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====[2009年8月20日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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  テーマ:2008年度全国百貨店売上状況から読み解く市場の現状

名古屋市の都心部で新規の1階店舗の借り手が非常に少ない。最近 閉じて空き店舗となったものがどんどん増えている。今後小売店舗 も増える要素がない。政権が変わって景気が良くなればこの状況が 変わるだろうか?飲食店業界にいたってはまったく元気がない。

都心部にもシャッター街の様相を呈し始めた。

現在のリテール市場の物流状況は、郊外の大型スーパーに出向きま とめ買いをし、スポット的に必要なものは身近なコンビニエンスス トアー、100円ショップで購入する。百貨店に出向いてほしいもの を見て歩き、実際に買う時はネットで安く買う。これが現在のス マートな消費スタイルである。

この消費者行動に、従来の文房具店も、金物屋も、八百屋も、魚屋 も、衣料品屋も何も要らない。モータリーゼーション社会の変化か らガソリンスタンドもニーズが低下し、ネットバンキングへのニー ズの変化から銀行、郵便局へのニーズも減ってきている。

ネット上の購買パターンでは店のブランドは一切関心がない。関心 は商品のデリバティブに関する他人の格付評価だけである。デリバ ティブの関する品質以外の差別化の余地がまったくない市場と化し ている。

一階の店舗の定番が飲食店である。しかし今、新規で飲食店を出店 するとビルトインで最低でも出店コストが5000万円はかかる。ロー ドサイドになると1億円近いコストとなる。個人レベルの飲食店経 営者が現状で果たして銀行から5000万円から1億円もの借り入れ が許されるだろうか?

そうなると、居ぬきか、前の店舗設備が何らかの理由で残していっ て厨房、営業什器設備等がそのまま使える物件で、出店コストを抑 えられる物件にしか入る事はできない。新規出店希望はその様な物 件を探している飲食店ばかりである。

コンビニ跡地がやたら人気ある。逆に言えばコンビニですら既に 縮小市場になっているわけだ。

新規出店に意欲がある飲食店は、大手チェーン店展開しているFC 本部ばかりである。しかしFC本部も全体規模で業績が伸びず、限ら れたエリア(東京)への出店しか見通しが立たない状況である。

このような、飲食店・物流市場の構造的なトレンドで、政権が変わ ったからといって、景気が良くなったからといって飲食店、小売店 が増え、1階店舗が埋まる要素があるだろうか?そもそもこのよう な状況で景気が良くなるだろうか?

大手企業の統合が新聞紙上をにぎわせている。大手企業が統合し企 業の効率化が進めば、余剰なポストがリストラされ、もっと失業者 は増える。 根本的な市場の構造変化が進んでいる中で、新しいビジネスがどん どん生まれてくる状況を作らなければ、市場は吸収状態に陥り停 滞から抜け出せられない状況になってしまう。失われた10年の再来 である。

さて前置きはこのくらいにして、リテール市場の核となる百貨店の 状況を考えてみよう。2008年度の百貨店売上状況が日経MJで公表 された。新聞で公表されたデーターから市場を読み解いてみたい。

日経MJ(8月12日)の結論は、ほとんど全体が売上を減らしている 中で、ほんのごく一部(12店舗)だけが売上増加を実現している。 それらの特徴は地域に密着した戦略をとっている百貨店であるとい うものである。

全国300店舗からなる百貨店から、ほんの10店舗ほどの売り上げ増 を実現している百貨店の特徴を抽出して、それが果たして市場の特 徴を有意あるものとして結論できるかどうかといいたくなる。

しかし現実に、従来型の高価なブランド商品、飽食高級品の大量販 売戦略が市場ニーズと合わなくなり、地域密着のニーズに対して応 えたビジネスモデルの有効性にポジティブな結果が出ている事は 認めざるを得ない。

もう一度名古屋のリテール市場ポジションを考える必要があろう。 従来と大きく変わっている事は、名古屋の市場が東京の市場に対 して独立していないという事である。本当にほしいものは品揃え の優れた新宿の伊勢丹に購買者が流出してしまう。同じブランドで も納得いく買い方を模索する。

市場に少ししか出回らない優れた商品は、上位の東京に買いにいき、 或いは通常どこにでも手にいられるブランド品はネットで買う事 ができる。このような市場環境で名古屋のリテール市場がどのよう なニーズをターゲットそしているのかと言う現実である。

伊勢丹、三越、高島屋、大丸等の大手百貨店の2008年度の売上の 前年比が、概ね主要な店舗で6%減である。しかし名古屋の三越栄 店が25%の売上減、松坂屋本店が9%売上減となっている。

これに対して名古屋駅前のJR名古屋高島屋が0.8%減である。売上 がピークとなった2005年と今回の2008年で比較するとJR名古屋高 島屋が10%の売り上げ増であるのに対して、松坂屋本店が逆に16% の売上減となっている。三越栄店にいたってはそれ以上の減で危機 的な状況にある(弊社独自の算出結果)。

今回の日経MJの分析は面白い。JR高島屋、JR京都伊勢丹等の前 年比1%以下の売上減のデパートでは、食料品等の地域の日常品 の売上が大きく貢献していると分析している。まさに冒頭の地元客 に密着した戦略を意味しているのである。

名古屋駅前の百貨店の売上の微減と、栄の大幅減の差を単に栄エリ アと名古屋駅前エリアのエリア間競争の問題と考えてしまうと、こ の分析の本質は見えてこない。

もちろん、栄連合の松坂屋、三越も食品売り場の拡充をもちろん既 にあらゆる事を行っている。しかしこれが貢献していないわけだ。 栄の都市構造が、百貨店に現在求められている地域に根ざした日常 のニーズ形向いていないのである。

昔ながらの、中部都市の最上級として、東京と独立した市場ニーズ を追っかけているのである。高級宝飾、ブランド品を中心としたニ ーズを追っかけている。都市部郊外からの高級車での来客をあてに し、それに対応した都市構造をしているわけだ。

今回の新聞の分析を正しいものとして、栄のリテール市場の再生を 目指すとするなら、栄周辺の人たちが、夕ご飯の食材を気軽の三越、 松坂屋に買いにいける都市構造を必要とする事になる。

栄が日常品を手がけない一方で、イオン等の大手スーパーがどんど ん都心部の市場を獲得し始めている。東京に比べて名古屋は特異で ある。大手スーパーのモールは通常郊外である。

しかしイオンを見ても名古屋では名古屋ドーム、千種、熱田、上小 田井、大高、熱田、有松、港と市内に出店し郊外ではなく、都心部 周辺の日常リテール市場をすでに牛耳ってしまっている。もっとも その大型ショッピングセンターもけして順風満帆ではない ようだ。

さて皆さんはどのように、名古屋のリテール市場の現況を分析しま すか?

以上

 


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