
====[2009年8月15日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ:JR関西線近鉄と競合区間、名古屋-四日市の客足好調
これは多くの方も読まれたはずである。7月31日日経朝刊の記事で ある。弊社でも何度かとリ上げてきた鉄道の競合による地域活性に 関する記事である。
弊社では、名古屋岐阜間のJR東海と名鉄との革新的競争により、 沿線の地域経済の活性化が促進させているという話題で、過去に何 度か取り上げてきた。革新的競争が非常に良い効果があると考えて きたわけだ。
しかし一方で、JR西日本福知山線の大事故のように、合理化、競 争原理の行き過ぎの末、安全性がなおざりになってしまう危険性を どのように説明するかという事が、筆者にとっても重要な問題提 起となっていた。
今回の記事の内容で特筆すべきは、鉄道の主要先駆が軒並み乗客数 を減らしている中で、名古屋−四日市間の乗客が増えているが、決 してこの間の所要時間を大幅に短縮したといいような従来型の競争 的結果を出していない点である。
近鉄とJRが双方でダイヤ改正を来ない、増便をしながら、運転間 隔を補完しあい、お客の利便性を向上しかつPRにより需要喚起を する事ができたというものである。
この記事からいろんな市場のニーズが読み取れる。公共機関等の 鉄道サービスにおいて、必ずしも1分を争う競争を目的とするので はなく、むしろ補完的な競争を通じて、便の使い勝手の良さ等の サービス向上を実現し、結果的に新たな需要喚起につながり、エリ アのとの競争にも勝てるというものだ。
これまでの考えでは、市場原理による効率性を追求し、つぶしあい、 競争的優位を過剰にまで求めた事がかえって疲弊を生み、全体のパ フォーマンスを下げてしまう。これが急進的な市場原理の失敗であった。
例えばコンビニエンス業界の出店競争である。地域一番を奪い合う為 に切磋琢磨する戦略は、現実に利益を上げている優良な他店に新たな 店舗をぶつけてつぶしあう。結果的にフランチャイズオーナーの体力の 消耗戦を引起こし、コンビニエンス業界自体の成長を止めてしまう。
最近問題になっているコンビニの食品、弁当廃棄競争によるFC側の 不満の背景には、体力消耗戦という本質的な問題があるわけだ。
これに対して補完的競争の概念は効率性を求めるのではなく、市場に ないものを補完しあう競争により、市場全体の付加価値を高め需要を 新たに喚起するものである。
例えば、自動車業界において現在はハイブリットカーの開発競争が非 常に激しくなっている。しかし決してトヨタのプリウスつぶしのため だけにホンダのインサイトの開発コンセプトがあるわけではない。
それぞれが価格、スペック等開発コンセプトにおいて、市場に選択肢 を与えて、市場の成長に貢献している。相手の潰しあいではなくむし ろハイブリットカー市場の育成に貢献している。これが補完的競争で ある。
これは決して新しい概念ではない。簡単に言ってしまえば古典的マー ケティング戦略のドラッカーの「市場の創造」に、振り子が揺れ動い たような考えでもある。市場が求めるニーズに、選択肢を多く与える 事は、それ自体が市場全体の付加価値の創造になる。 従来型の市場原理による競争概念に不信感が出てきた中で、このある 意味で古典的なマーケティング戦略が、市場にバランスをもたらす大 きなトレンドになる可能性は十分にある。
現在の栄と名古屋駅前エリアのエリア間競争で考えてみると解りやす い。以前、お互い競争して切磋琢磨していきたいという言葉が氾濫 していたが、現実に消耗戦を恐れて特に栄では何もできなかった。
栄と名古屋駅前エリアがそれぞれないものを競争して補完しあう事が できれば、名古屋という市場に選択肢が増え、名古屋経済圏の付加価 値が増し、その結果市場が成長する事が期待できるわけだ。
以上
キーワード:エリア間競争、JR関西線、近鉄
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