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主宰:川津商事株式会社
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ユニクロ賛美
〈2011年11月15日〉
所得200万円以下の生活が主体となる社会とはどのようなものだろ
うか?時給850円で1日8時間働くと6,800円になる。これを月25
日働くと170,000円になる。12か月で2,040,000円の所得となる。
今飲食店業界などでは実に正社員は3分の1以下と言われている。
当初は正社員でいた事務職などの若い人が35歳以上で転職すると、
大体が派遣社員になり、更にそれを過ぎると大体がパートになる。
そうでなくてもはじめからフリーターで限られた選択肢しかなくな
るとやはりこのクラスの所得になる。
これは特異なケースではなく、団塊の世代が年金で裕福に海外旅行
を満喫している一方で、非常に多くの若者が強いられる現状である。
所得の約3分の1が住居になる。年間60万円が家賃通勤費の限度
である。家賃(共益費その他費用込)が5万円以下で、交通費がか
からないところの立地が選択されることになる。最近はさらに4万
円までで探してほしいという依頼が急増している。
飲食店などの職場は名古屋駅前、栄エリアに集中する。そうなれば
交通費を節約すると当然そのエリアが居住エリアとなる。従来の学
生の居住区であった名東区、天白区等の周辺エリアから都心に人の
移動が生じれば、当然市場インフラもそれに追随して都心部に追随
する。その結果都心部への集積が加速する。それは名古屋市周辺部
あるいは郊外の衰退を意味する。
さてユニクロ栄えて日本を滅ぼすと言われ、国を挙げてユニクロ憎
しが連呼された時があった。弊社もその一端にあった。それは日本
国内の需要市場で儲けながら、労働機会などの所得機会を海外にす
べて持って行っていたからである。
今はまた違う。2006年以降海外に店舗を出店して海外における日本
ブランドの顔となりつつある。海外の市場で儲けてその利益を日本
で還元してくれれば、今度は賛美となる。
ユニクロが、世界で、日本で売れるわけを皆さんはどう考えるか。
ユニクロの商品は同じデザインで色を多くして商品レンジを作って
ある。したがってもしこれらの商品を買えば当然誰かと「かぶる」
ことが予想される。本来このかぶることを避けるためにオリジナル
な商品を求め、それに対する費用の出費を容認してきたわけだ。
個のオリジナルティーによって生まれるのが個人のアイデンティテ
ィーである。そしてこのアイデンティティーのお互いの距離感を確
認してきたのが都市空間になる。
さて、世界的に中間層、中流所得層の劣化が起きている。冒頭の200
万円以下の所得も然りである。彼らは他と異なるアイデンティティ
ーの確立のためのオリジナりティーに対する支出ができなくなる。
ただそれだけであれば一時的なものであるが、世界のフラット化は
個が突出して目立つことを嫌うようになる。むしろ市場で潜在化し
て目立たないようにする傾向がある。
あまりに価値観が多様化しすぎて、それを主張しようとするとその
為に要するコストはばかにならない。もっとバーチャル空間での支
出など費用対効果が上がるものに変更が生じているわけだ。
そういったときに、むしろ隠れ蓑としての服装が必要になる。この
市場ニーズに対してそれファストファッションと言うビジネスモデ
ルによって応えたわけだ。所得が減り安くて機能性重視の商品が好
まれるといったニーズだけでユニクロをとらえてしまうと社会の本
質が見えなくなってしまう。
低所得になり、仕方なしにファストファッションを着ているのではな
い。都市空間がすでにそういった個のアイデンティティーを確かめる
場ではなくなってきているのだ。
むしろバーチャルな空間、例えばブログで自分の考えを表現したり、ツ
イッター等で自分の感じたことを表現したりして、個の存在を確認する
空間が都市空間でなくなってきている。
社会のフラット化はまさにグローバルスタンダードの本質になって
いる。この本質に対応したのがユニクロのビジネスモデルであるわ
けだ。
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