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コラム/グラスの話/vol.13

ワインや料理を楽しむためのマナー、豆知識を紹介します。

 

 


Complexity -複雑-

 

一言で表現するなら「複雑」だ。

料理を食べた後にわたくしのテーブルの担当者に、恐る恐る

very complexity”と表現したら、彼は喜んで、ぜひシェフに直接伝えてくださいといわれた。

 そこはミシュラン二つ星の旬なレストラン

Silvio Nickolhttp://palais-coburg.com/kulinarik/silvio-nickol/)である。

 通されたのは緊張感が張り詰める厨房である。厨房のスタッフ全員がSilvio Nickolの繊細な指先にすべての神経を集中させている。
まさに厨房すべてを率いて指揮しているオーケストラの指揮者だ。

 案内されたはいいが、声をかけるすきがない。担当者に写真を撮ってもいいかと聞くとOKだ。

 手に持っているまるで手術に使う“鉗子”のような道具を置いたとたん、サンキュー声をかけて手を差し伸べた。
快く握手に応じていただいた。その手は繊細なオーケストラの指揮者ではなく、屈強な鬼軍曹の様相だ。

 そして「ワンダフル」というのが精いっぱいだった。

 

 

料理の感想として「大変複雑」で感動したとは言えなかった。

料理として複雑すぎで理解するには煩悩が多すぎるという意味だ。

 

話を戻そう。今回の舞台はオーストリア ウィーンにあるレストランセルジオ・ニコールである。
コンテンポラリーな非日常的な空間は、どんなサプライズに出会えるかわくわくさせてくれる。
かといって客を委縮させるような威圧感もなく幕があく。ウエルカムドリンクはクルグ、ドンペリ、そしてゼクトであった。
(写真はステート時ではなくパンが登場した時のもの)

 

本日の料理の説明が始まる。どや顔で強調する点はメニューがないことである。6皿か、4皿かどちらかのコース料理である。
Inventiveなのだろう。明らかにアンチパスタから始まり第一の皿、第二の皿というオーソドックスな料理とは違う。
最近のミシュランの新しいレストランはこのタイプが多い。マドリッドのレストランは15皿に至るタパスが流れるように登場する。
要は既成概念にとらわれない流れるような料理のストーリーだ。

 

もちろん食べ方にも工夫がいる。ギャルソンの話をよく聞かなくてはならない。
ドイツなまりか、食材をすべて聞き取ることは正直、難しい。
見た目、白いお椀に入った美しいまでちりばめられた乾燥食材に、隣のグラスに入った“だし“を入れてスプーンで食べる「雑炊」風汁ものだ 。
和のテーストも感じるが違う。

 

次はバリバリと音を立てる堅い食材と大小様々な「つくね」風のソテイだ。
やわらかいものとバリバリの堅いものが口の中で主張しあっている。
触感も、テーストも、風合いもそして連想するイメージのマリアージュが複雑すぎる

 

魚はマトウダイ風のもちもち感がある食材を使っている。
さてこの「緑」のソースはどんなサプライズをもたらしてくれるのだろうか?

 

そして肉はわかりやすい赤みを柔らかく処理してある想像を裏切らないお皿だ。

 

少々端折って、けして目立ち過ぎないデザートをお楽しみあれ。

 

日本人として雑炊を想像してしまうと、出汁味を体が要求してしまう。
つくねを想像してしまうと焼き鳥のたれ汁を舌が要求してしまう。緑の泡仕立てはどうしても抹茶テーストを想像してしまう。
これらの筆者の勝手な連想をことごとく裏切る料理はまさにサプライズだが“複雑”だ。
舌が勝手に想像する食材を超える度量がないと本当の理解はできない。
決して健啖家ではない筆者には自信をもって複雑さすべて理解したうえでそれをほめたたえる自信がなかった。

最近のミシュランのジャンルには多くのinventive が登場している。
料理のクロスボーダーだ。テーブルクラブはどこに向かうのだろうか?

 

 いつもながら最後になるグラスの登場である。

食後主として上品なまで複雑な触感を壊さない程度に香りの強いブランデー、クールドリヨンをお願いした。香りを大事にするクラスだ。

20165
ウィーンの素敵な空間に感謝。

 

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