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===[2001-3-5]================
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
        名古屋ビジネス情報
       主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」
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   テーマ:名古屋駅前エリア地殻変動第2ステージへ

JR東海のセントラルタワーズとは違った大きな地殻変動が起きている。セントラルタワーズはとりあえず満室御礼宣言が出ました。しかし既に名古屋駅前エリアの現場では、地殻変動は第2ステージに移行している。

次の大型開発プロジェクト豊田、毎日ビル再開発に伴う企業・事業所の移動が既に終わろうとしています。トヨタが計画している高層ビルは、原則としてトヨタ自動車自社ですべて使用する事を発表している。したがって現在豊田毎日ビルに入っている非トヨタ系列の企業は外に出ることになる。

しかもこれは建設中の一時しのぎではなく帰る場所のない移転になる。これらの企業は既に周辺三井ビル、三菱地所(第名古屋ビルヂング)などへの入居が終了している。現実にトヨタ毎日新聞の再開発ビルに戻れない、現在の入居している企業の数だけ新たに駅前周辺に新たなオフィスビルの新規需要となっている。

第2ステージの特徴はセントラルタワーズの様に大規模のオフィススペースの提供による周辺企業の吸収移動ではなく、トヨタ企業群の新たな進出による大規模な需要創出である。今回の地殻変動はトヨタ企業群が進出する為の新規スペース確保需要である。

更に今後期待されるのはトヨタ企業群が進出した後、これらの企業群のビジネスチャンスに付随して進出しようとする企業の新規需要が見込まれる。おそらくこれが第3ステージとなろう。更にこれらの地殻変動に牛島再開発がどのような相乗効果をもつかによって新たな動きが起きると考えられる。

ただそれでもまだ賃料を押し上げるほどの新規需要にはなっていないようだ。しかし確実に貸事務所の空室率は改善されている。三菱地所の大名古屋ビルヂング等はまだ若干空きがある。東京の法人の名古屋へのサテライト需要はやはり古いビルより新しいビルを求めている。古いビルに対して明らかに拒絶がある。

空室率が5%をきれば賃料が上昇すると言う経験則からすれば、同じエリア内でも新しいビルは賃料上昇し、古いビルは相変わらず賃料を下げると言う現象がおきても不思議ではない。

JR東海のセントラルタワーズによるオフィス事務所の地殻変動、そして今回の豊田毎日再開発ビルによる地殻変動を通じて言える事は、確かにオフィスビルの移動はあるが、それはあくまで古いビルだけであって、比較的新しいビル、名古屋駅前で言えば日興證券ビル、堀内ビルの新館、近鉄ビルなどはずっと満室状態が続いている。新しいビルと古いビルの明暗がはっきりしている。

東京では現在多くの新しい大型物件が供給されているが、名古屋ではJR東海のセントラタワーズを前後して新規大型物件は供給されていない。広小路エリア等では銀行の統廃合に伴う新規ビルの建設が見込まれず、需要はやはり名古屋駅周辺に偏っている。

名古屋駅前の地殻変動がJR東海誕生による第一ステージから、豊田毎日ビルの再開発ビルによる地殻変動の第2ステージに移ったといえる。やはりなんと言ってもトヨタが動けばその影響力は大きい。近隣の企業を吸い上げたJR東海のセントラルタワーズ効果の比ではない。トヨタのバリューチェーン戦略による新しいビジネスモデルの提供が期待できるなら、世界規模の話題になりうるプロジェクトともいえる。PRの仕方によっては名古屋の情報発信にもなりうる。

名古屋駅前大名古屋ビルから北側の三菱村、トヨタ毎日ビルから東方・南の錦通りまでのトヨタ村、広小路通りを挟んでの三井村と言うように名古屋駅前エリアの中で色分けが進み同一エリア内での競争が始まろうとしている。(エリア間競争に付いては「不動産投資マネージメントの戦略」参照)

これに対して、ある意味でオールドエコノミーとも言える、銀行・ゼネコンの企業群が集まっている広小路、伏見地区のビジネスエリアはまったく動きがないといえる。住友銀行名古屋支店のビルが新築されようとしているくらいである。

マスコミでは最近「直接償却」と言う言葉が使われているが、これらのオールドエコノミーが早く償却されて新しいビジネス、ニューエコノミーが構造的に代わって登場しなければ、地盤低下はまだ続くものと考えられる。

最後に私見でありますが、これらの動向、実態を御用不動鑑定士がどこまで把握できるか、今後の基準値、公示価格の動向を注視したい。

           以上



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