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===[2000-9-20]================
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
        名古屋ビジネス情報
       主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」
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   テーマ: テーマ:マンション管理士

マンション管理士に対する法案が議員立法で臨時国会に提出される見込みである。
9月18日に読売新聞によれば、法案の内容は次のとおりである。

1. マンション管理に必要なノウハウと経験を持つ人材をマンション管理士として国家認定して管理組合の助言にあたらせる。

2. 地方自治体に管理組合からの相談に応じる体制を作るように求める。

3. 管理業者に国への登録を義務付ける。

4. 管理業者に対する苦情処理機関を設置。

5. 管理業者が別の業者に業務一括再委託を行うことを禁じる。

昭和60年後半以降増えつづけた分譲マンションの社会ストックが、日本全国で350万戸以上になろうとしている。現在毎年2−30万戸のマンションが新築されている。日本全国約4500万世帯の1割を占めるのも時間の問題である。

しかも都心への回帰現象によりますます大きな社会要素となる。2000年以降毎年30年以上経つ老朽化したマンションが年に5万戸づつ生まれてくる状況である。しかもこれらは、都心部に集中して耐震性などの多くの問題を抱えた物件である。

老朽化したマンションを区分所有法により、改築もしくは建て替えする事は非常に大きなエネルギーが要る。放置すれば都心にスラム街ができてしまう。そうなれば大きな社会コストを負担させられることになる。安易な分譲マンションの供給による住環境の整備は、かえって将来非常に大きな社会コストを生むことになる。

老朽化したマンションの問題解決の法整備と同時に、老朽化したマンションを生まないマネージメントが要求されるのである。これらの老朽化マンションの国の負担による処理を避けるために、このような法整備が進められていた。

日本では不動産に対して再投資をして価値を高める考え方が育っていない。不動産マネージメントの解説書を見れば、必ずコストカットのことしか書いていない。エレベーターのメンテナンス料を見積もりを取り直して、費用をどれだけ削減したという程度のことを自慢下に解説してある。

不動産マネージメントとは如何に不動産の価値を劣化させないか、もしくは価値を上げるかである。居住者がにわか管理人になってもできるはずがない。まして管理委託業者はデベロッパーの子会社であることが多く、入居者のために利益ではなく、親会社のために利益を考えた業務しかししないケースが多い。利益相反の問題である。

マンション管理士ができても、不動産マネージメントの技術が生まれなくては根本的な進展はない。しかしマンションの老朽化の問題を取り上げ、ようやく動き始めた大きな前進である。

新しいマネージメント技術の開発が伴えば、中古マンション市場の創設などにつながる非常に社会的意義のあるニュービジネスである。今までのコスト削減しかできない管理業務であれば、マンションの老朽化は更に進むであろう。

以上



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