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都市計画の見直し

〈2019年5月10日〉

連休明けに、仕事が緩くなるという工務店の話を聞いた。消費税増 税が景気次第で延期なんて言い出した。政局の手玉にしか思ってい ないようだ。そんな火遊びをしていると本当に景気の急降下が起き てしまうかもしれない。JLLのプロパティクロックでは東京はすで に12時を示し急降下を覗こうとしている状態だ。

高齢者の自動車運転事故のニュースが絶えない。悲しい出来事だ。 そのたびに高齢者の免許の返上が連呼されているが、それだけで済 む問題ではないだろう。移動手段をなくした高齢者はどうするの か?

高齢者の車に変わる生活用の交通システムをはじめとする社会構 造、都市構造を考え直す必要がある。と言っても考えるだけで際限 ない試行錯誤になってしまう。

高齢者用の運転構造に車を改造する。自動運転を可能にする。自動 車に代替するコミュニティーバスを新設する。高齢者が今やゴルフ などの主要な世代となっている。これら郊外都市間の自動システム も再構築する必要がある。そもそも自動車に代わる例えばバイク、 電動自転車、一人乗り軽自動車、セグウエー等々の利用を拡大す る。そしてこれらのシステム的な専用道路など・・・・・。

考えるには段階的な移行計画が必要になろう。第一レベルでは、既 存の概念の運用の改善である。高齢者用の自動車の改造。高齢者運 転自動車の通行規制など。第二レベルでは、セグウエーなどのよう な新しい簡易移動手段の開発及び、その受け皿となる都市構造の改 造エリアの推進。第三レベルでは都市構造のコンパクト都市構造に 向けた新しいゾーニングの整備実効。第四・・・。というぐわい だ。

従来のゾーニングは都市の中心地に商業を振興させる。その周りを 段階的に低利用の住宅エリアを配置し、その外側を開発から守ると いう構造になっている。これは明らかに前時代的都市計画だ。どう 運用面で微調整してもすでに限界にきている。

日本は先進諸国の中ででも高齢化先進国と自認している。であるな らばどんどんそれに対するヴィジョンを打ち出してもいいはずだ が、何も聞こえてこない。日本の先進国の実態はすでに新しいこと を考える思考を失った高齢者になってしまっただけなのか?

アベノミクスが先の小泉政権下当時の戦後最長好景気となった。小 泉政権下では容積率の緩和という非常に有効な規制緩和を行った。 これにより東京都心のリノベーションが始まり都心の再生がなされ た。

いま皆さんが見ている東京駅前の丸ビル、新丸ビル、六本木などの 高層の商業施設は皆この時の規制緩和でできたものだ。当居都心の 生産性が一気に改善された。アベノミクスが有効な規制緩和を行っ ていないという批判がここにあるわけだ。

新しい有効な規制緩和として、都市の新しい都市構造に向けた大幅 なゾーニングの見直しを規制緩和の柱としてはどうだろうか?商業 地域、準商業地域、各層住宅地域の様なゾーニングは明らかな時代 遅れである。

コンパクト構造の都市構造をするためには、高度集積地域から道路 の改編、鉄道の施設、セグウエーなどの解禁、高齢者自動車の通行 禁止など段階的に高齢化社会を包含する都市構造への改造が求めら れる。コンパクトレベル順序の都市計画である。

「高齢化社会」が言われ、都心に高齢者が大量に流入してくる中 で、どのような社会システムが必要になるか?何もプランが聞こえ てこない。これこそが大きな危機ではないだろうか?

追記:都市計画の見直しには、非常に大きなハードルがある。都市 計画の運用は事実上県及び政令指定都市の専権事項化しつつある。 しかし都市計画は本来国家の政策を実現する器である都市政策その ものである。その大体的な改革を行うには地方自治レベルでは知見 が無さすぎる。国VS地方自治の構図となってしまっている。

以上

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