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マンション再開発 −ノリタケ工場跡地−

〈2018年12月20日〉

今年も暮れになって、新しい再開発案件が新聞報道されている。名 古屋駅から徒歩10分圏にあるノリタケ本社の再開発である。と言 ってもこの計画は以前にも公表されていたが、調整に時間がかかり 再度スケジュールが確定されたものだ。この時間の移動がどのよう な結果を生むだろうか?

当初の予定では、2019年来年にはイオンモールを中心とした商業 棟が完成し、マンションも開発されてそれなりの姿を現す予定であ った。https://www.noritake.co.jp/upload/news_images/20a6c39ed73cddbb3eb72c4dff86b496.pdf

今回の報道では2023年に462戸のマンションを三菱レジレンシャ ルにより開発するものである。都心における462戸の規模は、10 年超前のJR東海が行った千種区池下界隈の名古屋セントラルガー デンの再開発の規模に並ぶものである。

名古屋セントラルガーデンは総敷地46000平米であった、ノリタケ 跡地は残るノリタケの森、新たな開発によるイオンモールも含める と100000平米を超える規模である。

名古屋セントラルガーデンの再開発は名古屋でも大きな成功事例 で、いまだにマンション価値も高評価を得ている。ノリタケがどの ような開発になるのかは、名古屋駅前エリアに対する影響だけでな く、名古屋都心のトレンドにも影響する。

名古屋セントラルガーデン時代と今のマンション開発の大きな違い は、今は、都心で大手マンションデベロッパーが100戸以上の大き なマンション開発を行うと、どうしても実際の居住目的以外の投資 目的購入希望者に販売を行い売り切っておしまいという傾向にあ る。

その結果は、販売の対象がエリア在住者だけでなく、他の市場に向 いて行われる。したがってマンションが竣工しても実際の居住者が おらず、特に外国人所有の投資目的の空き家になってしまったり、 下手をすると潜り民泊の巣窟になってしまうリスクすらあった。

価格帯などいろんな要因が考えられるが、名古屋セントラルガーデ ンの成功の評価は、リアル生活者の質が高いことが上げられる。最 近新たな都心居住エリアの開発として話題なった納屋橋界隈でも、 開発された一部のマンションが高額所得者の節税対策、あるいは市 場内外の投資対象として販売された形跡がある。

これはきれいごとではなく、市場の小さい名古屋などでは、短期間 で大量のマンション開発・販売は難しく、一夜にして新しい良質な 居住エリアが生まれることは簡単ではないわけだ。ノリタケ工場跡 地の住宅開発も名古屋セントラルガーデンと同じ三菱レジデンシャ ルが開発する。今から約5年後の2023年完成予定だ。いろんな選 択肢が考えられる。

もちろん従来の内外を問わず投資目的は引き続き購入需要としてあ るだろう。又リニアの名古屋駅に近いということもあって、新たに 東京の災害有事のバックアップ住居として、東京在住の方が購入す る需要もある。名古屋駅は中部国際空港へのアクセスが30分で良 く、有事以外でもマーケティングの可能性は大きい。

実はこのエリアの、所轄する小学校が一昨年前に統廃合された。そ の跡地にインターナショナル系のスクールが開設されることになっ た。名古屋在住のエグゼクティブ外国ビジネスマンにとっても好立 地となる。

もう一つ取り上げなくてはならないことが、併設される商業施設の イオンモールである。名古屋駅のような基幹駅にこれほど近く隣接 するイオンモールも少ない。情報が少なく憶測でしかないが、予定 通り出店するとして、どのようなモールを作り上げてくるかも期待 される。

先の名古屋セントラルガーデンではべたなショッピングテナントを 排除して、話題のあるレストランなどの誘致が、雰囲気を向上させ て功を奏したと言われている。ノリタケではイオンがリスクをとる 形態となっている。

名古屋駅エリアはJR駅から北に向かって開発が進み、それは円頓 寺界隈、そして今回の様々な可能性を秘めたノリタケ界隈が、名古 屋駅エリアの居住のバックアップエリアが更に北に延びている。こ れはリニア開通後の新生名古屋駅エリアの機能アップでもある。

以上

ノリタケ本社跡地イオンモール名古屋駅前エリアマンション開発外国人投資節税