
====[2009年8月10日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ:REITの問題点
最近新聞紙上で先般REITの合併が報じられた。伊藤忠商事が破 綻したパシッフィクホールディング傘下のREITを買収して自社 のREITと合併させる計画である。住宅系のREITの救済合併 である。
REIT等のファンドは、ノンリコースローンと呼ばれる主に外資 が扱う融資によりレバレッジを効かせて、多くの不動産資産を保有 し運用する。しかし外資の融資の引き上げにより、リファイナンス ができず、多くのファンドが破綻している事は周知のとおりである。
そして問題の上場REITにまで破綻にいたってしまった状況は、 非常に由々しき問題である。どうしてこのような状況になったかを 考えてみたい。
当ニュースレターでは何度も取り上げているが、REITの社会ニ ーズは非常に大きなものがある。ファンド形式で大きな資金を集め て、大きなリスクのあるが優良な資産のリスクを分散しておこなう 不動産投資システムがあるのと無いとでは、市場の信頼性がまった く違う。
優良不動産資産といえども、年を経て再投資の必要等リスクが大き くなった時、大企業、単体の企業、投資家が、そのリスクを一事業 主で引き受ける事は非常に難しい状況にある。そのような時このよ うなファンドを使ってリスクを分散して保有する事によって、その 資産はよみがえさせる事が可能となる。
リスクがある資産が、よみがえるような受け皿がある市場では、投 資家は安心して投資が出来る。これがファンドの社会的意義である。 通常というか当初日本でもファンド、REITが取得する資産は優 良な社会ニーズに見合う中古物件がほとんどであった。
現実に東京のメジャーREITで取得されている商業ビルの多くは 中古のブランドビルである。名古屋でもメジャーなREITが最初 に保有したビルは、名古屋駅前の新名古屋近鉄ビル、広小路の旧三 菱地所のビルである。いずれも優良な商業ビルである。
日本で住宅施設の証券化の第一号といわれた高輪サービはスアパー トメントは築10年以上経た資産規模60億円の優良な不動産資産で あった。
しかしこのREIT、ファンドの手法が日本で多用されるうちに、 最初から開発デベロッパーが開発利益を目的として、新築のマンシ ョンを作り満室にしてファンド、REITに売りぬいてビジネスを 完結するという、開発利益を目的としたビジネスモデルに流用され るようになっていった。
特に近年名古屋でも、高級賃貸マンションと称して市場とかけ離れ た高い無理な家賃を設定して、一瞬満室にした状況を作りその時点 でファンド、REITに売り抜けるビジネスモデルが少なからず見 受けられた。つまり社会ニーズとはまったく関係ないところで、単 なるデベロッパーの出口戦略のビジネスモデルにファンドが使われ てしまったのである。
名古屋のファンドといえば、その多くが名古屋以外の主に東京、大 阪のリスクマネーがエクイティを取ったものであったが、その一方 で一部の名古屋工務店がこれらファンド向けの住宅物件を多く作っ て売り抜けた建設会社があった。
当時名古屋の某老舗の工務店もファンドビジネス、証券化ビジネス に進出するとして新聞を使い大々にプロパガンダを行っていた。
そのような無理な家賃設定をしたものの中には、当然入居が進まな い物件に少なからずなってしまい、しかもそれが放置されているの が現状である。そのようなビジネスモデルを多用した住居系のファ ンドが破綻したとしてもおかしくはないし、そのようなファンドに 融資を止めてもおかしくはない。
アメリカのサブプライム問題を見れば非常に解りやすい。市場ニー ズと社会ニーズが乖離して、市場が暴走した時バブルは悪性のもの となる。サブプライム住宅ローン自体は信用の蓄積のない人に住宅 を持たせる社会ニーズに応えるものであったが、いつの間には当初 の社会ニーズモ否定されてしまう。
今現在日本の不動産ビジネス市場で問題視されているSMCB、フ ァンドの問題も、リファイナンスである。リファイナンスの見通し の立たないファンド、SMCBがいよいよ来年、再来年で市場に大 量に登場すると懸念されている。
理想論かもしれないが、本当に社会的ニーズに応えたビジネスモデ ルであれば、社会的公金を投入する事も考えられるが、そうでない ものに公金を注入する事はいかがなものか?と同時に今のREIT が本当の将来の社会ニーズに応えたものか検証する必要もある。
世界中で公金による国有救済が進む中で、健全な市場が守られる事 を望む。
名古屋では証券化、ファンドに対する本当に意味でのニーズはまだ 少ないと考えていたが、リテラシーのないまま利益至上主義で暴走 する建設会社がこのようにビジネスモデルを多用してしまう状況が ある以上、そろそろ名古屋でも、正しい不動産ビジネスプレーヤー を育てる社会人大学院等が必要な時期に来ているのかもしれない。
以上
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