
====[2008年8月15日号]===============
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」 へのご登録ありがとうございます。当社は不動産にとどまらず 広くビジネス情報をお届けいたします。今回は、
テーマ: M&A
夏休み期間中であるところが多いと存じ上げます。今年も下品なく らい暑い名古屋です。しかしもう少しおお盆も過ぎれば、赤とんぼ が舞い始めるのではないでしょうか?皆様方のご自愛を祈念し ております。
最近、「名古屋のビジネス情報」と言いながら、これぞというトピッ クスも無く、やたら小難しいファイナンスの話ばかりとお叱りを受 けております。今回もやはりそうなってしまいました。
先般東京であるゼネコンの営業マンに声をかけられた。「名古屋へは 営業で何度か伺う事があります。今後ともよろしく。」という事である。
最近では、あまり名古屋で東京のゼネコンが動いている話は最近聞 かない。何のプロジェクトの営業でしょうかと聞いてみると、日本 を代表する名古屋にある某薬商社に対する営業との事である。
この某薬問屋が名古屋で設備投資をしている話は、聞いたた事がな い。さらに突っ込んで聞いてみると、この会社がM&Aした事業に 関する営業であって、名古屋地区で行う設備投資ではなかった。
M&Aといえば先週の日経ヴェリタスにも特集が出ていた。現在の ように大きな好景気が終わって下降局面に入ると、それまでの利益 の蓄積で膨らんだ内部留保の使い道としてM&Aに関心が出てくる。
特に名古屋のように、豊富な資金が蓄積されている企業が多いと、 当然そこに関心が集まる事になる。従来の考え方では名古屋は無借 金経営が多く、逆に内部留保も簡単に外に出さない企業文化があっ た。
しかし最近の企業ガバナンスでは、内部留保を経営者のポケット替 わりにするのではなく、その使い道を明確に投資家に説明する必要 がでてきた。もし明確な使い道が無い場合は、株主に還元する要求 が出てきたのだ。
日本の企業ガバナンスの歴史を見てみると、戦前日本の企業は、出 資がイコール経営者であった。いうなれば財閥である。従って自分 のお金で儲けた資金をどのようにでもできたわけである。
戦後財閥が解体されて、銀行による企業ガバナンスが進むようにな ると、お金の出し手は銀行であり、銀行が企業のお金の使い方に厳 しい注文を付けるようになった。銀行による企業統治である。
バブル経済崩壊以降、金融自由化が進み、メインバンク制、護送船 団方式が無くなり、銀行による企業ガバナンスの時代が終わった。 その結果その後、経営者が好き勝手にまるで自分のポケットマネー のように企業が儲けた資金を内部留保しだした。
そこへ、1990年代末ハゲタカファンドと呼ばれる外資が入ってきて、 株主に明確な使い道を説明せずに内部留保している企業をターゲッ トに企業買収が始まった。
そして現在、企業は儲けたお金を内部留保する時、どのようにこれ らを投資するのか、使うのか、何かの目的で保留するのか、株主に 還元するのかを説明しなくてはならない風潮ができてきた。
企業経営に対するガバナンスが再度効き出してきたわけだ。経営者 にとっては、はた迷惑なガバナンスかもしれないが、ガバナンスは 時に経営者を守るためのツールともなる。
最近サブプライム問題で日本の銀行が巨額の損失を出している事が 判明しだした。みずほ銀行等大手は1000億円を超える単位の損失で ある。
以前ならとっくに銀行がつぶれてしまうほどの損失であったはずで ある。しかし十分な引き当てが準備してあり、これらが巨額な損失 にもかかわらず大きな失敗となっていない。
内部留保が目的を持って引当金としてあり、それを機動的に出動さ せる事によってリスクを相殺させているわけだ。いわば「想定の範 囲内のリスク」でり、経営の失敗ではないと、言わせせしめてしま ったわけだ。
名古屋では、M&Aをいまだにマネーゲームと錯覚している経営者 が多い。しかし現在の金融システム、市場経済では本当にM&Aが 必要になる場合がある。
例えば不景気になってくると、優良な資産にもかかわらず潤沢な資 金が無いため、十分な利益を上げられない資産が出てくる。これら の資産は、ブランド、不動産だけでなく事業、特許、ビジネスモデ ルあらゆるものに言える。
資産が新鮮な役に立つ資本を選別し要求しているのである。資産か ら見ればこれはマネーゲームではない。このように考えるとM&A ができる体制のある市場とそうでない市場では、景気の循環に格差 が出てくる事は説明するまでもないだろう。
資本だけではない。名古屋の中小企業では、後継者の居ない企業も 多い。現在の社長は戦後焼け野原から商売を立ち上げてから2代目 が多い。問題は3代目である。息子は確かにいるが、リスクをとれ る息子がいない。
名古屋はM&Aに対する理解度、インフラがあるだろうか?まず理 解度・・・あるとは言いがたい。インフラとしては、東海銀行なき あとのこの地域のファイナンスシステムが重要となる。
東海銀行がそのまま東京の大きな資本と統合したのが三菱東京UF Jであるならば、これらの取引先は非常に多くの情報チャネルを持 つ事になる。
しかしただ単に東海銀行がなくなっただけであるなら、メガバンク と中小の地元金融機関の2現体制になってしまい、中小企業が大資 本と接する機会がなくなってしまう。
前段のガバナンスの歴史のように、資金を銀行が供給する時代では なくなった。リスクマネー(資本)の供給はファンド、あるいはM &Aを通じて資産の活性化が図られるのである。
ちなみにバブル経済のように銀行が事業資金のほとんどを貸し出し ていた時代は、銀行の貸し資金は擬似エクイティー資金と呼ばれる ものであり、銀行がM&A等リスクマネーの供給の肩代わりをして いたのである。
ちなみに、M&Aに対して最も難しい立場の置かれるのが企業の従 業員である。従業員は本来資産の一部である。新しい血流とも言わ れる資本が供給される事は、従業員にとっても良い事であるはずで ある。しかしそれまでの企業文化が変わる事に対して拒絶がある。
近年大手銀行が、名古屋の富裕層を狙ってプライベート部門を進出 してきた。VIP対応が売り物らしい。「会社売ります買います」 ブースを作ったほうが面白いのではないか?
以上
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