
====[2010年3月20日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」 へのご登録ありがとうございます。当社は不動産にとどまらず 広くビジネス情報をお届けいたします。今回は、
テーマ:不動産投資への地域金融ファイナンス不在
地価公示がありました。予想通りの下落の一方で、底は近いのでは ないかという論者をマスコミが取り上げている。名古屋の地価のメ カニズムから言うと中区が下落にも上昇にもトップを占めている限 りまだそのトレンドは加速していく。中区が姿を消して周辺区がト ップに出始めるとそのトレンドは終息し始める。甘い観測はしない ほうがいい。
都市部と地方という表現があるが、名古屋経済圏の三重県ではすで に18年連続して地価が下がり続けている。このような状況を景気と か、デフレとかで説明できるのだろうか?
名古屋の不動産投資市場にとって、今のこの地域のファイナンスシ ステムが有効なのかどうかを検証する必要がある。まず問題の背景 として、不動産投資に対するニーズを見てみよう。
今後高齢者化する市場で労働所得を補填する投資所得に対する需要 が益々高くなる中で、不動産投資に対するニーズも重要になる事。 現在急務とされている低炭素か社会の構築に向けて不動産投資市場 の重要さが高まっている事があげられる。
低炭素か社会に必要な二酸化炭素の削減を産業界だけに求めると、 産業が海外に流出して日本の経済にとって得策ではない。太陽光を 利用した住宅のエネルギー効率の改善、商業施設の低炭素負荷への 転換、都市インフラの効率化による貢献が必要なのは言うまでもな い。
これがなされないと、何兆円もの排出権の購入が強いられ、明らか に日本の国富の流出となる。当然そこでは当該施設部分だけにファ イナンスをつけても全体の設備の更新が成されなくては意味がない。
現在、名古屋駅前に1000億円を超えるビックプロジェクトが2000 年以降つづいて、今後も整備されつつある。これらの大きなビルプ ロジェクトでは。エネルギー効率の改善が進んでいる。
これらの施設の更新により市場が刺激され、周辺の古いビルが再開 発されることが期待されるが、現実には中小のビルが波及的に再開 発された実例はほとんどない。ミッドランド名古屋、JRツインタ ワーに隣接する中小のビルは依然として30年以上も前に建てられ たままである。この原因はもちろん既存の物件の権利関係の複雑性 にもあるが、現実に資金がないことが上げられる。
これらに更新が待たれるビル施設に対するファイナンスの規模は、 200坪の敷地で1000%の容積率とすると建築費だけで15億から20 億円の資金が必要となる。この規模のロットを一人の中小の地権者 に、単独の銀行として融資できるのは都市銀行でしかない。東海地 方の地元地方銀行ではできない。
では都市銀行はどのようなスタンスであろうか?東京の市場に集中 して資金を融資していることは明らかであるが、その東京でも不動 産投資に対する資金は一連の証券化の流れで、従来とはまったく違 ってきている。
大きなロットの不動産投資(リスクの高い)はデット資金の出して のレンダーとエクイティ資金の出してのファンドとに分かれる。い わゆるファンドビジネスである。不動産投資に対するファイナンス はこれらファンドビジネスを通じて行われるようになってきた。
ひところ名古屋でもファンドビジネスが盛んに行われた。現実の名 古屋駅まで投資された5-10億前後の新築レジデンシャル物件はす べてこのファンドから供給されるリスクマネーによってファイナン スされていた。現在でも名古屋都市部で継続的に開発せれているオ フィスビルの多くはやはりファンド形態のマネーを経由していると いえよう。
つまり従来の間接金融の銀行はほとんど蚊帳の外であったわけだ。 これらのファンドビジネスのビジネスモデルの典型は業界用語で言 えば「ハイレバレッジ、アモチなし、期間3年」がスタンダードと なっていた。ほとんど開発利益にのみ群がるビジネスとなってしま っているのが残念である。
そしてこれらファンドビジネスのモデルがあまりにもオポチュニテ ィーに偏向してしまった結果、現在これは東京でもいえることであ るが、レンダーもエクイティーもプレーヤーが不在になり、つまり 既存のファンドすらリファイナンスができない状況になってしまっ ている。これはJリートですら起債ができない状況を見れば明らか である。
リファイナンスができない市場で新規ファンドの組成は出来ない。 つまり一連のファンドビジネスによるフ不動産投資市場のファイナ ンスシステムは行き詰ってしまっているのである。証券化の技術そ のものには問題はない。しかし使い方が間違っていたという言い訳 は幻想となったとしかいえない。
証券化のビジネスモデルでは、資金が必要な市場の末端に回らない ことが明らかになったのである。証券化を多用する市場ではシステ ムリスクが大きくなりすぎプレーヤーが不在の市場のなってしまっ たのである。
そしてどれだけ日銀が金融緩和しても、資金が銀行間で国債を購入 しているだけでは金融システムが機能しているとはいえない。例え ば、誰から見ても資金が潤沢な中国市場でも、投資マネーが上海の 不動産市場に偏りすぎ、必要としている農村部に回らない。
資金さえ市場に供給すれば勝手に市場を潤すのではない。これを適 正に必要なところに資金配分するのが金融システムである。どのよ うに必要な市場に資金を配分するかが開発されるべき金融ビジネス モデルである。
資金が潤沢に回っていた日本のバブル経済、資金が偏り市場で循環 しなくなってきたバブル経済破たん以降を見れば、金融システムの 役割の重要性は明らかである。
名古屋で資金を必要としている不動産市場は、この地方の低炭素社 会の構築に貢献する都市再開発、良好な住宅施設への資金供給、高 齢化社会の所得補填に貢献する効率の良い投資市場である。これら の投資行動に安定してファイナンスする金融システムが必要なので ある。
ファンドビジネスが破綻し、メガバンクは地方経済より東京を含め たグローバル経済にしか目をむけず、地方の中小の金融機関は大き なリスクがとれない。不動産市場へのある程度のロットの資金の出 し手が不在なのである。
しかしこれができないとほんとに何兆円もの排出権を税金で買わな くてはならないことになる。たかが不動産投資と考え状況を理解で きない人たちにはいったん市場から退出していただきたい。
キーワードは「セームボート」である。地域経済が同じボートに乗 り同じリスクを共有し、同じ収益をシェアするこれが原則である。 セームボートに乗っていないディール、ビジネス、企業ファイナン ス、市場は全て破綻してしまっている
以上
キーワード: 銀行、地域金融。企業ファイナンス、不動産ファイナンス
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