
====[2010年5月1日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ:高齢化社会のリスク
シリーズで経済、社会の老化によるリスクを取り上げている。今回 は不動産契約における高齢化のリスクを考えてみたい。例年どおり 連休のどさくさにまみれておかしな論法を披露しよう。
世界的に国債の評価リスクが顕在化している。国債の評価とは、根 本的にはその国の成長性の評価にほかならない。つまりその国の収 益の伸びが劣化すると、その収益に裏付けられた国債の価値も劣化 するわけだ。
現在世界中で金融危機の後遺症として国の収益を劣化させ、特に問 題視されているのがギリシャはじめ経済の新興国である。これら新 興国の多くは、バブル的な成長の調整を自助的国力回復では不可能 な国々である。
バブルと一言で言っても多種にわたることは言うまでもない。今回 の世界中で困っているのは家計による負債による過剰な一般消費が 多い。アメリカがその例である。かつての日本では過剰な企業の負 債による過剰設備投資であった。
ギリシャなどでは過剰な政府の負債による過剰財政支出のバブルの 調整といえよう。つまり家計、企業、政府を問わず過剰な借り入れ による成長の調整のつけは同じであったことになる。
政府の負債による成長を維持し続けているは、言うまでもなく日本 そのものである。一方で日本の収益性は、高齢化社会の進行ととも に劣化し、成長性が評価できないことも言うまでもない。
1400兆円ともいわれる民間の金融資産で国債を買い支えられてい るうちは、国債の破たんのリスクはないが、この民間の貯蓄を取り 崩さなくなり始めると国債を買い支えることはできなくなり破綻す る。これが日本の高齢化社会のリスクである。
さていつもながらの長い前置きはさておいて、最近の不動産売買の おける高齢化社会のリスクを考えてみる。
最近特に高齢化に伴い不動産を売買して現金化し老後の備えとする 動きは顕著である。このような処分する不動産があり、その不動産 が処分できる限り、民間の預貯金は維持され国債の破たんリスクは 低くなると考えられる。
そして現在、処分する不動産はあるが、処分しにくくなっている現 実がある。そのひとつに、処分する当人が認知症ほか病気などの何 らかの障害があり、本人確認が必要になる、あるいは確認ができな いなどのケースがあげられる。
売買の契約に際し契約の諸要件がととなわず、あるいは契約の真偽 が後になって疑われ、その効果の信頼性がないリスクが契約リスク である。もちろん後見人制度などができているが、多様な社会関係 におなかでこの制度が万能とは必ずしも言えない。
本人確認は以前から必要な法律行為である。本人の真否だけでなく 本人の法律能力も含めて大前提となる。社会全体が高齢者になって きて高齢者の不動産売買が増えてきたことにより、本人確認の重要 性が契約リスクの大きなウエイトとなり始めたわけだ。
最近、法律が改正されて司法手続きにおける本人確認は司法書士が できるようになった。法改正の前は弁護士あるいは第三者に証人と なっていただき本人確認を行ってきた。逆にいえばこの改正により、 第三者ではなく司法書士による明確な本人確認が必要とされるシス テムが作られたわけだ。
しかし一方で司法書士にスキル・経験・自信がない、あるいは少し でも本人確認をしたことによる職責上のリスクをとりたがらないと、 本人に多少の不明確な言動等がある場合に本人である確認を拒否し てしまい、売買契約が本来の需給以外のリスク要因により締結でき なくなる。
司法書士の責任が明確になったことから、逆に及び腰になることはい たしがたない。しかし極端な場合、司法書士を安心させるために弁 護士を立てるなんていう屋上屋みたいなことが必要となる。
多様な不動産契約において、原理原則ばかりでリスクをとろうとし ない人が契約に介在するとほとんど契約はとん挫してしまう。司法 手続き業務だけでない、税務申告業務、あるいは不動産取引も含め て法律が短時間で激変する状況では、常に新しい法律知識をリライ トし、果敢に社会に増幅するリスクを取らざるを得ない状況にある。
以前ある税理士に聞いた話であるが、第一線で責任のある立場で企 業の税務ビジネスを担っているのは大体50歳前後である。彼らに とって次々改正される知識をリライトすることは、過去の蓄積がな い若い世代より厳しい。ましてやピークを過ぎた高齢者の士が新 しい知識についていけるとは考えられない。
最新のビジネスをサポートしていくことは、非常にきびしい研鑽と、 さまざまな経済リスクを果敢に取る器が要求されるというものだ。
およそ、地域の名誉職、公的な役職をやりながら名前だけで片手間 にする士、業者は、名前を大事にするあまり果敢にリスクを取るこ とができず、前出の本人確認に二の足を踏むなんてことが生じてし まうわけだ。
税理士、宅建業者、司法書士、弁護士のリスクマネジメントに必要 なものは、名誉職ではなく新しい知識と経験と実績である。あえて 言えばリスクの怖さを知らない若さだろうか。ここにも高齢者リス クがあるわけだ。
いづれにしても、高齢者に社会の富が偏在する中、社会の中で様々 な高齢者関連の法律行為がスムーズ進行しないと、高齢化社会に滞 留する富の有効活用ができなくなる。それは即国債リスクとなるわ けだ。
結論は、政治が国の借金減らすことができない以上、高齢者に不動 産を売り続けさせ国債を買い支える資金を市場に供給し続けなくて はならないという全く本末転倒なおかしな論法である。
以上
キーワード: 契約リスク、高齢化社会地、ギリシャ、財政破綻、司法書士
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