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スーパーターミナル、名古屋駅インター2(新しい都心リノベーションの始まり)

〈2013年3月5日〉

前回名古屋駅のスーパーターミナル化に関する新聞ニュースを取り 上げた。今東京の渋谷、新宿、更には品川で起きている駅のスーパ ー再開発を紹介しよう。

昨年、渋谷駅界隈の再開発で、新しい渋谷のシンボルとして「渋谷 ヒカリエ」が登場した。事業主は東急電鉄である。行かれた方はど う感じられたか?若者の渋谷文化ではなく、妙に落ち着いた30代以 降の商業施設の構成である。

実はこのヒカリエの地下には、東急東横線と東京メトロ副都心線渋 谷駅が相直(相互直接乗り入れ)により新しい駅ができ、その上に できた新しい商業施設であり、通勤客を対象にした商業施設である (正直言って写真とは裏腹にウナギの寝床のような形状である)。

今この相直(そうちょく)が新しい駅の技術進化をもたらし、東京 都心に非常に大きなダイナミズムを起こそうとしている。相直とは 二つの電車が互いに一つの線路上に乗り入れる事を意味している。 つまり東急と東京メトロが一つの線に乗り入れたわけだ。

と言うことは今まであった二つの駅が一つになり、その一つである 東横線渋谷駅が不要になり、空間が新しく都心に生まれる事になる。 路線敷地250mの空間である。この空間を使って渋谷駅前を新しく 再開発しようとしているわけだ。これは日本でしかできない技術と 言われている。

つまり違った鉄道を相互乗り入れし、ジョイントする技術は、そも そも完成度の高い運行管理技術の上に成り立っている。新しい駅の 運航管理はもちろんのこと、一日にして駅を切り替え全くその日の 運航に支障をきたさない切り替え技術は、日本でしかあり得ないと 言われている。

この鉄道技術が都心に新しい空間を生み出し、新しい再開発を起こ そうとしているわけだ。新宿でも新しい空間を作り出し、大がかり な再開発が始まろうとしている(ただし、この空間のねん出の仕方 は、多少政治的なものがある。)。

今後東京で一番大きな可能性として関心が集まっているのが、品川 である。実は品川には在来線、新幹線等の車両基地として20ha敷地 がある。これがJR東日本と東北縦貫線のジョイントにより、新しい 空間として登場してくる。

ここに将来のリニア新幹線東京駅が登場する予定であるが、問題は この20haの規模である。これは現在の東京駅前に位置する丸の内エ リア、大阪の北ヤードに匹敵する規模である。

そもそもリニアたるもの自体が東京では大して関心がない。地方の 名古屋、大阪で盛り上がっている、中国ですでに走っているリニア のまねをしたものだろうと言う感覚だ。

世界の鉄道技術水準を大きく塗り替えるこのリニアの影響力に、都 市開発の識者の間でようやく気が付き始めたと言う所だ。丸の内の ように三菱だけが独占して閉鎖的なエリアと違い、この20haに多様 なビジネスセンターが生まれる可能性があり、今後の東京のあたら しい核となりうる可能性を秘めているわけだ。

品川は現在の羽田空港へのアクセスがよいことは既に認知されてい るが、何と言っても名古屋まで40分で繋がることの意味にまだ気づ いていない。現在新幹線で40分圏内が静岡の三島である。この三島 が40分で通勤圏になった時三島が一躍住宅バブルになっった。この 事実を名古屋も認識するべきである。2015年の名古屋駅前の再開発 完成に終わることなく続く第2段、第3段の開発が2027年までに引 き続き起きるくらいのインパクトを持っているわけだ。

鉄道技術の進化が、停滞していた都心駅に新しいリノベーションを もたらそうとしているわけだ。都心に新しいダイナミズムが生まれ ようとしているのである。これらはすべてインフラの更新ではない。 市場ニーズに技術が応えた結果である。

極端な例を想定しよう。名古屋駅前で名鉄と近鉄が相互乗り入れを してどちらかの名古屋駅が一つなくなり、その分新しい空間が名古 屋駅前に生まれたとしよう。このインパクトは計り知れない。

極端な例を想定しよう。地下鉄と名鉄、近鉄が互いに相直したとし よう。そうするとそれぞれの車両基地を相互利用する事も可能とな る。そうするとどうなるか?

極端な例を想定しよう。JR名古屋駅の関西線、中央線、東海道線が すべて一つに乗り入れして、これらの名古屋駅が一つになるとどれ だけの空間が生まれるだろうか?いよいよスーパーターミナル駅、 名古屋インター駅の可能性は十分にある。

金山駅から名鉄線を栄に乗り入れ地下鉄と名鉄線、瀬戸線が栄で相 互乗り入れができたら、栄エリアに三河地方、名古屋北東部の商圏 を持ち込むことができる。栄エリアの再生にはこれほどのカンフル 剤はない。

もちろんこの極端な話には軌間等の問題がある。都市の成長は人口 増などのファンダメンタルズ成長ではなく、マーケティング成長時 代に入っている。ビジネスでは、できない理由を言う人はおいてい かれる。

できる情報が重要なのである。マーケティング何もせずにいると、 資産保有している土地の価値が下がってしまい、取り返しのつかな い損失になる。

次回は新しいインフラ開発の情報を考えてみる。

以上

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