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主宰:川津商事株式会社
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名古屋都心の新しい街並み

〈2017年 7月 15日〉

名古屋の都心で新しい街並みが姿を現し始めている。一つが御園座 界隈である。そしてもう一つが納谷橋界隈である。いずれも都市イ ンフラではなく民間の再開発が核となっている。

新御園座を核として広小路から若宮大通までの伏見通りの西側が新 しい街並みの姿を現そうとしている。この界隈は以前から優良企業 が所有する良質な土地区画が多く、名古屋でも唯一オフィスビルの 建て替えが進んできたエリアだ。

その核となる御園座の建物が姿を現したことによって、そのモダン な設計の表情がインセンティブとなりエリアの活性化が起きると期 待される。ブランドエリアとしての確立のためには「御園座界隈」 と言った命名が必要になる。

そして納谷橋エリアの核となるプラウドタワーが姿を現し始めた。 この辺りでは久しくなかった商業施設を併設したマンション、ホテ ルを併設したマルチ再開発である。かねてからリークされていた、 納谷橋地区での地下鉄新駅建設の条件も整ってきた。

新しい商業施設テラッセ納谷橋に大垣共立銀行が西区にあった基幹 店舗を移設するなど、ビジネス拠点としても大きなインパクトをも たらし始めている。野村不動産はこの界隈で500戸以上にもおよぶ 都心型マンション供給を敢行する。

名古屋でも都心回帰が言われて久しいが、都心型タワーマンション が登場してもそれに伴う生活インフラの整備が遅れて、生活空間が 孤立してしまうのが現実だ。にもかかわらず多くのデベが供給を敢 行している。逆い言えば生活インフラの整備が市場ニーズとして急 速に高まっているわけだ。

商業施設のターゲットは地域住民であり、イオンモールのような立 体型小規模の商業モールの誘致がターゲットなろう。またこの納谷 橋地区に大和ハウスGが運営するホテルをはじめ、この界隈から錦 にかけて10棟以上のホテルが登場しようとしている。明らかにバ ブルがもたらす新しい街並みだ。

もちろん一時的に供給過剰とはなるだろうが、名古屋のような小さ な市場では一棟ずつ継続的に新しい施設が増えていくことはあり得 ない。むしろバブルを機に大量に供給が起きることが理にかなって いる。

納谷橋の商業施設テラッセ納谷橋は、広小路通りから中に入って、 旧劇団四季の劇場跡地に隣接している。少々中に入っている分、懸 念材料はある。ここでキーワードになるのは堀川だ。

少々時間を遡るが、もう一つ民力だけによる新しく活性化が起きて いるエリアが西区四間道界隈である。行政資本が少ないエリアで官 製地価などにも反映されにくいエリアであるが、飲食店が増え賃料 なども確実に上がっているエリアである。このエリアがやはり堀川 沿いである。

そしてこの先には能楽堂、河村名古屋市長が提唱している名古屋城 版おかげ横丁構想、そして名古屋城再建がある。こうやって見ると 古屋市都心部のマネジメントの画が見えてきたわけだ。

名古屋都市の現在の最大の問題が東京資本による名古屋駅界隈の再 開発と、地元行政資本による栄エリアの再開発の格差である。この 二つのエリアをバスとかライトレールなど都市型新交通システムで つなげたいというのがステレオタイプの解決策のようになっていた。

もっと効果のあるのが回遊性のブリッジである。名古屋駅前の回遊 性と栄駅前の回遊性をブリッジ(両方にまたがる、中間に位置する) する回遊性があると自ずと二つの属性の違った大きな回遊性がつな がることがある。

その実証は、大津通商店街と大須商店街と言う二つの属性の違った 回遊性をブリッジするパルコエリアのアメカジファッションを中心 とした特定の世代のファッション回遊性だ。この回遊性の存在によ り個性の強い大きな二つの回遊性がつながっている。

納谷橋から四間道・円頓寺そしてまだ見ぬ名古屋城おかげ横丁に至 る堀川エリアが整備されると堀川沿線の回遊性が期待できるわけだ。 いよいよ堀川の都市インフラとしての価値が高まってきた。

弊社は以前劇団四季跡地およびその周辺に堀川を利用したフィッシ ャーマンズワーフを提唱していた。海外の大都市において大きな川 沿い、海沿いにはシーフード料理が立ち並び、その都市のシンボル となっている。バルセロナ、リスボン、ニース・・・・ニューヨー クでも食文化はシーフードだ。

名古屋は伊勢湾・三河湾のフロント都市でありである。名古屋が伊 勢湾のシーフード、三河のウナギ等のフード拠点となっても全くお かしくないわけだ。食べる魅力のない都市は格を下げる。名古屋駅 前に点在する海産物の卸市場のノウハウを借りれば可能性は大であ る。

南知多のまるは食堂は連日朝10時から整理券を配りだすぐらい盛 況ぶりだ。伊勢湾近海物の海産物が堀川を登っておかげ横丁までや ってくる姿は、徳川家康が描いた尾張藩の都市計画の再興ともなる 姿である。

ブラタモリが取り上げて初めて知ったでは恥ずかしい。堀川にはい ろんな価値ある歴史的ストーリーがある。名古屋が誇る観光資源で ある。

以上

御園座納谷橋四間道堀川おかげ横丁名古屋城再建