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主宰:川津商事株式会社
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大名古屋ビルヂング VS JPKITTE

遅ればせながら明けましておめでとうございます。年が明けてあっ という間に1月も終わってしまいます。取り急ぎ1本ワーキングペ ーパーをお届けします。

昨年の年末特集号で、一年の総括としてグローバリズムVSサブカ ルチャーというテーマの持論を展開しました。非常に長い稚拙な文 章で、肝心の話にはいきつかなかった。というお叱りを受けており ます。ことしもグローバリズム対サブカルチャーの戦いがまだまだ 続きます。しつこく改めてさわりだけ紹介します。

グローバリズムを支持する経済理論が貿易論の比較優位論である。 これは各国が他の国に対して比較し、出来の悪い商品の保護生産を やめて、優れた優位な商品だけに特化して生産し輸出すれば、世界 中が優位な商品ばかりになり、経済効率が良くなる。結果的にグロ ーバル市場全体の生産性が上がるというものである。

一方、従来はその国の中で、多くの優位でないスタートアップの人・ 商品を大事に育て、やがて優位なものに発展させていったわけだ。 この優位で無い下位のものを育てることをやめて、優位な優れたも のを外国から輸入すると、下位の階層の商品・人は市場から追い出 され居場所をなくす。

この下位(サブカルチャー)を育てて守るナショナリズムと、比較 優位という自由な競争を要求するグローバリズムの戦いが、いま世 界中で起きているわけだ。このナショナリズムをポピュリズムとし てしまうとその本質を見失う。

そこで、グローバリズムが批判される点は、比較という名の競争が 進むと、より多くの敗者を生み続け、ほんの一部の勝者しか残らな くなる。これが格差問題である。ほんの一部の勝者に多くの資本の 運用を任せれば効率の悪い敗者がいない分、資本効率は良くなる。 これはピケの新資本論である。

ピケ曰く、資本収益率が高くなり成長率抜くと格差がますます広が ることになる。格差が広がると社会を二分してしまい、民主主義を 根底から覆してしまう。これに対して有効なガバナンスを効かせら れないのがグローバリズムの欠点である。

そしてグローバリズム支持を絶対とするのが、最近頻繁に登場する 言葉である「エスタブリッシュメント」と呼ばれる上級、既得、支 配層にいる人たちである。彼らはまた彼らの村社会の中だけで社会 を俯瞰しがちであり、下層のサブカルチャーの世界の動きであるイ ギリス離脱、トランプ当選を読めていなかった。

これに対しアンチ・エスタブリッシュメントいわゆる下位の既得権 を持たない・非支配層は、サブカルチャーの世界で効率が悪いかも しれないがいろんなものを真似し、繰り返し、重ねて新しいものの 原石を一生懸命生もうとする。そのための保護を要求する。

国は本来、自由な競争を標榜するグローバリズムはボーダレスで国 と言う単位を破壊するものであり敵対するものである。しかしグロ ーバリズムである程度の利益を今まで上げていたことによりエスタ ブリッシュメントの御旗となっていた。だがここへきて、国に利益 をもたらさず、実は搾取していることが分かってきた。これに対し てトランプは牙をむいて威嚇し続けている。

しかしトランプの威嚇先はどうしてもメキシコ、中国、日本と言う 国である。では逆に言えばメキシコ、中国、日本がアメリカの利益 を搾取して国が裕福になっているか?逆に少なくとも日本もまた、 アメリカなどグローバルスタンダード信奉国に搾取されている意識 が強い。明らかに日本の地方は、すべてのものをグローバリゼーシ ョンにささげたという意識が強いはずだ。

これを説明するためには、国以外のグローバリゼーションセクター が巨大になり、いよいよ国の富を搾取しだしたというべきだろう。 そのセクションとはAmazon、アップルかもしれない。

重要なことは、グローバリゼーションは比較優位を前提としており、 そのために国同士の自由貿易、自由競争を要求する。アンチ・エス タブリシュメントは国家間の自由貿易、自由競争を否定し自分たち のサブカルチャー保護を要求する。

この国を都市に置き換えれば、都市経済のマネジメントも見えてく る。比較優位でいいものを誘致することにまい進するか?かつてコ メダ、ココ一番をサブカルチャーから育てたように保護するか?

さて前置きをこのくらいしにして、表題の話をしよう。大名古屋ビ ルヂングの地階レストラン街を見てみると、名古屋飯はほとんどな い。全国の有名優れどこをそろえてある。ジャパンスタンダードで 比較優位なレストランが軒を並べている。築地のすし屋、博多のラ ーメン・・・。

一方JPKITTEの一階レストラン街は、いわゆるご当地のソウ ルフードに近いライナップである。あんかけスパゲッティ、浩養園 のとんてき、あるいは名古屋で発祥した店舗が中心となっている。 この地方が育ててきたサブカルチャーである。筆者の私見から言え ばJPらしくて好きだ。落ち着く。

正にスタンダードVSサブカルチャーである。そして結論として、 どちらが人が多く、賑わっているかと言うと、ジャパンスタンダー ドの大名古屋ビルヂングの地下レストラン街のほうが人が多く並ん でいる。もちろん立地など様々な要素の違いがあるがこれが現実で ある。

以上

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