
====[2009年12月1日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
===============
名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」 へのご登録ありがとうございます。当社は不動産にとどまらず 広くビジネス情報をお届けいたします。今回は、
テーマ:今年も始まった賃貸マンション市場
さて来春向けの賃貸マンション市場が動き始めている。市場のヒヤ リングの状況では、現在のところだんだん学生は動きが遅くなって きている。遅いのか小さいのかわからないが先が思いやられる状況 にあるようだ。
軒並み賃料は下げムードが漂っている。特に新築物件で満室だった ものの2回目の入居に賃料を下げなくてはならないようだ。気の弱 い大家さんレベルではどこまで下げたら良いかの探り合いをしてい るようだ。
銀行筋が不動産賃貸業の業績を非常に懸念している。不動産業、特 にレジデンスが構造的不況に陥る可能性がある。
来春向けの市場の大きなトピックスとしては家賃保証の動向が注目 される。大手新聞なども家賃保証をいろいろ面白おかしく取り上げ ているが、それだけ市場の中で家賃保証の役割が大きくなってきた ことが上げられる。
新聞の情報を真に受けるわけには行かない。新聞の記事は何のため にそれが書かれているのか?意図を読まないとその真実は見えてこ ない。先般国土交通省が家賃保証会社を許可制にするという記事が 出ていた。許可制を打診する情報か、許可制をつぶすための情報リ ークかわからない。
背景には家賃滞納者の追い出し問題があり、それが大きな社会問題 になっている。新聞社の社会部が好きそうなテーマである。それよ り前には家賃滞納者のブラックリストのデータベース化を大々的に 批判する大手新聞もあった。
住宅ローン、保険或いは消費者ローン業界ですべて業界のブラック のデータベース化がなされている中で家賃保証会社が導入していけ ない理由はまったくない。むしろ経営上健全な保証会社にするため には必要なことだろう。許可制にするのであれば経営の健全化は前 提条件である。
賃貸マンションはすべて市場原理で建てられて、ファイナンスなど 市場の要求に従うことを前提としている。市場に規制をするならと もかく、一企業、或いは業界にたいする直接一方的な負担となる規 制はバランスを崩す。
悪質な退去手法が登場する背景には悪質は滞納者がいる。追い出さ れたら行くところがない弱者を守るためと言う大儀は重要だが、市 場では賃貸マンションがあまっていて借り手市場になっている。追 い出されたら行くところがない状況ではない。
いくらでも礼金保証金不要の部屋がある。社会が負担しなくてはな らないセーフティーネットを、民間市場のファイナンスの基準に従 わねばならない賃貸マンションに強いるのは、いかがなものか?こ れが賃貸マンション大家の言い分である。
生活保障費以下の水準にまで賃料水準が落ちている物件も市場には 多く登場している。しかし最近の生活保障ビジネスが信用できずに 貸せないでいる。これは大家のわがままではなく、市場のシステマ ティックスリスクの問題である。
住宅ローン、金銭貸借、銀行の運転資金融資などすべてに保証制度 がある中で、家賃にも保証制度が必要な状況になっている。バラン スのあるシステムが構築させるかどうかは今後の賃貸市場の動向に 大きな影響を与える。
もう一つ最近市場で聞く重要な問題がある。敷金制度や退去時の修 繕費などがガイドラインの導入などにより何らかの方向性が出てい る中で、法人契約の担当者の横暴が聞かれる。
従業員の社宅として法人が賃貸マンションを借り上げる。これらの 法人は資本力の大きな企業が多く賃料に対する信用があるとされて いる。しかし借り手が会社であり、入居者になく、入居者の善管注 意義務の意識は低く物件の傷みがひどくなり、又退去時のトラブル もおおくなりスクは大きい。
最近法人が従業員のための部屋を契約する時、退去時の清算コンサ ルティングを導入するところも増えている。退去清算コンサルティ ングとは一言で言えば退去の修繕費を値切る交渉矢である。昔で言 えば難癖つけて値切る業者で市場が排除してきた業態である。
賃貸マンションの多くは、老後の貯蓄補填のため、或いは長年やっ ていた事業を辞めてその後の所得補填のために会社跡地に賃貸マン ションを建てたような個人のリタイア組みが多い。つまり個人の年 寄りである。
かたや法人は、借り手の強みで契約書に細かく難癖をつけてくる。 「壁が汚れようが、傷が付こうがそのために家賃を払ってやってい るのだから何が文句あるんだ。」と公言する法人担当者がいるときく。
賃貸マンションはホテルではない。親元でも掃除を経験したことが ない者が、賃貸マンションでも一度も掃除をしない状況で保護され なくてはならないほうがおかしい。それがガイドラインに則ってい るというのは、ガイドライン遵守ではなく悪用である。アメリカの サブプライム問題で追い出された債務者が、家をぼこぼこに壊して 夜逃げしていく姿が浮かぶ。弱者の名の下何をやっても言い訳では ない。
明らかに、個人の弱小の大家と、大手の法人の担当者との力関係が 逆転してしまっている。賃貸経営の企業努力が必要なことは当たり 前であるが、力のバランスをなくすと市場は成り立たない。賃貸マ ンションの市場が破綻する事は誰が一番被害をこうむるかというこ とである。
最近よく聞かれることは、個人の社会的に弱い立場の賃借人を保護 する必要はあるが、法人契約が果たして、これまでの借家法の趣旨、 退去清算ガイドラインの趣旨により守られるべきものかどうか?と 言うことである。
法人契約の裏話をすると、むかしは法人の人事担当者が特定の不動 産業者を使う代わりにリベートをもらっていた話が良くあった。そ れ以上に入居者が会社に内緒で個人負担の光熱費などを家賃として 請求してもらう密約を大家に要求するケースもあった。
法人契約の特殊性からこのような慣例は、契約を円滑に進めるもの として業界内では当然の事として成されていた。ある意味で業界の 談合のようなものである。法人の信用性からある程度の逸脱を業界 としても容認してきた。
法人契約は、クロージングも特殊で入居者が直接管理人とお話をし ないケースもある。入居者と事前のコミュニケーションがある場合 トラブルは非常に少なくなるが、それがないと、何か「事」が起き てから声が大きいほうが勝ちと言うことになる。「事」とは「やりっ ぱなしの退去」のトラブルである。
ましてや、そこに交渉専門のコンサルタントが介在してきたり、契 約ごとにたけた法人担当者が借りて市場の弱みに付け込んで、契約 事項を自分の有利になるように変えさせる事が平然となされる状況 では、借家法、ガイドライン等の保護の外に置いたほうがよいと言 う意見が出てくるのも当然理解ができる。
法人も個人もマーケットにとっては重要な借り手である。しかし市 場にはバランスが重要である。バランスを崩すと市場は破綻する。 破綻して質の良い管理の賃貸マンションが安価な物件が少なくなる と困るのは借り手である。
以上
弊社へのお問い合わせ |