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主宰:川津商事株式会社
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世界の大きな流れて何?

〈2016年 5月 20日〉

サミットが近づいてきた。名古屋の小さな不動産屋が世界の情勢を 俯瞰してみたい。先月ヨーロッパのオーストリアで大統領選挙があ った。結果は与党が負け野党の右派の候補者が一位となり、次のス テップにコマを進めた。このニュースはガーディアン紙では "Austria's lunch right shocks EU"という表現で紹介されている。

日本では産経新聞が取り上げている。日経はFT版として紹介してい る。注目したいのは、海外の英字新聞を見ていると、ここ最近の様々 な国政選挙のたびに今回の候補者のような“rightwing”つまり「右 派」という言葉が登場することだ。

この“rightwing”は日本の新聞で登場するときは必ず「極右」と紹 介される。今回のオーストリアの大統領候補ノルベルト・ホーファ ーは、「難民や移民対策の厳格化を主張する極右、自由党の(産経ニ ュース4月25日)」と紹介される。

これに対して敗退する与党の多くが“green”などの文字を使用する 環境派のイデオロギーを前面に出している政党集団である。つまり いま世界ではgreenではなくrightwingへ大きく舵を切っている状 態だ。

ここに大きな世界の潮流が見える。環境問題はその解決として必要 とされるのがグローバル的な視点である。つまり個の意見を超越し たグローバリゼーションの概念である。もっとわかりやすく言えば 地球環境など全体のために個は我慢しなくてはならないというもの だ。すべてに優越した西側の民主主義をグローバルに広め世界平和 を実現するために、自分たちは少し我慢してそうでない海外に支援 をしなくてはならない。その為には古い体制を壊すための戦争も必 要だ。というグローバリゼーションである。

これに対して右派というは、全体よりも個、国、自分たちのことを 第一に考える概念である。環境などのため自分たちが我慢すること はもうできない。限界だ。自由を求めたい。民主主義を広めるため に海外に十分な支援をする事より、自分の生活を改善してほしい。 移民のことはもう考えたくない。それより今の自分の生活困窮で限 界である。その結果右派は移民に対して厳しくなり、それが移民排 斥の極右であるという非常に安直な論法が日本のマスコミである。

日本の安倍首相に対する評価ももちろんrightwingである。財政規 律よりも金融緩和、日本の独自の主張を明確にする立場など。

この潮流で経済を考えるとどうなるか?サミット直前に安倍首相が 参加国を回り財政出動を根回ししたが、見事に肘打ちを食らったと日 本のマスコミが連呼している。政治活動というのは皆が反対してい ることでもよしと信念をもって説いて回るのが政治であるはずであ る。

肘打ちの先鋒がドイツのメルケル首相である。この首相はご存知のよ うに難民受け入れに寛容であり、財政規律を重視しい、厳しい規律 と引き換えに、世界に手を差し伸べる手法で信用を勝ち取り今のド イツの繁栄を築き上げた人である。つまりグローバリゼーションの 盟主である。戦時中のドイツではなく今のドイツの世界に対して寛 容さを知らしめてドイツの信頼を高めたいとう野心家である。

G7の中で財政出動に強硬に反対しているのがドイツである。これに 米英が追随するが、米英は為替問題、EU離脱阻止など別の問題から 反対している。これに対して財政支出に肯定的な考えがフランス、 カナダ、イタリアである。グローバリゼーションについていけない 自分たちを考えるだけで精一杯の国である。

ドイツはメルケルの功績が称えられる限り今の路線を進むだろう。 しかし旧先進国の多くがgreenよりrightwingになりつつあるのが 今の世界の潮流である。さてこのような中で日本のサミットでどん な考えが発信されるのか注目してみましょう。

以上

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