
====[2010年4月5日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」 へのご登録ありがとうございます。当社は不動産にとどまらず 広くビジネス情報をお届けいたします。今回は、
テーマ:不動産施設老朽化
例年にない冷え込んだ4月ながら新しい年度が始まりました。良い ことも悪いこともすべて時が流していってしまいます。新しく企業 戦士となられる方々へ、時に流されることなくチャンスに果敢にチ ャレンジしていただきたい。
先般、岐阜の地方病院の民営化がテレビで取り上げられていた。多 治見市民病院である。経営が成り立たなくなった大きな理由の一つ が築37年も経つ建物施設の老朽化である。この老朽化の問題は、こ の多治見市民病院だけの特有の問題ではない。
1970年前後に建てられた建物施設の多くが同じ問題を抱えている。 現在の都市骨格を形成している主要な建物インフラのほとんどが 1970年前後に建てられたものである。社会のインフラ施設の更新が 一気に迫ろうとしているわけだ。
公共施設だけではない。名古屋駅前、栄などの都心の主要な商業施 設の多くも築30年以上のものばかりになってきたわけだ。これらを どのように更新していくかが今後の非常に大きな問題である。
2020年までに二酸化炭素排出を1990年比25%削減しなくてはなら ない。これを産業界だけに求めると、日本に産業が成り立たなくな ってしまう。社会構造の根本的なインフラ建築物構造物を改善して 低炭素化社会を実現しなくてはならない。
もしそれが出来なければ何兆円ともいわれる驚愕な排出権を購入し なければならなく、大変な国富の流出となってしまう。したがって このような効率の悪い建築物の社会から、新しい建築施設を持った 社会構造への変換が急務となっているわけだ。
しかし現実には更新ができない。だから多治見市民病院は民間に移 されるわけだ。たとえば大きな商業施設が次々と登場している名古 屋駅前。これらの新しいビル施設は熱効率のよい設備を備えている。 しかしミッドランドスクエア、ルーセントができてもその周辺の 老朽化したビルが更新する波及効果が出てこない。
名古屋駅周辺、栄周辺の老朽化ビル施設の多くが既に建て直しのプ ランを持ってはいる。工務店の営業のなせる業である。しかし現実に は建て直しの可能性が非常に低い。それはいろんな理由がある。
第一には、資金がないということである。これは借り手の余力がな いこともあげられるが、貸し手も不在である。敷地200坪で1000% っと考えると建築費だけで15億から20億もの資金が必要になる。
これを地権者一人に貸せるのはメガバンクしかない。地域の地銀で はこれほどのリスクが取れない。リスクマネーを取り扱いファンド ビジネスはほとんど破綻してしまっている。しかしメガバンは地域 にニーズにこたえられていない。
第二に、30年前に建てたときはゼロから建てているために新しい収 入の創造が期待できたが、現在すでに建っている状況では、新しく 借金して建てても同じ規模の建物しか建てられず、よくても同じ収 入しか得られない状況ではプランが実行できない。
建て直しても収益が付いてこないという意見ももちろんある。その 結果が老朽化した建物ばかりになった市場である。老朽化したビル に7−8割の入居率で安定している状況は、明らかに地域経済の停滞 である。
弊社の格言に「新規ビジネスは新規器を求める」というものがある。 30年もたった老朽化した建物が名古屋の都心部の何時までも居座 ると行くことは、名古屋のビジネス自体が新しいビジネスの参入す る余地がないことを意味している。
建物が更新できる新しい仕組みが必要になる。
まず第一義的には根本的なゾーニングの見直しが必要になろう。都 心部で夏に35度以上の気温になる都市熱自体が環境を悪化し効率 の悪い地域となる。このような地域を環境の悪い地域として、優先 して環境を改善しなくてはならない地域として新しい都市計画が必 要となろう。
しかし新しい都市計画を策定するとなると、諮問から、環境アセス メントなどの行政手続きを進めると何年もかかり意味がない。
例えばこのようなアイデアはどうだろうか。国が都心部に土地を購 入し緑化の公園(グリーンシール)を造り都市環境を改善すると同時 にその土地の容積率を、周辺のビルを建て直す計画に環境を改善し た設備をつけて環境の修復に貢献するものにプレゼントするものだ。
新しいビルを建て直す事業主は環境に配慮した建物を造ると同時に、 この超過容積率を得ることにより、新たな収益源を得ることになり 再開発のインセンティブを得ることになる。これにより都市再開発 ブームが起きれば景気回復の一助にもなる。
もちろん財源が必要になる。景気が良くなればというから手形は説 得力無いが、将来の驚愕の何兆円もの排出権を購入することを思え ば、おそらくこの事業費は日本全体で考えてもせいぜい数千億円の 規模だろう。何といっても老朽化して機能をなさなくなった施設の 更新が可能となる。
待ったなしでいろんなアイデアを出して、老朽化する都市の更新を しなくてはならない。
1970年代はゼロから建物を作った。作っただけ市場が成長した。現在 はただ単に老朽化した施設の更新だけであり新たな市場は生まれない。 しかしそれをしなければ都市機能が低下してしまう。市場の新たな成 長がなくても1970年代と同じようの施設の更新が必要になる。これが 低成長時代の本質でもある。
以上
キーワード: 施設老朽化、再生、社会インフラ老朽化
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