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====[2009年3月24日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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  テーマ:平成21年度地価公示

地価公示の発表には遅効性があり必ずしもタイムリーな市場を表し ているわけではない。しかし今回の地価公示にはそれ以上に特徴的 な要素があり、又新聞の報道に非常に大きな偏向が見られた。その 点を議論したい。

まず重要な事は、今回の地価下落は、新しい要素による激変が無い 限り、これから始まる長期にわたる地価下落トレンドのほんの入り 口にしか過ぎないという事である。その入り口の下落の状況にも非 常に大きな特徴が見られる。

全国の商業地の下落率のトップ10のうち9箇所が名古屋であったと いう、2005年2006年のまったく逆を示している。これは明らかに バブルである。バブルの定義はファンダメンタルズを超過した成長 とファンダメンタルズの調整を超過した調整がリンクしている事で ある。

この定義は弊社のかってな定義ではない。学会或いは有識者で言わ れている定義である。従って2005年当時名古屋の地価が上昇しその 分の調整が観測でき、更にその成長と調整がファンダメンタルズを はるかに超過したものであれば、この一連の地価上昇に反映される 名古屋の元気はバブルであった事になる。

この表面的な現象を新聞各社は一斉に論じている。しかし中身はま ったく違う。2005年2006年当時全国水準以上のトップ10に入って いた上昇ポイントは名古屋駅前であり30-40%上昇を記録していた。

今回名古屋駅前のポイントの下落幅は5%前後である。このデータ が正しければ、これは調整ではなく、上げ止まりに近い横ばい微減 である。依然として調整が始まっていない。逆に今回の下落幅のト ップ10に入っていた栄周辺は2005年当時も今回の下落幅と同じ 20%前後の上昇である。

つまり栄周辺では過去に上昇した分と同じ幅が、下落の入り口でしか過ぎないこの時に既に下落トレンド の初年度に起きているという事である。これは明らかに栄周辺の 2005年以降の地価上昇はバブルであった事が言え、かつあっという 間にそのバブルは調整され、これから更に大きなマイナスになると いう事である。

今から考えると、栄は万博開催、名古屋駅前の成長の波及効果など で2005年、2006年に百貨店の売り上げなどを改善させたが、栄の 内生的な要因による成長ではなかった事になる。 上昇した分だけが調整されるのであればたいした問題ではないが、 今後の下落トレンドを考慮すると、この下落以上の下落になる事を 考えると、当事者には非常に大きな打撃となる。この上昇は少しで、 下落が非常に大きい事が今の日本経済の構造的な欠陥といえよう。

さて今回の鑑定データが正しいとすれば、名古屋駅前に関しては現 時点では2005年当時の上昇分をいまだに調整していない事になる。 現時点では名古屋駅前の地価上昇はバブルではなく、市場のファン ダメンタルズの成長に沿ったものであったといえよう。

そして今後、名古屋駅前の地価が本当に下落し始めたときが、ファンダメンタルズの成長の破綻ということがいえよう。

そしてもっとも奇異に感じたのは、新聞か各社の論評が、2005年当 時の上昇トレンドを形成したポイント(名古屋駅前)と明らかに違うエリアのポイ ント(栄)の下落を取り上げて、名古屋の元気はバブルであったとしている 点である。

マスコミが世論の形成として地価の下落を大きなトレンドとして取り上げる時に、「い や名古屋駅前は違う」という異質論を唱える事ができないのがマス コミの体質なのであろう。

地価が上昇している時は上昇をあおって益々上昇させ、地価が下が る時はそれのみに注目して下落を必要以上に表現する(発表どおり に論じる)。資本主義をあおる要素の一つにマスコミが果たす機能は非常に大きいというわけだ。

もう一つ大きな特徴を紹介しておこう。2005年以降の全国的な地価 上昇は大都市の都心部から地方へと波及していったが、必ずしも地 方の末端まで波及する事なく今回の下落に突入している。

しかもこの上昇は、3大都市圏の周辺でその波及がとまってしまっ た。地方においてはバブルって何?である。昨年まで商業地の上昇 を示していた都道府県は東京、大阪、愛知の周辺と福岡、宮城等中 核都市圏の限られた都道府県でしかない。これらがすべて下落に転 じた事になる。

この中でも、太平洋沿岸の東京から大阪にいたる日本の経済機軸つ まり新幹線沿線上および東名名神高速道路沿線上の各都道府県のう ち、蚊帳の外になっているのが岐阜県と三重県である。このエリアの商業地が大き く上昇に反転する事なく下落トレンドに突入してしまったのである。

東海地方の輸送機器関連産業クラスターを構成する地域経済に中に あって、生産性、収益性が伴っていない地域になっているといいえ よう。このエリアのへのインフラ整備等による生産性の向上が、日 本の経済機軸の生産性向上に、東海地方の生産性の向上に貢献する 余地があると考える事ができる。

最後にもう一つ問題を提起しておく。地価の変動波及には本来非常に時間がかかる。にもかかわらずアメ リカで起きた金融クライシスになぜここまで非常に敏感に反応した のか?今回の地価の下落の原因はファンドマネー、外資のリスクマ ネーの撤退にある。

1990年代のバブル崩壊以降、不動産投資、不動産開発に日本の銀行 が資金を融資できにくくなってしまった。リスクを評価することだけに関心 が集まりしすぎて、結果的にリスクを過大評価し、貸し出すこ とができないシステムを作り上げてしまった。ファイナンスできるのは 外資のリスクマネーとファンドマネーだけである。

かつての間接金融システムでは、金融機関が長期にわたり安定した 資金を供給した。今やその面影は無い。このような金融システムに してしまった以上、今後も短期的な資金ポジションに影響をうける地価の乱高下が起きる事になろ う。そのたびにまるで経済の終焉のように大騒ぎをする事になる。

以上

 


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