
====[2009年4月15日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ:名古屋のポジション3
通商立国という経済構造に大きく依存してきた近年の日本の経済の 中で、名古屋も輸送機器関連産業の拠点を持ち大きく成長してきた。 しかし通商経済による経済成長には限界があり、この通商経済を如 何に内需に結び付けていくかが課題となる。
たまたま東海地方にはトヨタグループをはじめとする輸送機器関連 産業クラスターを擁しているため、通商産業が復活することで収益 性を回復することが期待できるが、輸送機器関連産業が低迷してい る間は他の地方都市と同じ状況に追いやられる。
2008年の金融恐慌以後、世界的な需要不足に陥っている。自前で需 要を創造して世界に供給することが、世界経済に対する貢献とされ ている。自国内の内需の掘り起こしを行うと同時に、自前の需要の 囲い込みを行い保護主義に走ろうとする懸念が起きている。
世界中で5兆ドルにものぼる財政支出がG20で表明されており、世 界中で同時多発的に内需拡大のための政策が起動しようとしている。 結論から言えばこの内需拡大政策にどのように名古屋が恩恵を得ら れるかということになる。
どうやって内需を喚起するかが日本だけでなく、グローバル経済の テーマにもなっている。内需の喚起にもいろんなレベルがあるが、 大阪、名古屋、福岡などの地方の中核都市においてはその生産性を 上げること、或いは都市の構造的な問題を再生させることによる内 需の喚起が期待できる。
不況対策の公共投資として中央で検討されるのが、地方の整備新幹 線、道路など、東京と地方のネットワークの整備である公共投資と なる。東京への効率的な集中を今以上に加速させる政策である。
2009年の地価公示に下落率全国のトップ10に名古屋の栄地区のポ イントが独占したことはまだ記憶に新しい。名古屋の象徴である都 心部栄の収益性が現在非常に劣下している。これまで名古屋駅前と 栄地区の明暗を生み出した大きな違いは、交通インフラの再整備の 有無である。
名古屋駅前は新しいJRのビジネスモデルと名鉄、地下鉄との技術 革新競争によって新しい市場を開拓して成長しだした。一方栄は交 通アクセスの技術革新が無く、百貨店の増床にのみ依存し、20年、 30年前の消費構造、購買層中心の市場になってしまっている。
その栄の核となる商業施設・百貨店も再編が進み、その本店機能が 東京へ移転しようとしつつある。人材も東京に引き上げ地方からの 撤退の様相を呈し始めた。このような中核都市の都心部を再生する ことこそが日本全国の内需拡大に大きくつながるはずである。
大都市の都心部は長年、大店舗法、建築基準法、都市計画などによ って非常に強い規制の網がかけられていた。小泉内閣の時、都市再 生により東京の都心部が再生を行い景気浮上の足がかりとした。こ のときの再生でバブル化したのが東京である。ある意味で名古屋駅 前もこの範疇に入る。
名古屋の都市の生産性を上げるためにはどうしたらいいか?東海地 方の輸送関連機器クラスターの生産性を向上さ、このエリアの収益 性を名古屋、栄などこのエリアの都市部で消費することにつながる ような都市構造の再構築が必要となる。
中国、インドで一斉に道路、鉄道のインフラの再整備が始まってい る。都市構造を再構築するための主要な方法が都市の交通システム 技術革新である。今までのシステムの延長ではなくまったく新しい 発想による再構築が必要となろう。
例えば三河地区の収益を名古屋の都心部へ集約させる通部経済圏の 経済機軸の構築である。鉄道、道路を三河、名古屋、三重県へと縦 貫させる発想である。或いは栄に新しい購買層が参入し、市場に多 様性が生まれるような自転車、路面交通などの発想である。
日本で都市の再開発の位置づけは、即東京を意味する。明確な「東 京利権」である。しかしこの東京利権は通商立国による東京への収 益の集約と同じで、これ以上日本経済の収益性に貢献する余地は少 ない。
日本の内需拡大につながる名古屋、大阪、福岡、札幌などの地方都 市経済の再生は明らかの反東京利権を意味する。本来このような東 京に偏らない利益の配分が政治家の役割になるのであるが、政治家 の利権そのものが東京利権となってしまっている。
名古屋自身が、通商政策と同等に内需政策に対して強いニーズをも つ必要がある。産業クラスターの生産性の向上とこれら周辺の企業 群と名古屋都心部との新しいネットワークの構築である。地方の整 備新幹線よりプライオリティーの高いニーズがあるはずである。
今回、3回にわたって今考えなくてはならない名古屋のポジション を議論してきた。名古屋にとって通商政策に対するニーズが高いこ とは事実である。名古屋から輸出産業を抜きに考えることはできな い。これは事実である。
しかしその一方で、この輸出産業による収益が名古屋の収益性に貢 献する名古屋の都市構造の再生が非常に差し迫った問題となってい ることも考えなくてはならない。
つまり長年の市場原理主義を通じて、通商産業政策により東京に蓄 積されてきた収益は今や非常に大きな利権化してしまい、その再配 分は簡単には期待できない。地方が強いニーズを前面に出して要求 していかなくてはならない。
名古屋が都市部の都市再生に力点を置いた志向とアピールする必要 があると考える。
以上
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