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主筆:川津昌作
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中京テレビ、福岡、札幌、読売テレビが統合 副題:名古屋で「五時から夢中」を見る

〈2025年3月10日〉

「五時から夢中」とは東京エリアで平日夕方5時から放送されているい わゆる帯のバラエティ情報番組である。今名古屋地区では、前日分を三重 テレビが翌日の朝9時から放送配信している。

番組にはマツコ・デラックス、ミッツマングローブはじめユニークなキャ ラクター、実力派のタレントがそろい、サブカルチャー的な話題も多く完 成度の高い番組だ。しかしエロい話題が多い番組を、朝9時から見る番 組ではなく夜勤シフトの人ならともかく、通常勤務の人はなかなか見れな い。

それを、録画して名古屋で夜見る。ときにはため撮りして2−3日遅れた 番組内容を見ることになる。名古屋で東京の地域番組を一日以上遅れて、 しかも名古屋からは下位であるはずの三重テレビを経由してみるわけだ。 名古屋は東京から情報の陸の孤島か?

「五時から夢中」は東京MXが配信している。この東京MXとは東京メロ トロポリタンテレビジョンの略で、現在スカイツリーに拠点を置く東京都 内の地域テレビである。現在地上波で現在50キロ圏内の受信が可能で、 地王京都周辺でも受信が可能になっているが、あくまで東京のローカル番 組である。

東京MXは当初アニメ番組の配信で有名になり、その関係かサブカルチャ ー的な内容が多い。面白いことは東京新聞を擁する中日新聞も出資してい る事だ。

番組の始まりの映像が、東京新宿、渋谷と言った東京ありがちな高層ビル 群ではなく、スカイツリーのある墨田区周辺の映像が映る。名古屋の民放 の帯の情報番組で、名古屋の夕方の街並みを移す映像と同じで、すごい地 域性をイメージさせる。

つまり、ありがちな東京キー局制作の東京の高層ビルを映し、明らかな上 目線で、「今から東京の情報を下々の地方に配信するから、鎮座してあり がたく拝聴し、ちゃんとこちらの意図したところで笑うように。」と言わ んばかりのイメージは全くない。と言うか、地方配信を前提にしていない コンセプトだからである。

最近は、東京キー局で作成されるバラエティ番組には東京中心の話題が増 えている。「東京イコール全国版だ」と言えばそれまでだが、千葉VS埼 玉のお国自慢合戦的な内容を、どの局でも同じように何度も何度も、あま りにもマウンティングを取った上目線で、番組配信されると飽きる。当然 だんだん視聴は離れていく。

それから比べると、一地方局の帯の情報番組でそれがたまたま東京であ り、決してかしこぶらず、普段使いの言葉で、しかも実力派のキャラクタ ーを持つ有名タレントが名をそろえれば、それなりに完成度は高くなる。

追記すれば、三重テレビの“ごじむ”の放送では、番組放送コマーシャル がローカルすぎて、心が和む。聞いたことがない三重の地元のCMばかり か、三重テレビの番組の番宣が多く含まれる。映像がローカルすぎて、マ ントを取る東京の情報と言うイメージは全くなく、ローカル色のイメージ が焼き付いてくる。

かくして、今名古屋では、三重経由で放送の陸の孤島のように、一日以上 遅れで東京の帯の情報番組を見ている。

これとは別に、最近表題の名古屋の中京テレビを巻き込んだ企業統合が報 道された。東京読売テレビを中心に、福岡名古屋札幌の地方局の統合であ る。おそらく東京キー局が圧倒的なマウントを取る東京キー局中心のブロ ードキャストが煮詰まってしまっているのだろう。

このトレンドを誰何するに、今後は、本当の意味で地方の帯の番組でロー カルなマイナーな情報番組でも、配信の多様化で全く関係ない地方で見 て、それが大いにバズル事が生まれてくることになるだろう。それがま た、一律の基準で衰退すると決めつけられている、地方の再生にもつなが る可能性がある。

かつて、ネットの登場で、メジャーなブロードバンドでCMに乗る大量消 費の商品だけでなく、地方だけに限定されていた小さな市場のユニークな 商品が、バズっていきなり大量発注につながるような、所謂ロングテール 市場とお同じトレンドが生まれてくるのではないだろうか。

地方の小さな情報番組が大当たりして、いきなり全国で売れれば、地方の 弱小放送局は宝くじを当てたようなものだ。

地上波のトレンドが、ブロードバンドが瓦解してYouTube並みの、いう なればクライアントバンドの多頭状態になるのではないだろうか?表題の 企業統合もその先手を行くようなものかもしれない。

しかしそう考えるならば、地方の埋もれた情報番組がバズって全国にな り、混合玉石の中から生まれる玉石を生まれる前から手を付けるのなら、 名古屋、札幌、福岡ではなく、三重、岐阜などの更に下位のローカル局に 手を回す必要があるはずだ。

楽しい楽しい、市場のビックバンだ。

以上

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