ニュースレター
主宰:川津商事株式会社
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来年の景気予測一瞥
〈2011年12月20日〉
正直景気の良い話題がなかなかありません。そこで来年の景気予測
を概観します。
本屋で並んでいる2012年の景気予測本を一瞥すると、改善する
方向でシナリオを描いたとしても、概ね来年も今年の延長線上にあ
りまだまだ厳しさが増すという予測が大半を占めている。
まずアメリカ経済は、低迷している消費、住宅需要がこのまま安定
して、徐々に回復基調に戻るまでにはまだ2年かかる。つまり20
13年以降になるという予測が解りやすい。
ユーロ経済は、各国の財政赤字が解消するには早くても5年はかか
ると言われているが、少なくとも回復の道筋が描かれてその軌道に
乗るのにやはり2年はかかりそうだ。
一方中国はすでに経済成長のピークアウトをしており、今後は如何
に持続可能な経済成長を実現するかになっているが、大きな高度経
済成長の調整(ハードランディング)がどのような形で何時頃来る
かが留意点のようだ。
ピークの10%以上の成長から8%〜7%台キープ維持が向こう5年
間のトレンドであるが、やはりここ2年間が要注意ということにな
るようだ。
新興国は、欧米諸国、中国国内の消費が順調に回復してくれること
により、成長を継続するものである。金融危機の影響を最小限に食
いとめたいこと。国内でのインフレを何とか抑えることができれば、
成長シナリオに戻ることができるという見通しである。
これらの成長シナリオに対してリスクは、ユーロの財政赤字の急変、
アメリカ経済の悲観的シナリオ、新興国の信用クランチあるいは物
価高によるインフレ懸念、中東北アフリカの地勢リスクによる原油
価格への影響、日本だけでなくアメリカ、ロシア、中国の政局リス
ク等があげられる。
一方国内としては、復興需要があるが、グローバル経済のサプライ
チェーンの回復等来年にも直結して景気を浮上させられる要素があ
る。
結論としては、順調に行ったとしても向こう2年は今のまま厳しい
やりくりが求められる。日本はデフレの中で円が買われ円高が維持
され、低金利も維持されるというものだ。その中で効率よく復興需
要がプラスに働けば悪いなりにも通年で2%-3%の経済成長が確保
できる。
これはまだ2年の猶予があると考えるべきだろう。もし2年後世界
経済が成長シナリオ回復に入れば、日本が円安になる。それまでに
日本の社会保障、財政改革に道筋ができていれば、日本も良性の円
安基調に乗り大きな経済成長が期待できる。
しかし2年の間に何も決まらず、今のまま社会保障に対する不安が
増し、財政改革の道筋ができていないと、日本だけが財政赤字の問
題を解決できない国として狙い撃ちされる、悪性の円安、過剰債務、
インフレのトリプル失政になりかねない。
そういった意味でグローバル経済が回復・失速するにしても、この
2年がその執行猶予となり、特に来年同じようのすべてを先送りし
て何にもせずに過ぎていくか、成長のための道筋を作り上げられる
かがキーになりそうだ。
国内の最大の関心事は、今の低金利がいつまでもつか?と言うとこ
ろだ。2年、5年、以降ずっと、と言う3つのシナリオが想定でき
る。消費税導入の先送り、円安に反転するのが2年後という意見が
多い中で、低金利はまだ5年は維持されるという意見が多いのは明
らかに矛盾している。
先般大手Y新聞が一面でイタリアからの警告として、財政破綻し学
校から先生がいなくなる例をあげていた。どうしていまさら?であ
る。リーマンショック以来世界中で財政緊縮で地方自治体が先生を
雇えれない事例は世界中の大手新聞で報道されていた。
日本の論評は海外を見ないのか?意図的に情報を隠し、コントロー
ルしていると言われても仕方がない。しかしいよいよこの2年間の
施政リスクが顕在化してきたことになる。
名古屋のことを考えてみよう。前回の景気のピークが2005年で
あり、2007年にピークアウトしている。2000年代最初の1
0年の後半には調整期に入ると予想できていた。リーマンショック
の影響を伴いながら調整に入り、ある意味予想通りである。
今後2015年前後に再び名古屋駅前の大型プロジェクトが出来上
がり、それに向かって景気が上向くシナリオを描くことは循環的に
非常につじつまが合う。しかしそのためには2011年か2012
年に景気の底を打っていなくてはならない。
先行する地価経済でみれば、順調な回復をするとすれば来年か遅く
とも再来年には反転することになる。前回の2004年に地価が反
転した状況を考えると、来年が当時と非常に似た状況になる気がす
る。
筆者は様々な諸条件から感覚的にこの成長シナリオを支持している。
前回2004年の夏までにクロージングできた売買のディールは勝
ち組であったように、来年の前半がそのターニングいポイントにな
るのではないかと考える。
今や行政に資金はなく、経済政策のポイントも財政支出を増やすこ
とができず、マネーを緩和する手法も機能しなくなった。直接市場
に関与する時代から、市場機能が正常に働くように障害を取り除く、
市場にインセンティブを与える役割に変わってきている。
ポイントは、地域経済が都市構造に非常に強くリンクしていること
だ。グローバル経済は国との競争より都市間競争にはいいてきてい
る。シンボリックな都市再開発と景気が密接に関係し、それができ
ないエリアは低迷したままである。
海外の経済基軸の中で、名古屋がどの様なポジションをとれるか?
これが引き続き重要なポイントになると考える。
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