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主宰:川津商事株式会社
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地価公示から考える都市経済

〈2019年3月20日〉

さて今年の地価公示報道がリリースされた。言うまでもなく地価公 示は今年の路線評価、基準値のもととなる重要な都市経済の指標で ある。

先日東京で開催されたあるセミナーで、データ処理の専門家である スピーカーが鑑定評価はデータではなく、鑑定士の意見書であると 言っていた。有効で実効性があれば“意見書”おおいにけっこうで ある。2012以降グローバルスタンダード基準の地価指標が運用さ れているが現時点では地価公示に比べてその実効性は認められな い。

今回新聞報道からは感じられる大きなトレンドを紹介しておこう。

1.北海道が地価上昇のトップに上がった。1990年代のバブルより 一つ前の田中角栄首相による日本列島改造論、リゾート法以来の出 来事である。我々バブル世代には非常に懐かしいデジャブ―だ。

もちろん外資のバブルによるものであるから、いずれ破たんすると 考えられるが、今日本が観光産業を経済の主要な柱にしようとして いることから、うまくいけば持続性のあるファンダメンタルズの成 長となる可能性がある。

今以上に、日本が観光産業に力をいれれば、日本にもっと海外の観 光客が押し寄せくる。パリ、バルセロナ、ロンドン、NYのように 観光客とそれをカモにする詐欺師ばかりだ。名古屋は少々距離を置 いてもいいかもという意見がありやナシや。

2.マンション開発による土地需要が大きく地価に影響をしている。 これはまず住宅金利の低下という金融緩和の延長のあることを意味 しているが、ただそれだけでない。都市が従来の都心回帰でない新 たなコンパクトシティを標榜している。という市場ニーズと金融制 度がマッチした結果である。

ただし、現実には医者などの高額所得者の投資目的、アジアマネー の投資目的の対象となり、地域開発にとってはリアル生活者の居な いマンション開発となってしまっているエリアも多い。これはバブ ル崩壊が起きると、一番被害を被るエリアである。その時は節操の ないマンション業者の悪行となる。

とまで言い切る理由は、まだまだ都市のコンパクトの現実とギャッ プがあるからだ。少子高齢化社会で都市のコンパクト化は急務であ る。しかし実際の高齢者で都心のマンションに移住する人を見てみ ると、タワーマンションを避け、高額マンションに食指は向いてい ない。ガチなマンションではなく緩いマンションだ。

その一方で、コンパクト化に向けて名古屋のゾーニングの見直しが 全くなされていないこともある。制度の遅れである。市場ニーズと しては中区錦一丁目二丁目、丸の内1-3丁目、栄1-3丁目が起爆地 となっている。あるいは東区泉から千種区池下にかけてのエリアが 候補となっている。これらはみな商業地域である。

東京資本の名古屋駅エリアと名古屋資本の栄エリアの喫水域として 前者の丸の内、錦、栄の方が優勢である。ただこちらは東京資本の 近くリニアをはじめとする東京ニーズを反映したものでもあり、必 ずしも名古屋のコンパクトニーズを反映したものではない。市場の ミスマッチングがまだまだある。

しかしいずれにしても、生活拠点としての制度のもととなるゾーニ ングの見直しがなされていないため生活インフラの市場ニーズが整 備となっていない。「既存のゾーニングの見直し」これはまさにコ ンパクトシティの中心にある。そして最も、従来型都市管理者が苦 手とする点である。

従来の都市管理者は、新しく増やす、設ける事、原野の区画事業開 発がその職務であった。容積を増やせば済むことであった。しかし コンパクト化では従来の権利を奪い取り、新しく設定しなおすこと である。権利の調整である。更にそこに法律家の絶対的所有権とい う壁がそびえたつ領域だ。

地下鉄東山線に久方ぶりに新駅が構想されている。これが納屋橋で ある。現在名古屋の地下鉄は都市間移送交通手段ではなく、各駅停 車の生活インフラである。名古屋の国際会議場にしても、笹島ライ ブ24にしても、後からアクセスの見直しが問題化するのが名古屋 の特徴でもある。

年である以上、インフラ、ゾーニングなどの進化更新は永遠に求め られるものである。地価を押し上げたマンション開発が、バブル破 たんの藻屑とならないように。

以上

地価公示コンパクトシティ