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====[2009年8月1日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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農業バブル



今年は、たれこめた雲の合間から日がさすのが懐かしく感じるほど 長梅雨です。8月になり日照量が盛り返すかどうか?農業には大変 気にかかるところです。

イオン、セブンアイ、その他外食産業が農業参入を加速し始めた。 日経新聞によるとイオンは3年で10農業法人を手がけるとしている。 このような企業の農業への参入の背景には6月に成立した改正農地 法がある。

この改正農地法により、従来放置された農地など国が指定した農地 にしか貸借が許されなかったのが、この制限が撤廃され優良農地の 貸借が可能となる規制緩和が始まる。また企業の農業法人への出資 制限の緩和などがなされ、企業の参入がしやすくなる事が上げられ る。

現状日本の農業自給率が下がっている中で、減反を進める従来の農 政を改めて、農地の有効利用を進める方向に、戦後以来の非常に大 きな舵の変更を取ったわけだ。

近年の100年に1度と呼ばれるグローバル経済の金融危機によって、 再三呼び戻される1930年代のアメリカの大恐慌は、実は1900年代初 めの農業バブル、その後の都市化バブルによる肥大化したアメリカ 経済の調整であった。

拙著「リスクを移転し始めた不動産投資市場」でも触れているが、 1900年代初頭第1次世界大戦に向かって、世界中で拡大し始めた食 料需要の拡大に対して、農地所有にたいする需要が起き、更にフォ ードが自動車の大量生産を行いアメリカ社会にモータリゼーション をもたらした時代である。

この時、今では当たり前のごとくわれわれが使っている土地担保融 資の抵当権の劣後順位が、ビジネスモデルとして登場した。土地融 資に対して厳しい制限があり融資の拡大ができなった状況で、劣後 順位をつける事により融資を拡大していった。

これはそのまま地価評価の拡大、水増しなどの段階を経て融資が拡 大し、土地バブル化していく。経済史の中で土地担保融資によるバ ブルが始めて登場した瞬間である。

フォードが開発し大量に市場に供給しはじめた自動車は、でこぼこ の農道を走っても壊れる事のない非常に頑丈な車であった。この車 の登場により、農業従事者は農地に隣接した生活から開放され、そ の多くが都市部へ住居を移して行った。

アメリカのモータリゼーションの始まりである。農業バブルと同様 に都市部の土地に土地担保融資の拡大が生じ、資産効果による経済 が拡大した。20世紀のアメリカの繁栄の黄金時代である。しかしこ の経済の拡大は大恐慌という形でその調整を余儀なくされる事にな る。

アメリカの西部開拓史の真っ只中を生き抜いたガンマン、ワイアッ ト・アープ(1849-1929)が晩年を送った時代の話である。ガンマン ワイアットアープもおそらくきっと晩年は馬を降り、車に乗ってい たのかもしれない。

個人的な話ではあるが、アメリカ経済市の中で筆者がもっと興味が そそられる時代である。社会が安定する一方で海外の農業需要とい う外生要因が影響し、技術革新が生じ、ファイナンス技術が生まれ、 市場が成長し、富が蓄積し経済が拡大していく。そして調整である。

話がそれたが、日本の農業には非常に大きな可能性がある。現在の 農業市場の状況は、規制によって国内の農業の成長が著しく阻害さ れていて、それでいてバイオなどの農業関連技術が十分にあり、自 給率の低さの見られるように国内の需要には非常に大きな潜在性が ある。更に都市部における余剰労働者も十分にある状態である。

2000年以降の通商政策に重きをおいた日本の経済成長は、2%に満 たない非常に低い経済成長である。しかもこれらの富はすべて東京 に配分されているだけである。日本全国で農業が活性化する事は国 内の内需市場の成長を意味し、農業だけでなく第二次産業、第三次 産業を刺激し非常に大きな経済成長になる可能性がある。

考えられるシナリオとしては、特に都市部の周辺農地の生産性が上 がる事により、都市部周辺の農地の地価上昇が生じ、その資産効果 により資産バブルへと進んでいく。もしこのシナリオに可能性があ るとすれば早くて5年から10年後の事となろう。ポスト2010年の新 しい市場均衡となり、それに向かって大きく動く可能性となるわけ だ。

農業バブルのアナウンス効果だけで、都市部周辺の農地の地価が上 昇する可能性すら考えられるだろう。そうするともう少し早くちょ っとした仮想のミニバブルが生じるかもしれない。

名古屋で考えると、肥沃な濃尾平野を抱え、上質な労働力を抱え、 ビジネスをファイナンススリスクマネーが潤沢にあり、条件は十分 にそろっている。ただし名古屋経済圏で日本の先陣を切ってリスク を犯す事は考えにくい。関東で成功してからの次にステージとなろ う。

バブル経済のメカニズムは、革新的な技術開発、ビジネスモデルの 開発、市場の効率化(規制緩和)などによって市場にテクノロジー ショックが生じたとき、このテクノロジーショックによりこの市場 で超過収益を生む事になる。

このプレミアム収益を求めて多くのビジネスプレーヤが市場に参入 してくる事により、多くの市場参入者による市場リスクの分散が生 じる。このリスクの分散によるリスクの低減により、市場参入者が 過剰にリスクポジションを取り始める。これにより市場はファンダ メンタルズの成長を超過してバブル経済化していく。

農地はその収益が収穫という尺度で非常に測りやすい、もっとも融 資担保なりやすい一方、非常にリスのある資産である。もし冷夏で 作物が不作であるとその年の収益は吹っ飛ぶ。当収益を月単位で配 分するのではなく、年単位で配分し、しかもそれにリスクがあるわ けだ。

今回、のテーマは農業バブル、日本の景気回復の起爆剤になればと 思い描いたシナリオである。なんら景気を予測するものではなく、 また投資判断を誘発する意図もありません。

以上

キーワード:名古屋ビジネス、農業バブル、経済成長、内需政策

 


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