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主宰:川津商事株式会社
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今年はどんな年になりますか?

〈2019年1月5日〉

明けましておめでとうございます。天気晴天なれど、市場視界悪 し。早速ですが今年はどんな年になるのでしょうか?

まず、天皇家の家督が禅譲されます。「禅譲」という意味は戦略的 に非常に大きなものだ。企業などの継承の世界では、M&Aによる敵 対買収、好意的買収、骨肉の争いの相続などいろんなケースがある が、禅譲はなかなか成立しない。

天皇家の存命中の禅譲ということで、様々な準備が可能となりセレ モニー外交、セレモニーミレミアムなどいろんなイベントが行われ ます。おそらく平成30年時代とは?的な報道番組が尽きることな くマスメディア化して大量発信されることになる。

日本中が国を挙げて、平成の慰労と、新たな時代のお祝いが秋口ま で続く事になるだろう。この間、お祝い気分が続き、政治的、外交 的、経済的そして社会的な問題も、多少のことは黙認される可能性 がある。

さて秋口になると、日本のお祝いムードとは別に、世界的に進行し ている様々なフリクション、騒じょう、貿易摩擦、金融信用の縮小 等様々な問題が一気に対処が必要になる可能性がある。大きな負担 となるかもしれない。それがそのままオリンピックのプレイヤー、 あるいはそのままオリンピックイヤーの景色となるかもしれない。

リーマンショック以降世界中で提供された信用クレジットは、リー マンショック以前同様、世界のトータルGDPをはるか超える規模で 市場に供給されてづけてきた。これらが調整を要するようになると 事は重大となる。

以上前置きを終えて、本題に入る前に昨年のおさらいをしておきま す。まず年末の記念号の反響を多くいただいている。特にデータ革 命についてです。表現の問題、説明不足もありますが、特にデータ 革命によって税理士、不動産、ニュースアンカー、スポーツ選手等 において古い概念が破壊される点に対して多くのリアクションがあ ったようです。

皆さんのご意見同様、税理士が不必要になるわけでは決してありま せん。新しいデータによる新しいビジネスモデルについていけない 税理士さんに代わって、新しいデータによって生まれる新しいビジ ネスモデルを使いこなす税理士さんに交代するということを言いた かったわけです。

野球選手がいなくなる分けではありません。新しいデータを駆使し たスキルを持った選手にとって代わられるわけです。しかし確実に 言えることは古い帳簿作成、決算書作成だけの税理士、勘と経験と 度胸だけで勝負する野球選手は評価されなくなるだろうということ です。たとえ経験が無くてもデータに裏付けられているほうが信頼 されることになるかもしれない。

一方で、とにかく「データを集めた者が勝ち」というご意見もあり ました。いわゆる中国が、データを手段を択ばず集め独占すること によって、時代は、それまで覇権をほしいままにふるまってきた欧 米諸国をトップの座から引きずり降ろそうとしている。この考えも マデは誰もが認めるところであろう。

都市の趨勢においても同じことが言えると考える。今まで都市は 人、物、金が多く集まる交流の拠点が世界的な都市として君臨して きた。これが「データが集まる都市」「データを独占する都市」「デ ータの象徴」という概念のパラダイムチェンジが起こる可能性があ るわけだ。

東京都が推し進めている「大金融センター」という考えも明らかに 時代遅れだ。むしろデータセンターになる必要がある。というのは そもそも金融概念のプリンシパルである「円」通貨が古い物となっ てしまう可能性もある。それはドル、ユーロ、元にも同じことが言 えよう。

キャッシュレス、仮想通貨、これらはその本質はすべてデータであ る。投資などのセクターもクラウドファンデング等新しい技術にな れば、拠点による金融センターという考え自体通用しなくなる。

とにかくデータの集積が新しい概念を次々と開発し始める。それに よって古い物が破壊されて行く時代が始まったのである。もちろん それは古いものと新しいものとの相克の始まりであって、それが結 論として明らかになるのはまだ先のことである。

データを集められる都市、データの象徴となる都市とはいったいど ういうものか?という質問がまた多く寄せられる事だろう。それ は、今はまだ誰にもわかりません。しかし言えることはそれが分か った時には、すでに遅いということだ。それは他が既に何らかの答 えを出したということであり、自分が単なる傍観者でしかなかった ということが明らかになるだけだ。

とにかくデータを集めて、どうなるかわからないが何か作り出そう とし始めている。これが今のトップランナーだ。

そんな時代に先駆けて、昨年象徴的な事件が起きている。スルガ銀 行をはじめとする一部金融機関で信用データ改ざんによる不動産投 資案件の融資事件だ。事件としては、通帳の残高コピーの数字をコ ピペで偽造し融資先の信用を過大評価させる、きわめて簡単な稚拙 な詐欺行為だ。

しかしデータオンリーの時代になり、しかもそのデータの生成が目 に見えないところで集められるようになると、正善説の世界で無け れば、投資そのものが、魑魅魍魎の世界にか弱いウサギを放つよう なものだ。

「正善説の世界で無ければ魑魅魍魎の世界にか弱いウサギを放つよ うなものだ。」我ながらいい表現と考える。「道徳」が大前提になけ れば市場は単なる強欲の駆け引きでしかなく、神の手によって整合 (均衡)されることはない。まさにアダムスミスの世界だ。

スルガ銀行のような、通帳のコピーの数字を改ざんする程度の事件 すら防げない現状では、ほとんどやりたい放題の世界になる。デー タ改ざん、データ操作の時代の幕開けだ。しかも今の資本主義の原 理では、おそらく強者になればなる程、どれだけ操作をしても詐欺 にはならないことが予想される。

今年は、日本では「世代交代」「パラダイムチェンジ」のような 「交代」関連の言葉がキーワードになると勝手な予想をして、筆は じめとさせていただきます。今年も関係者各位からのたくさんのご 意見をお待ちしております。

以上

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