
====[2009年3月10日]==
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ:前回のバブルを振り返る
3月末に向かって何が起きるかわからない?とばかりに、なかなか 明るい話題が出てきません。思い切って過去を振り返って、バブル の破綻処理の軌跡をもう一度見てみましょう。
バブル処理の大前提は、過剰投資、過剰資産、過剰融資の償却です。 これらの処理がいつ終わるかという予想が、百家争鳴まことしやか になされています。エコノミストがまるで競馬の予想やのごとくい ろんな持論を提供しています。
われわれの経験から言えることは、例えば5年かけて積み上げた過 剰投資ならば、その過剰をその市場の力で自然淘汰させて償却させ るためには、同じ期間である5年かかるのが当たり前である。これ 以外真実はない。
この場合銀行の過剰融資・不良債権の償却と市場のリアル(実物) 資産の償却とは別のものである。
1980年代後半のバブルは1983−4年から1990年までの6−7年で過 剰投資を積み上げ、それを償却し終わったのは2000年以降のことで ある。今回の不景気がバブルの崩壊であったとして、2002年以降か ら2007年まで積み上げた過剰資産の破綻であるとすると、その償却 には5年以上かかるのが当たり前である。
この間に画期的な、IT革命なみの大きなグリーン革命が生じて、 テクノロジーショックが生じれば、実物資産の過剰の償却は早まる と考えられるわけです。
アメリカのサブプライムムローンバブルも2000年のITバブル崩 壊以降の過剰投資であるとすると、2007年までの7年間の積み上げ の破綻である。これの償却は通常で考えれば7年である。実際はこ の期間がかなり縮まるようである。その理由は又の機会に解説しよ う。
さてこの前提を踏まえてバブル破たん処理の軌跡を思い出してみま しょう。まず、1990年に東証株価がピークアウトして、バブルが崩 壊するわけです。不動産市場、建築業界においては現実には1992 年ごろまでまだ仕事がありました。仕事がなくなるのが92年以降に なります。
その後景気後退に対する処置として、2回の宮沢内閣その後の2回 の細川内閣の下で、それぞれ10兆円超の公共事業がなされました。 バブル経済で大きな財政黒字ができたにもかかわらず、一気に赤字 になり現在のような借金財政につながる大規模公共事業の垂れ流し が行われた始まリです。
ちなみのこの失われた10年と呼ばれた時代に内閣が変わるたびに 10兆円以上の公共投資都合100兆円以上の財政支出が実施されたわ けだ。時に小渕内閣・森内閣がその最たるものであった。
話し外れるが、この公共投資による景気浮上は経済成長1-2%でし かなかった。ではその効果はどこへ行ったのか?それはすべて中国 の経済発展の起爆剤となっていくのである。日本国内の100兆円の 需要増に向かって、中国産の衣服製造、農産物産業が一気に成長し、 日本の労働者ではなく、中国の労働者が大きな所得を手にいれるこ とができた。
これこそが現在の中国の市場経済の出発点になったのである。日本 はもっと中国に主張できるはずである。
そして1990年代初めの宮沢内閣、細川内閣の大規模公共投資が少な からず効果を表し1995年に一番底と呼ばれる景気浮上が日本国内 でも実現した。この機を逃さず銀行は、バブル破綻で痛まなかった 優良企業に、大量に、融資をつけて自分ところが抱えている不良債 権の土地を安く持ち込むことになる。
このとき、バブル破綻を免れた優良企業は、銀行からの景気の底値 という甘言を信じ、実際の土地の割安感から銀行融資つきで持ち込 んでくる案件を購入する行動に出たケースが多く見られた。
しかしその後1997年末から1998年にかけて不良債権の実態を開示 しなかったがゆえに、先送りされてきた銀行の不良債権の雪達磨式 の増加により、金融クライシスが生じることになる。景気の底割れ である。山一證券、北海道拓殖銀行、3つの長銀の破綻である。
2000年前後破綻した企業の多くには、1990年代初めのバブル破綻を 免れ1995年ごろの資産を購入した企業が多く含まれていたのであ る。その後0金利と呼ばれる金融緩和政策により流動性の罠に陥り、 日本経済はコントロールを失うことになる。
このように金融不良債権上の償却、実物資産の償却、金融緩和によ る資金あまり、公共投資による見かけ上の景気浮上・・・等等は同 じ市場内のイベントであってもその実態は異なる。
銀行の過剰融資は、公金注入して償却してしまえば処理が終わるか もしれないが、実物資産は過剰だからといってレッカーで壊すわけ には行かない。需要という市場の本来の力が回復するまで償却は進 まない。これを理解せずバブル破たん処理の実態をつかめないとお かしな予想やになってしまい、同じ轍を踏むことになる。
さて以上が前バブルの経緯である。以上を踏まえて今回の日本の不 景気の今後を考えてみよう。
まず、今回のバブル破綻は前回に比べて更に急激に降下し不景気の 突入している。そのスピードはまったく違う。これに対して将来破 綻しそうな銀行に対して公金注入の準備ができており。
現在、流動性の罠に陥らないように、日銀が直接企業の社債を購入 し始めている。市場に現金12000円のばら撒きも実施されようとし ている。公共事業は、地方の財政が付いていかなかなか進まない感 がするが、中小企業への融資枠が広がり、更に次の第2次補正予算 の必要性が言われている。前バブル破綻では5年かかってもできな かった破たん処理のための対処国策がたった半年でなされようとし ている。
これらを受けて考えられることは、非常の短時間で急降下し、短時 間で浮上するという、前回より短いタームで乱高下が生じる可能が あるということになる。前段の大前提で見たように、実物資産の過 剰投資は積みあげられた期間と同じ期間を償却に要する一方で、景 気対策、金融緩和による見かけ上の景気の乱高下が生じることにな る。
この見かけ上の景気対策と実際の市場での過剰投資の償却との見極 めが出来ないと、かつて1995年ごろに銀行の甘い話に乗り果敢に投 資をした企業が馬鹿を見た事と同じ状況に陥る危険がある。
名古屋の不動産市場は、2003年以降割安の不良債権案件が市場で売 買されるようになり、又東京からファンドマネーが入り、賃貸マン ション、オフィスビルが過剰に作られた。現在中区、中村区あたり でこれらの実物投資資産が過剰となっているのは事実である。
マスコミが言うように日本のバブルの教訓を海外に知らしめる前に、 足元を見ながら回復を見定める必要がある。
最後に、地方の新幹線整備より、東京、大阪、名古屋の大都市圏の 交通インフラ整備等による生産性の向上のほうが景気浮上には効果 があるのではないだろうかと考える。
以上
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