ニュースレター
主宰:川津商事株式会社
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臨界状態
〈2011年10月10日〉
トヨタ自動車の生産が予定よりも早く回復するという報道がなされ
ている。その一方で市場の現場の労働力が再びに三河へシフトし始
めた。しばらく前と同じ労働力需給のアンバランスが再び起きよう
としている。デジャブだ。
前置きを短く終え、さて、災害ではある個所で火事が起き、他の個
所で倒壊が生じる。はじめ火事が起きたとばかりに傍観し、今度は
こちらでも倒壊が起きたとばかりに傍観する。しかしそれがあちら
でこちらで起き始めると一気に人心が乱れて、群集心理が働き大き
な動揺を生む。
ポイント、ポイントの避難者が合流し一斉に避難をしだすと、道路
などに処理能力はなくすべての社会インフラが機能の不全に陥り、
滞留、停滞そしてパニックが起きる。
先進国のトップ都市のロンドンで暴動が頻繁に起きている。最初は
職の無い若者、はけ口のない若者が起こす事件がちらほらと起きる。
最近の若者はとばかりに職のある有識者は諫言する。しかし若者の
不安・声はいつまでたっても聞き入られず有識者に説き伏せられて
しまう。しかしある臨界状態を過ぎると暴動となる。
日本でも秋葉原で、職を失い、夢を亡くした若者が無差別殺人をお
起こした。何があっても殺人は許されない。しかしその一方で若者
の生活をむしばんだ苦悩は一切改善させることなく、一人の若者の
所業の問題として片付けられてしまった。
いよいよ、若者の多くが200万円所得時代となった。高齢者の年
生活者の所得はいくらであろうか?
日本の若者はロンドンと違い賢いから、臨界点には達せず暴動も起
きない。しかしこれは職もあり、年金も保障された有識者の言い分
である。臨界点にならず治めれると勝手な確信をしている。
バブルは、はじめはプレミアム収益を実現したビジネスプレーや、
市場がその収益の蓄積を過剰な投資に向けることにある。これらの
プレーヤー、市場が複数繋がると一気に相乗効果を出し加速する。
バブルの出現である。
何が起きても日本人は我慢して辛抱強い。この理論が真なら日本で
はバブルは起きないのか?景気が過熱して、あちらこちらでデフォ
ルトが顕在化し、やがて一気に不安が広がり、市場参加者の全員が
一斉に売り出す。買い手がなくなり市場は破たんする。臨界状態を
過ぎると一気に加速することは、日本でも明確なメカニズムとして
理解されている。
いい意味でも臨界状態は起きている。カラーテレビ、クーラー、自
動車はある一定の普及率の達すると一気に市場に普及する。カラー
テレビがなくてもいい状態から、無くてはならない状態への変化は
やはり何らかの臨界状態を経て移行する。
ロンドンの若者の暴動に関する記事で頻繁に登場するのが“hoody”
である。善意の若者を差別して傷つけるのを避けるため稚拙な私の
訳はしないが、彼らがロンドンで襲ったショップにはスポーツ用品
店のカッコいい衣料品などぜいたく品が多く含まれる。パンではな
い。
中東で政権を倒し革命に発展した最初のデモも、必ずしも統一した
不平不満、要求ではなかった。それぞれの不満がデモを生成させた。
しかしデモが進むにつれて独裁者など特定の不満に集約されていっ
た。集約されたというより加速されたと言うべきだろう。
ニューヨークで起きているデモも、今は単なる不満の烏合の衆であ
りばらばらである。これがもし収束するとそれこそ想定外のことに
なるかもしれない。古い民主主義からとてつもないブラックスワン
を生み出すかもしれない。
社会問題、財政問題、格差問題様々な問題が、日本だけでなく世界
中で臨界状態になっている。
以上
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