
====[2009年10月10日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
===============
名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」 へのご登録ありがとうございます。当社は不動産にとどまらず 広くビジネス情報をお届けいたします。今回は、
テーマ:東京一極集中資源配分の見直し
また消費者物価が下がり始めている。7月の全国消費者物価指数が 前年同月日で2.2%下がった。世界同時金融危機に陥り世界中で何 十兆円単位の財政支出がなされ、インフレになるのではないかと心 配されたが、まったくその気配がなくむしろデフレスパイラルに再 び落ち込もうとしている。
アジア開発銀行の発表によると2010年の先進諸国を除くアジア太 平洋諸国の実質経済成長率が6.3%と予想される一方、日本は1.1% となっている。自民党が政権を棒に振っても優先させた景気対策の 数十兆円は何処いってしまったのであろうか。
日本の経済成長は1960年代高度経済成長時代の10%、1980年代の バブル経済の6%、2002年以降の平成のいざなぎ景気超え経済の2% と言うぐわいに低下し続けてきた。1990年代には細川、小渕、森政 権下で100兆円にも及ぶ財政支出をしたにもかかわらず景気成長は せいぜい2%台であった。
この時の100兆円の財政支出こそが、現在の国の巨額な借金の根源 であった事は言うまでもない。
日本は戦後まもなく1960年代朝鮮半島で起きた戦争による特需を うけ、経済の復興を果たした。その後の高度経済成長へとつながる 経済成長である。隣の市場で需要が日本の経済を立ち直らせるきっ かけとなった。
同じ事が1990年代おきた。日本の市場における100兆円もの財政支 出によって中国経済が現在の経済成長のきっかけとなる。日本国内 市場での特需、更にその先にあるアメリカ市場の需要に対し、アジ ア中国が供給国となり、経済成長したのである。
100兆円にも及ぶ巨額の財政支出により日本の市場に出現した需要 に応えて、90年代以降日本の市場には中国製の家電製品から食材ま であらゆるものがあふれだした。
それは同時に安い価格の商品が市場を席巻する事によるデフレ経済 の始まりであった。中国は日本の需要と、日本経由のアメリカ行き の商品を通じて経済大国化への路を進む事となった。
その後、グローバル経済下で成功する企業は、海外のコストの安い 原料、労働力を組み合わせて商品を作り、高く売れる先進諸国の需 要になして供給する事で利益を上げるビジネスモデルを多用する企 業となっていった。
日本で勝ち組とされるユニクロは、まさに安い原料をグローバル経 済で調達して、安い労働力を組み合わせて低価格の商品を価格の高 い市場の需要に対して供給するビジネスモデルである。
現在、日本の経済を牽引する企業がトヨタ、ユニクロ等である。ト ヨタは生産調整に入っているがユニクロの業績は依然好調で唯一の 勝ち組となっている。しかし果たしてユニクロは日本の経済成長に どのような貢献をしているのであろうか?
このビジネスモデルでは、日本の需要を使いながら、その製品の本 来の生産過程における労働付加価値を創造する機会をすべてアジア の途上国に与えてしまってきた。その一方で企業価値の増大つまり 金融資本の増大を通じて日本経済に貢献している事になる。
ただしユニクロが、トヨタのように他の国の市場の需要から得た利 益を、日本に還元するほどのパワーブランドを手にすれば話は違う。 ユニクロのパリ、ニューヨーク進出の成功は大きな意味があるわけ だ。
そしてこの企業価値の増大は、企業のヘッドコーターのある地域、 金融資本をもつ人たちのいる地域に貢献する。このようなグローバ ル経済のビジネスモデルを多用する企業が集積するのが東京である。 その恩恵が東京に集中する仕組みこそが東京利権である。
日本が政策的にどれだけ財政支出により国内市場の需要を増やして も、例えば定額給付金を直接市場にばら撒いても、みなが格安のグ ローバルモデルの製品に行列を作って買いに走れば走るほど、生産 過程の付加価値生産の機会を途上国にてばなし、金融資本を通じて 企業価値の増大分しか得る事ができない。
その一方でデフレを国内市場のばら撒き、百貨店からスーパーまで すべてが低額商品ばかり扱うようになり、その結果経済成長が2% を超えられない日本経済の現実である。1000円を割るジーンズは、 百貨店だけでなくスーパーをも市場から退場させてしまう。
イトーヨーカ堂が全国で30店舗の撤退を公表した。スーパーが撤退 してのそれに変わるスーパーが登場している市場は良いが、そうで ない市場は不毛の地となる。
都道府県別の県民所得を見ると明らかである。バブル経済以降、各 年で日本全体の所得に占める各都道府県所得の割合を1996年と 2006年の10年間で比べてみると、この10年で東京都の日本全体に 占める県民所得の割合は12.5%から15.6%に突出して拡大してい る。
県民所得の日本全体に占める割合を0.1%以上拡大しているのは東 京都(3.1%)、愛知県(0.19%)、三重県(0.2%)、静岡県(0.13%) だけである。東京以外の3つの県(プラスと言えどもほぼ横ばい) はおそらく自動車関連の生産拠点を持つエリアであり自動車市場拡 大の恩恵をこうむった県である。
ちなみにこの割合が10年間でかろうじてプラスになった県は他に、 沖縄県、滋賀県、京都府しかない。この7都道府県以外はすべて所 得が減じている。最も減じたのが大阪、北海道、兵庫である。これ がグローバル経済下の構造改革の実態であったわけだ。
このような市場原理にもとづく資源配分に任せておいては市場が衰 退してしまうから、資源配分を強制的に見直ししようとする必要性 が出てくる。これこそまさに社会主義の経済システムである。そし て現実に社会主義をイデオロギーの遺伝子として持つ政権を、市場 が選択した事になる。
日本は製造業で中国に勝てるわけがないから、東京に金融センター を作って金融投資産業に特化すべきだと言う人がいる。これは資源 の配分を更に東京に特化しろと言う意味である。このような言葉を 使ったのはまさに東京にいる金融資本主義者たちである。
金融工学も、リスク移転の証券化もまだまだ必要である。しかいは っきりしている事は、名古屋といえども金融資本の拡大成長で恩恵 を得る事は少ない。名古屋をはじめとして地方が県民所得を拡大が できるのは、労働生産過程の機会を有する時のみである。製造業の 成長である。
内需と言うのはある意味でその国の基礎代謝である。先週日本経済 新聞のヴェリタスに企業年齢が特集されていた。日本経済はまさに 老齢化し基礎代謝が落ちてしまっている。なぜか日本では、少子高 齢化による市場の収縮は、対処できない神の領域であるかのような 受け止め方がなされている。
政策変更による資源配分の見直しをするのであれば、国の基礎代謝 である国内生産、国内消費が少なくとも経済成長の2%を確保する ための、核となる主要な地方都市の産業・生活基盤整備を考えても らいたい。金融資本による経済成長がこれに1%以上貢献すれば3% -4%の経済成長が可能となるはずである。
今必要な資源配分派東京への資源配分を他に再配分することである。 これは東京が許さないだろう。
以上
キーワード:グローバル経済、内需、東京一極集中
弊社へのお問い合わせ |