
====[2009年11月1日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ:東海地方の地域ファイナンス
現在の日本の金融危機の発端は不動産会社、不動産ファンドの破綻 であった。これらの多くは、外資のリスクマネーの市場からの資金 引き上げが主な原因である。そして今後もリート、不動産ファンド、 商業不動産モゲージのリファイナンスができず破綻の連鎖が起きる 懸念がなされている。
先般、大手経済新聞の社説にリート、ファンドの破綻に対して公金 を注入するか?と言う議論で「景気のいいときに儲けるだけ儲けと いて、都合が悪くなったら公金を当てにするのはだめ」というもの があった。聞いた風なことを言うとはまさにこのことであろう。教 科書で出てくるような言葉で証券ファンドとの混同も華灘しい。現 場を検証していない意見だ。
そもそも1990年代末リート産業が立ち上がったとき、その存在意義 を嘲笑するかのようにマスコミの評価は低くさめていた。しかし当 時超低金利で運用先がまったく無い状況で、特に地方銀行の預金の 運用先として大量の資金がリート市場に流入してきた。
地方銀行の一般預金の運用先という非常の大きな社会的ニーズを担 ってきた。それを見て公的年金等のポートフォリオにも組み込まれ るようになり、やがて景気の回復と共にマネープッシュを起こして いった。
2000年初頭のデフレで運用先の無い時代に、安定した運用先として の社会的ニーズに応え成長してきたのがリート、ファンドのビジネ スモデルである。そもそもこのビジネスモデルは、市場原理により 利益を求めリスクを過剰に抱え込みすぎる、言い換えれば暴走する 従来の株式会社というビジネスモデルから、リスクを倒産隔離する ものであった。
しかしリスクを隔離したと同時に、多くの私募ファンドが高いジャ ンクの部類に格付され、日本の金融機関が資金を融資できなくなっ てしまった。これに対してリスクをとったのが外資である。しかし 外資は外資であるゆえに都合が悪くなれば撤退してしまう。
では仮に、日本の金融機関が外資に代わりこれらのビジネスのファ イナンスをしていたらどうなったろうか?それはそのまま不景気時 の大量の不良債権になっていたわけだ。しかし長期に資金が回収で きずし、その期間中の不景気時には資産価値を落とすリスクが高い のが都市開発であり、不動産投資である。
だからこそリスク資産でありリスクマネーであるわけだ。このリス クへファイナンスを否定するということは、日本のファイナンスシ ステムは短期的なリスクの無い投資しか出来ない市場になってしま う事になる。
ファンドのビジネスモデルを使った不動産投資市場の規模は、最も 大きい時で上場リートが最高で6兆円、私募ファンドがその2倍と 言われた。商業不動産証券残高が5兆円として、20兆円から30 兆円以上の時価相場になっていた。この時価規模は現在半分から3 分の1に縮小している。
すべてではないが非常にイニシアティブのある部分が外資のリスク マネーによってリードされていたことになる。日本の金融システム では厳格なリスク査定の元で金融機関がリスクポジションをとれな い金融システムになってしまっている。
先般、日経ヴェリタスに地方銀行の体力の特集がなされていた。内 容は、貸し出しを伸ばしている地銀は、合併などをした金融機関或 いはその周辺で貸出余力つまり体力がある銀行であるとしている。
ちなみに記事内容のデータを見ると東海地方では大垣共立が貸し出 し伸び率上位9位に入っているのが最高である。自己資本比率の高 いのが静岡銀行。最近株価を上げているのが愛知銀行、清水銀行。 株価を下げているのが十六銀行、第三銀行となっている。
この新聞の記事内容では、地銀の成長は地域経済のたとえばトヨタ の業績などに左右される景気浮沈ではなく、銀行の体力しだいと言 うことになる。
日本の金融システムは、都市銀行を合併させメガバンクを作り体力 を集中させてグローバル経済で競争ができるようにした。しかしそ の一方で都市銀行がなくなり体力の小さい格下の地銀、さらに小さ な第二地銀が混在した状況になっている。
名古屋経済圏を見れば、東海銀行が金融再編により国家レベルのメ ガバンクの誕生には貢献したかもしれないが、地域で東海銀行が行 ってきた役割が、体力のない地銀、第二地銀に放り投げだされてし まった状況である。
その地域経済圏の金融機関にリスクをとる体力がなければ、その地 域経済の成長もありえない。日本の国内の金融システム行政はリス クを査定する事ばかりに特化して、市場を作り上げる企画力がまっ たく欠落している。東海地方に根をはり、エリアを統括し、リスク に果敢にチャレンジする銀行の出現が望まれる。
メガバンクの再編に見る「国際競争力の強化」と言う国家的な政策 は、そのまま「地方の衰退」と言う表裏を意味していた。これがま さに2000年に入ってからの日本の経済政策であったといえよう。
以上
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