===[2000-11-20]================
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ: ノリタケの森
11月2日付けの新聞紙上で「ノリタケの森」が発表された。
ノリタケカンパニーの2004年の創業100周年の記念事業としてファクトリーパークを計画している。陶磁器洋食器のノリタケはトヨタ以前からある名古屋を代表する世界に通じるブランドである。
今でも世界の見本市(一般消費財)に行けば、ノリタケは世界ランクの高いところに展示ブースを構え非常に高い評価を得ている。世界の国際見本市では東京の国際展示場ビックサイトの5―6倍の広さのある会場で、そのステイタス応じてほぼランク別に展示会場が設定されている。
ノリタケはマイセン、ロイヤルコペンハーゲン等最高クラスの展示ブースに位置している。特にオールドノリタケ等に対するアンティックの人気も含めて、世界における評価は非常に高いものがある。
今回計画の場所はノリタケの発祥の地であり、ノリタケカンパニーの本社である。名古屋駅のとなり駅、名鉄栄生(さこう)駅から徒歩で5―6分、名古屋駅から徒歩でも10分以内に位置して、14万平米にも及ぶ敷地を要している。名古屋ドームが大曽根の三菱重工跡地にできる前は名古屋ドームの候補地として何度も取りざたされたが、ノリタケが承知をしなかったところである。
東京で言えば下町の恵比寿にあったサッポロビール恵比寿工場の不動産開発、恵比寿ガーデンプレイスに匹敵する可能性を秘めた地域である。しかも恵比寿ガーデンプレイスの敷地が約8万3千平米であるのに対して、ノリタケの敷地は14万平米にも及ぶ。その潜在的価値は非常に大きいと考える。
恵比寿ガーデンプレイスは、サッポロビールのビヤホール、フランスレストラン・タイユバン、三越百貨店、ショッピングモール、ウエスティンティンホテル、イベントホール、オフィスビル、賃貸住宅を要する。総工費3000億円をかけたサッポロビールの不動産開発事業である。
現在本社機能、工場、地域の人を対象にしたクラフト工房、ノリタケミュージアム、小さなファクトリーアウトレットショップが機能している。日曜、平日を問わず時々観光の欧米人が近くを歩きながら道を尋ねてくる、ノリタケは何処かと。現在観光スポットとしての派手な道標、宣伝は一切なされていない。
既に周知の通り、隣接してトヨタの産業技術記念館がある。豊田佐吉が自動織機を開発したトヨタグループの由緒ある拠点である。伊勢湾台風以降倉庫以外にほとんど使われていなかった。豊田英二氏が引退と同時に英二氏の肝いりでファクトリーパークとして再生して、オープニングには天皇陛下の行幸が実現した。
両方とも煉瓦造りの工場であり、昭和の前半の日本の産業を担った重要な雄姿を残している。全国的に現在展開している大規模商業集積はアウトレットモールである。これらと比べれば非常に大きな潜在能力を持った中部地方の観光資源と言える。
更に南に名古屋駅に近づけば、地元財界の肝いりで計画されている牛島再開発が控えている。牛島再開発と名古屋駅JR東海のツインタワーの間に中央郵便局がある。先般この中央郵便局がその機能を西区の天神山に移転した。中央郵便局跡地の利用動向も非常に大きな期待がかけられるところである。
民間レベルで新しいエリアの開発が進もうとしている。本来であれば官のタイミングのいいサポートが望まれるところである。今こそ都市のイノベーションにインセンティブを与える財政支出が必要なときである。名古屋駅の西のゲートウエイトとなる栄生(さこう)エリアの将来性に非常に期待したい。
以上