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主宰:川津商事株式会社
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均衡を失う市場 携帯電話市場

〈2019年7月1日〉

最近の英字紙のトッピクスに、ヒトの精子の数が急速に減っている 研究報告が取り上げられていた。以前からもあった話題だが、ここ 50年で50%も減っているとのこと。その原因がプラスティック汚 染等のケミカル汚染であるとしている。汚染の影響で、精子のナビ ゲーション機能が低下し、卵子にたどり着けないらしい。ちなみに 犬も精子が減っているそうだ。

日本で、子供を産まない女性を面白おかしく話題にする政治家がい るが、「男性の精子が急激に減っているそうだ。それは少子化の原 因かもしれない。しかもその原因が政治家が放置しいるプラスティ ックス汚染にあるかもしれない。」と披露する政治家は見かけな い。やはり男性社会のバイアスが政治にはあるようだ。“Sperm counts are on the decline could plastics be to blame”  GUARDIANよ り

日本の携帯電話の料金形態に対する政府の介入が話題になってい る。市場の形態料金の価格が高いという理由である。その一方で iPhoneのアップルの企業業績が落ちている。それはサプライヤー である日本の企業にも影響が懸念される。しかし政治的介入の目的 がiPhone潰しの日本製携帯電話の復活にあれば、また話がややこ しくなる。

市場では、競争優位あるイノベーションが生じると、他の企業に対 してプレミアム利益がもたらされる。イノベーションは創造的破壊 をおこし、それまでの「均衡」を破壊して新しい「均衡」に市場を 大きく動かす。市場が新しい均衡を求めて動き出す状況が市場のダ イナミズムである。

市場のダイナミズムは、市場の新陳代謝を促し、効率の悪い旧ビジ ネスモデルを市場から退場させる。と同時に多くに新しい企業が技 術革新を追いかけて追随する。古い物が退場し、多くの新しいビジ ネスネスモデルが誘発される状況では、新しい価値がどんどん生ま れて市場が大きく成長する。

しかしやがて、多くの追随者が新しい均衡に向かって一斉に動き出 し、イノベーションはいろんな追随者に真似されて、その競争優位 が徐々になくなっていく。追随者がイノベーターに追いつき追い越 すようになると新しい均衡も新しさが失せてくる。同時に市場のダ イナミズムが薄れていく。

iPhoneの業績が落ちだし、他の企業がiPhoneと同等もしくはそれ 以上の商品を開発し始め、市場の優位が崩れる状況。さらに政府な どが市場に介入して、官民問わず参入、干渉しだす状況は、まさに 新しさを色あせた陳腐化した均衡に陥った状況だ。

一方、消費所サイドから見る携帯電話市場はどのようになっている だろうか?最初はソニーのウォークマンが君臨する市場を破壊する ための新しいミュージックポッドから始まった。その技術革新に市 場が見とれた。それに電話機能が付き、カメラ機能が付き、今やユ ビキタス時代の中核的なデバイスとなっている。

それまで、ミュージックポッド、電話、カメラ、パソコンとそれぞ れ機能が分かれたデバイスとして存在しそれぞれの市場を形成して きたものが、すべて携帯電話に吸収されて携帯電話一つの市場に吸 収されようとしている。社会自体が「ユビキタス時代」から「アン ビエンテ時代」へと移行していく。

アダムスミスは、社会が高度に進化すると十駅が大きくなり細分化 すると指摘している。人のコミュニケーションツールが電話、カメ ラ、ミュージックポッド、パソコンと分化していったものが統合し 始めた。陳腐化したものが償却される局面はやはり低成長社会に落 ち込むのかもしれない。

その一方で、携帯電話自体が必需品となり、大きくなり、重たくな り、高額なものとなってしまった。ポケットに入れても重たく肩が 凝ってしまう。高額機種で10万円もするものを小学生のうちから 生活インフラとして持たされる。グーグルで調べればすぐわかる程 度のことを人に聞くことを「ググレカス」と呼ぶそうだ。経済新聞 に堂々と出てくる用語だ。

今や、10万円もする高額機種を小学生のうちから持たないと、グ グレカスと呼ばれてしまう社会だ。必需品で広く市場にいきわたっ てしまった。政府までが介入する、結論は携帯電話の市場価値は限 界にきているわけだ。

8ビットのパソコンが1970年代に登場し、16ビットPCが1980年 代に登場する。携帯電話がネットとつながりだすのが2000年から 始まる3G世代からである。これらの商品ライフ期間は20年から 30年である。

2020年にもなれば、本来なら次の商品が登場してなくてはならな いはずだ。それが見えてこない。これはイノベーションが停滞して いると言わなくてはならないのかもしれない。あるいはアップルウ ォッチ等のウエアラブルが次世代の技術革新なのか。

一気に携帯電話と、インターネットと、移動手段である車の機能が ドッキングしたものが次世代のイノベーションとして登場するのか もしれない。ようやく、スターウォーズ風景の背中が見えてくるの か?と言いたいが、そのスターウォーズの続編がパッとしない。

やはり、ウォルトデズニーのような大企業に手掛けられると、行き 詰ってしまうのか?ジョージルーカスのようなカリスマ性あるイノ ベーターの登場が待たれるのかもしれない。そうすると次世代のイ ノベーターは誰だろうか?

また議論が収束せず拡散してしまった。次回ニュースレターは拡散 する社会は何を求めるのか議論したい。

以上

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