ニュースレター

主宰:川津商事株式会社
名古屋の不動産何でも相談室がお送りする、不動産・ビジネスに関するニュースレター「名古屋ビジネス情報」へのご登録ありがとうございます。
不動産にとどまらず、名古屋のビジネス情報、街づくり話題、不動産経済に関するニュース、物件情報など時代の変遷とともに広くお伝えしています。

静かなるブラタモリの反響

〈2017年 6月 20日〉

その前にクールビズの時期が来ました。例年ですが筆者はクールビ ズの在り方に反旗を翻しております。ここでも少々・・。
1.クールビズと言いながらホテルなどで開催されるレセプション、セミナー、レストラン でも平気でネクタイをしていないマナー悪さ。
2.クールビズの定義が不明でカジュアルすぎる様相は適性をかけ る。服装が乱れている。
3.クールビズをしている人たち自身が、暑くてやってられないと不 平ばかり言っている。


海外でも有名レストランでシワクチャのトラベルジャケットでやっ てきて、一番隅の席に追いやられる日本人を見るのは非常に恥ずか しい。日本人のマナーの悪さは目に余る。今のクールビズの在り方は、プライオリティー(マナー)の 欠如に拍車をかけているだけである。

もし、クールビズをしなければおそらく、暑さ対応の新繊維素材の 開発が進み、暑さに対する技術革新が進み経済効果が大きくなるは ずだ。実際企業人でありながらクールビズ姿で職場の暑さに不平ば かり言っている姿程暑苦しいものはない。今のクールビズでは経済効 果があるとは思えない。

さて前置きは以上にして、今回のブラタモリ名古屋の反響の大きさ には改めて驚く。かつての名古屋嫌いのタモリが来るという下馬評 をよそに、タモリが涼しい顔で大人対応した姿が印象的でもある。

まず驚いたのは「愛知県県外の方(岐阜)からブラタモリみたよ、 面白かったね」と言われたことだ。名古屋城、熱田神宮、徳川家康 と名古屋の地形のかかわりが非常によく理解できたというものだ。 知っていて当たり前で常に情宣活動していなかったことが明らかに なったともいえる。おそらく県外ばかりでなく愛知、名古屋人でも、 番組を見て改めて知見を得た方もいたかもしれない。

池上彰ブームではないが、知っていることをより難しく説明して自 分の知識を自慢する学者ではなく、素人の言葉を借りてより分かり やすく解説する手法が的を射たと言えよう。とりあえず視聴率の高 い番組たるゆえんだ。

もう一つは、名古屋をほめる番組に一番喜ぶ名古屋人の心をくすぐ られたというところかもしれない。本来名古屋をほめちぎる番組、 雑誌を見たがる東京人はいない。今回も視聴率が高かったのは名古 屋地区である。必ずしも全国ではない。

その中で、全国紙である産経新聞がブラタモリに関連して報じた名 古屋飛ばし議論を当ニュースレターでは取り上げたい。名古屋での フィーバーをよそに、東京が今回のブラタモリ名古屋をどのように 受け止めたかを知る事ができる。
http://www.sankei.com/west/news/170619/wst1706190004-n1.html
「ブラタモリはきたが、マドンナもマイケルも名古屋飛ばし・・・」 と言う、一見、古臭い名古屋飛ばし議論である。

ぜひ記事を読んでみていただきたい。記事は、ようやく名古屋もブ ラタモリに取り上げられる都市になったかと言う起点だ。名古屋か らすると何をいまさら言っているのかと一見思うが、東京の見方は、 この昔の名古屋飛ばし議論から名古屋に関する関心は進化していな いということだ。

ただ記事の結論は、名古屋飛ばしの原因は名古屋には様々な催し物 を開催する器がなさすぎるという、今までにない論法である。既設 イベント会場の使い勝手の評価を含めて、市場ニーズにこたえてい るのかどうか、マーケティングがなされているのかどうかという、 今までの名古屋ではなかなか表だって議論されなかった点である。

特に今後ガイシホールが改修に入いると、なおのことコンサート会 場、イベント会場がないというものだ。それ以前に、大・中・小様々 な会場がなさすぎるという議論だ。これに対しておそらく名古屋の 当事者は、そもそも需要がないからないわけで、作っても赤字にな るようなものは作りたくないという声があるかもしれない。

しかし、2000年に名古屋駅前にセントラルタワーズが登場したとき 同じように、これだけ名古屋への交通アクセスの技術革新があるに もかかわらず、30年以上も新しい器(コンサートホール、イベント 会場)ができていない状況が、需要を喚起できていと言う重要なこ とを問題提起している。

実効性ある市場では、実効性ある供給が新しい需要を喚起する。新 しい供給なくして需要の喚起はあり得ない。市場にマッチした実効 性ある器の供給と言う発想が全くないわけだ。民間から言わせると 交通の便がいい、使い勝手のいい器ができていないという不満でも ある。

以前ある大手新聞社の記者が嘆いていた。オリンピック開催で東京 のイベント会場がマヒし、その受け皿として名古屋、愛知が期待さ れているのに誰も乗り出そうとしないと。

彼の指摘は、大村知事と河村市長の博覧会会場新設の綱引きの問題 ではない。要はマーケティングである。愛知名古屋が受け皿になり ますというPR、マーケティングがなされていないことである。使っ てもらえるものを作ろうという努力がなく、作れば勝手に利用して くれるという実効性のない考えこそが名目上の需要を消しているわ けだ。

使える器が名古屋にありますよと言うマーケティングこそが、実効 性ある器の供給である。産経新聞が思わぬ方向に議論を飛ばしたが おもしろい。名古屋で実効性あるイベント会場の新設議論が起きて もいいだろう。もともと名古屋は地理的に日本の中心にあるのだか ら。これだけの立地で作っても使ってもらえないというのは、専門 家から言わせればよほど使い勝手の悪いものばかり作っているので はないかというおしかりである。産経新聞はその市場評価の一つで あろう。

以上

実効性ある市場名古屋ブラタモリコンサートホールイベント会場ガイシホール