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主宰:川津商事株式会社
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名古屋都心の新しい街並み−四間道−

〈2017年 8月 5日〉

近年になって、名古屋の都心で四方およそ500mのエリアにギャラ リーと名がついている商業施設が多く出現しているところがある。 それはどこでしょうか?

グーグルで見ただけでも gallery+caf? blanka,galerieP+EN ラッドギャラリー LightsGallery 地球堂美術 エスプラナードギャラリー ギャラリー4CATSとある。 名古屋西区の堀川沿いの四間道(しけみち)界隈である。

もちろん、形態はいずれも異なるが、手作りのアイテムを販売して いるショップ等多くなりこれらも入れると、エリアの物販もすべて ギャライー化していると言っても過言ではない。これは決して悪口 ではないが、隣接する円頓寺商店街に行けば、昔ながらの高齢化し た商店が陳列している商品自、体骨とう品ギャラリーではないかと 言う人もある。

その中で注目するギャラリーを一つ紹介しよう。昨年オープンした エスプラナードギャラリー(http://www.dessert.co.jp/)である。 若手作家の個展を重点的に開催して、周辺の手作りアイテムの販売 とは違う、純然たる美術ギャラリーである。

四間道らしい150年以上たつ古民家を改装した、レンタルギャラリ ーであり、様々な分野の作家による作品が展示されている。オーナ ーのこだわりか質の高い美術作品の個展が続いている。作家たちか らの注目度も高く、四間道界隈の核ともなりえる可能性を秘めてい る。

街おこし論から言えば、古民家の街並みを保存したまま商業化もし くは観光化に成功したエリアの多くが、やはり手作りのアイテムを ギャラリー化して人の回遊性を高めることに成功したエリアでもあ る。

四間道このエリアの潜在的力、例えば名古屋駅と言う都心の下町で ある事、古民家を改造した新しいグルメ雑誌にも取り上げられるレ ストランが増えていること、エリアの規模、名古屋観光の市場規模 の目玉ともなりえることを考量すると、滋賀県長浜の黒壁以上の日 本でも有数の街おこしの成功事例ともなりえるところだ。

名古屋城の再建、名古屋城版おかげ横丁、堀川の再生・・・のプロ ジェクトと連携が取れれば、地域の町おこしではなく大都市名古屋 の観光資源になりえる可能性がある。

如何せん、名古屋はマーケティング、PRが下手である。と言うかPR 主体が不在である。京都でも必ずしも公的部門の情宣活動が構想し ているわけではない。民間の様々なプレーヤーの市場原理に基づく 情宣活動を支持し、育成して京都のPRが出来上がっている。京都並 みのビジュアル的な動画を一本創るだけでも全然違うはずだ。京都 の世界への発信力がそこにある。

例えば、名古屋市がPRをしようとすると、なぜ特定のエリアだけ肩 入れするのかとかやっかみが起き、ビジュアルの内容にクレームが つきまず不可能である。どこも同じだ。プレーヤーがビジネスとし て市場の中で自立し、公的部門がそれを支援するとことが求められ る。大須のように地価、賃料がそれほどまだ高騰していないうちに 地道な成長が進むことを期待する。

四間道の新興の特徴は、これと言った行政資本の整備が核となって いるわけではない。と同時に、既存の内部のプレーヤーではなく新 しい参入者たちによるものだ。参入障壁が低いことも成功している 要素だろう。

どの街づくりでもそうだが、公的部門、既存のプレーヤーはすぐに 障壁を作り権益を守りたがる。良いも悪いも守りに入ったら新しい 参入者は入れなくなる。

以上

四間道ギャラリー円頓寺名古屋駅街づくり回遊性