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====[2010年6月1日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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コンパクトシティーvsエンドレスシティー



先般所用があって一宮市に行った。最近では七夕祭りくらいしか訪れない。久方 ぶりに中心市街地を少し散策してみた。七夕祭りでは祭りのデコレーションに埋 もれて実態が見えなかったが、想像していたが中心地商店街の衰退は印象的だっ た。

中心のアーケードのある本町商店街沿い内で、すでに建物が壊されて空き地にな っているところが有り、逆に採光、風通しが良くなっているが、休日なのか不明 確なシャッターが下りており、実際には3店舗に1店ぐらいしか機能していない 感じがする。

岐阜の柳ケ瀬商店街と比較して良いかかどうか分からないが、ある程度予想でき た光景だ。そんな中ある新しい店舗に目がとまった。小中学生の進学塾である。 ちょうど学校が終わった時間帯で、塾の関係者が周辺に現れ、塾生の安全確保に 目を配らせている。

塾というのは、ある意味な特殊な建物構造を要求する。教室となるべくある一定 の広さの柱のない壁構造の構築物である。どの塾でも独自の建築構造モデルを持 っており、たまたま商店街の空いた建物施設を利用するというわけにはいかない。

わざわざ建築を立てるのであれば、自由に求める立地を探して建てるはずである。 何らかの目的があってこの立地を求めたはずである。

実は名古屋駅前徒歩5分くらいのところにも、この名進研がある。これら施設は 都市の中心街に立地を求め、さらに集客能力が非常の高い新しいタイプの施設で ある。このような新しいタイプの都市の中心街に位置して集客能力があり、今後 都市の成長に貢献するだろうと期待できる施設が他にもある。

例えば医療施設である。ある稲沢在住の人に聞いたところ、稲沢の人たちが稲沢 市民病院の縮小に伴い、交通利便性のよい名鉄沿線の名鉄病院(西区)や名古屋 の都心部の病院施設に通いだす傾向があるという。

こういった医療施設が病院に限らず、さまざまな高齢者サービス施設などに高度 に分化し地域に非常に大きな高収益をもたらすことが予想できる。このような地 域に貢献する施設を中心に据えてコンパクトの都市をマネジメントする考えがコ ンパクトシティーである。

これに対して今グローバル世界の中で、新興国先進国を問わず大都市で新しい潮 流となっているのが、都市の中心に非常に高度な集積がおき、周辺地域の商圏を 際限なく吸収し続け拡大成長するのがエンドレスシティーである。このエンドレ ス社会が現在世界中、特に新興市場で登場しているわけだ。

今後、このコンパクトシティーとエンドレスシティーとが対立するのか、共存す るのかはわからないが、都市マネジメントの新しい潮流になることは間違いない。 どちらも核となる中心の再生と他のコンパクトシティー、エンドレスシティーと のネットワークがカギとなると考えられる。

スーパー、ショッピングモール等大型商業施設がこれ以上日本国内で増えずむし ろ廃店が増え、大型に限らず異常なまでに高い収益を求める飲食チェーン店が、 郊外から撤退していくことが今後予想される。郊外への無秩序な拡大が調整され る時期になってきたのである。ある意味でモータリーゼーションのリノベーショ ンでもある。

中心市街地が複雑かつ細かいシャッター通りでなく、これらの地域にお貢献する 施設を誘致できるような再開発、あるいは大型施設が都心に呼び込めるような都 市再生ミニ経済特区のようなもの概念を用意しておく必要がある。

この都市再生を利用して景気浮上を実現したのが小泉内閣の構造改革経済であっ た。今の名古屋駅前の成長もこれを利用した。器がなければ新しい概念、新規ビ ジネスは入ってこられない。「新規ビジネスは新しい器を求める。」これが弊社の 格言である。

以上

キーワード: 中心市街地、シャッター通り、市場ニーズ、都市構造、コンパクトシティー、エンドレスシティー

 


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