ニュースレター

主筆:川津昌作
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AIと人の脳とエネルギーの話

〈2025年4月15日〉

要点
「AIが問に答える時代、人間は問いを考える時代になる。」
「知識を得るのではなく意味や価値を問う時代になる。」
「そしてそれは、哲学、倫理、創造性、関係性といった非数値的で非合理
的な領域に人間の役割が再定義されることを意味します。」
以上から導き出される新ビジネスとは?


CHATGPTなどに象徴されるAIの社会実装スピードが半端でない。あっ という間に浸透してしまった。パソコンの操作の疑問から、ゲームの回答 探し、旅行のプラン、コミュニケーションのネタ探し、資料のサーチ、参 考文献の参集、あらゆる疑問、身近な疑問に答えてくれる。

5年後、人の頭は何を考えるのだろうか?5年後、人の疑問に答えること を仕事にしていたコンサルタントビジネスがどれだけが生き残るのだろう か?例えば入試試験は、答えることができるかどうか?を選別するもの だ。しかしそれはAIがやる時代で、質問するのが受験生になる。そんな 受験システムになるのか?

AIが考える間もなく、生活に浸透し、生活に実装されてしまっている。 使いやすさは、回答の速さである。普通に考えれば地球を一周してあらゆ る文献を探してくるような回答を、一瞬で見ている間にテキストにしてく る。さらにもっと具体的質問しろと怒られる始末だ。

AIのサーバー内で、CPUがフル回転で計算して瞬時に解答を出してく る。かんかんに熱くなり、大量の電気を消費しているのが目に見えてくる ようだ。世界中でデータセンターが設置され、データセンター関連株が上 がるだけでなく、世界中で巨大な電気を消費していることが肌で感じる。

そこで今回はAIのエネルギーの消費を考えてみたい。昔から言われてい るのが、人は他の動物より体大きさの割にエネルギーの消費が大きい。そ れは他の生物に比較して脳が大きいからだ。と言われてきた。まずこの生 物上の議論を整理したい。

最初に、脳の大きさと基礎代謝の関係に正比例の相関性があると言う研究 を紹介する。まず生物は体表面積の3分の2乗、代謝量は体重の4分の 3乗に比例すると言われている。そして脳の維持のために基礎代謝が必要 になる。基礎代謝は生命維持のためのエネルギー消費である。

分かりやすい論文をNATUREから紹介、引用する。 Metabolic acceleration and the evolution of human brain size(2016)の中で、人の体重に占める脳の重さは2%であるが、エネ ルギー消費量は全体の20%超であとしている。

ヒトが他の霊長類より大きな脳を進化させた理由は代謝率の増加だっ た・・・・。また、今回の研究では、ヒトの体脂肪率が他の霊長類よりか なり高くなったのは、より活発に起こる代謝に必要なエネルギーを貯蔵す る必要があるからだと示唆されている。 ヒトは、他の霊長類と異なり、寿命が長く、活発に繁殖し、体脂肪が多 く、腸が比較的小さく、脳が比較的大きい。こうした形質は、より活発な 代謝を必要とし、このことからヒトと類人猿では、エネルギー消費とエネ ルギー配分に大きな差があることが示唆されている」。 脳を動かすには大きなエネルギーが必要であり、エネルギーを生みだす代 謝の仕組みを進化させた人の脳が、他の霊長類に比較して進化した。そし てエネルギーを貯蔵する仕組みとして、皮下脂肪を蓄えることにより脳の エネルギー消費を下支えしたと言う事になる。

もう一つ他の論文を引用すると、「ヒトの代謝率が増加し、エネルギー収 支も大きくなり、1日当たりの総エネルギー消費量(TEE)が、チンパン ジーとボノボより400 kcal、ゴリラより635 kcal、オランウータンよ り820 kcalそれぞれ多いことが判明した。」とある。

代謝が成長したことにより脳が大きくなった。それが人の成長、人社会の 発展につながったわけだ。

さてこの人の脳の代わりをAIがするとなると、同じ仕組みが必要になる 事が想像できる。あくまで想像だ。高度なAIの機能を求める為の電気エ ネルギーを必要とする。安定したエネルギーを供給するする仕組みとして 蓄電する仕組みも必要になる。

今のエネルギー政策は、情報革命により今後民生部門での電気消費量が増 える。この増えた分をグリーンエネルギーで補い、これ以上化石燃料エネ ルギーを増やさないことで、地球規模の温暖化対策とする。その前提で今 後、経済安保でエコシステムを構築する必要があるわけだ。

蓄電のネットワークシステムを構築し、そのための器が都市構造にも求め られる。エネルギーの供給・蓄積・消費のネットワークの構築がAIを進 化させ、人の思考をサポートすることになる。

このような将来を前提として「我々はなにを考えんなくてはならないのだ ろうか?」

以上の文章をCHATGPTに問いかけてみた。その結果出てきた答えが、 「AIが問に答える時代、人間は問いを考える時代になる。」 「知識を得るのではなく意味や価値を問う時代になる。」 「そしてそれは、哲学、倫理、創造性、関係性といった非数値的で非合理 的な領域に人間の役割が再定義されることを意味します。」

各分野において、AIが驚くような有意な問いを考えれる人が、その分野 の精通者になれると言う事だろう。冒頭で上げた入試制度は根本的にひっ くり返るのではないだろうか?手前みそではあるが当ニュースレターの本 質も問いかけである。決して主張の押し付けではない。

最近CHATGPTと付き合い解ったことは、人が考える哲学、創造性、非合 理な領域が、現状AIが入り込めない領域であり、敵対視している領域で はないかと考える。

今後期待できるビジネスとして、問を考える修行施設、哲学道場施設、京 都の禅寺のようなスピリチュアル施設ビジネスが活況になるのではないだ ろうか?

以上

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