたことによる。収益物件だけではない。事業用地もまとまったロットで市場に供給された。

さてこの東京の不良債権処理が終わり、いよいよ大阪、名古屋で始まろうとしている。新聞とうで報道されていた不良債権処理は、単に不良債権に見合う引当金を積み立てたに過ぎない。実際の塩漬けされた不動産のオフバランスはこれから始まろうとしているのである。

弊社にも大手金融機関(東京)あるいは弁護士事務所等から打診が増え始めている。ただ金融機関も東京で不良債権の処分のノウハウを積んできている。東京のようにそんなに安い価格でオフバランスしたくない思惑が見え隠れする。

名古屋では、表立って不動産を買おうという需要はない。しかし財界初め不動産に興味が旺盛な地元気質は依然残っている。どのような市場価格になるか非常に興味がある。しかし肝心なことは、地元の不良債権としての流通性を失っている優良物件が流通しないことには名古屋の経済の活性はありえない。

先般或る不動産フォーラムで、イギリスの学者がロンドンの不動産市況の回復を説明するのに、「東京と同様に」と言う表現を使っていた。イギリスから見れば東京は既に不動産市況を回復したと見ることができる。

現在港、千代田区等の都心部では不動産の流通性が非常に高くなっている。物件を出せばすぐにも売れる状況にある。当然値段も上がり始めている。そう言った東京の感覚から見れば名古屋は現在、非常に流通性がない。売りに出してもまったく売れない状況にある。

不良債権処理を担当している部門は、ほとんどが金融機関の東京にある。東京経由でわれわれのところに売り物件が入ってくる。しかし現在の東京の感覚では、名古屋はほとんど当てにされていない。「名古屋では足が遅すぎる」が東京の金融機関の結論のようだ。残念ながら名古屋に安く放出される状況はないと、考えなくてはならないようだ。

東京のこのような状況は、当初安く不良債権の物件が放出されたことが、市場の流通性にインセンティブを与えたと考える。名古屋で不良債権処理は始まるのであれば、名古屋の経済力がどれだけそれらを吸収できるかにかかっている。極端な話、銀行が果たしてどれだけ融資できるかにかかっている。

                以上



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