ニュースレター
主宰:川津商事株式会社
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ザ・バブル
〈2016年 4月 20日〉
熊本の震災、見舞い申し上げます。長い道のりの復興になるかもし
れませんが、いち早く復興することを祈念申し上げます。
最近東京の不動産関連のビジネスプレーヤーとの接触が多くなって
きている。今の状況は、弊社の考えでは市場のプレミアムリスクが
非常に高くなっており、金融緩和で何とか相殺されている状況であ
る。プレミアムリスクの本質はいつまでもバブルが続かないやがて
調整が始まるという危機感である。
東京の方に聞くとやはり、東京市場がすでにバブル化しており、し
かもそろそろ限界というリスク感が高まっている感じが聞き取れる。
リーマンショック前の状態に似ていると明確にいう人もいる。
それででも進むしかない。今やめればどの道ダメになってしまうか
らだと付け加える。バブルの状況下では誰もバブルだからと言って
やめることができない。すでに多くを手掛け、やめればどのみち破
綻してしまうからだ。抜け駆けを許さず、みんな手を取って突き進
むしかない状況である。
1990年代のバブルに流行った言葉にビートたけしの「赤信号みんな
で渡れば怖くない。」がある。まさにこういった状況である。そこで
東京の方々は、地方に活路を見出し始めているわけだ。
先に名古屋で公表された投資家意識調査の結果がまさに現実となっ
てきている。名古屋のプレーヤーはそろそろ終わりと考えているが、
東京のプレーヤーは名古屋はこれからだろうと考えている。
東京から見れば、名古屋がだめなら他の地方のどこがいいのかとい
うことになる。東京ではすでに投資採算ライン3%台になり、地方
に活路を見出さざるを得ないわけだ。逆に考えればこれは好機であ
る。東京資本でリスクを取ってもらい、更に名古屋で投資を推進さ
せれば名古屋景気の下支えができるわけだ。
名古屋市場の扉を閉めるのではなく大いに受け入れようではないか。
できない理由を言えばきりがないが、名古屋もエンジンを全開にす
る必要がある。
何度も言うが、バブルを後から非難することは簡単であるが、バブ
ル下でしかできないことが多くある。箱モノの多くがそれである。
30-40年も前の生産性の悪い箱モノは、バブルといわれるほんの2-3
年しかない好機に整備しなおす必要がある。
将来を見据え好機ととらえてリスクをとれる時に果敢にリスクにチ
ャンレンジするのが経営者である。オオカミが来たとリスクを連呼
し、リスクを過大評価し、恐れおののき手をこまねいでいる理屈屋
は退場するべきである。
弊社が考える楽観的シナリオでは、東京のバブルは少し調整時間を
置けば投資効率がいまの3%から4%に戻るだろう。今の一極集中が
続く限り実際に需要はあるからだ。その間地方でお茶を濁せばいい
わけだ。これが軟着陸である。
軟着陸できればバブルではなくファンダメンタルズの成長というこ
とになる。一方ハードランディングの懸念もある。様々な円高リス
ク、内外の政局リスク、地勢リスクなどの外生要因が重なることを
考慮する必要がある。
2020年のオリンピック直前に一度大きな調整に曝され、そしてオリ
ンピック1年前から東京が機能マヒする。これが以前からのシナリ
オである。これを軽減できるのはリスクをとることでしかない。第
4コーナーにいよいよ入ろうとしている。鞭が音を立てる場面であ
る。
以上
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