
====[2008年3月25日号]===============
「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
名古屋ビジネス情報
主宰 川津商事株式会社
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テーマ: やっぱりおかしいぞ「地価公示」の報道説明
2008年の地価公示が発表された。
「名古屋駅前で30%超の上昇率」という論評が多くの新聞で見られ た。さらにそれを裏付ける名古屋駅前の好景気を説明する論評を載 せている。
現場では明らかに投資目的の買い手が無く、ミニバブルの度を越し た投資物件はバルクセール並みの状況になりつつある中で、名古屋 はまだまだ地価が急上昇しているぞと言う誤解を生じかねない論評 である。
実際、バルクで、一括で土地を買ってもらえないかとか、積極的に 拡大してきた事業を収縮したい、建てた賃貸マンションがぜんぜん 入らないといった話が市場を席巻している。このような30%も上昇 という数字をそのまま何の説明も無く論評するのはいかがなもの か?
筆者は一瞬、自分だけが違う市場に居るのかと思った。しかし、朝 一番で同業者と話したと事、あれを見てまだまだ名古屋は地価が上 昇していると誤解して、一般の人が投資を進めたらおかしな事にな るだろうねという意見であった。
銀行筋に聞いても、現場とはかなりかけ離れていますねとの意見で ある。しかし銀行では地価公示を評価の基準にする必要があるから、 多少評価は甘くなりますとの事である。
今回のような報道がなされた原因を考えてみたい。
地価公示はそもそも1月1日時点のものである。今回は単純に1月 1日と3月末の時点の政治混乱、経済状況が激変している。地価公 示は鑑定士の方々が厳密な鑑定作業を行うぶん遅効性がある。
昔よく行われた実証研究で、地価は1年遅れの物価に相関性がある とか、2年遅れの生産指数を連動するといったものである。つまり 地価公示には遅効性があるという検証である。現在はかなりこのタ イムラグが縮まっている、それでも半年は見る必要があるだろう。
今回のように短期間で激しく地価経済がターンアウトした時こそ、 地価公示の本質を説明するアナリスト、木鐸が必要になる。誤解の 無いように言えば今回の地価公示に問題は無いと考える。問題は地 価公示と短期的な市場の乖離を説明なされないところにある
今回の地価公示では明確に周辺への波及が観察できるのに、それが 理解できずに最高価格、最高上昇率だけにしか関心が示されない。
このような誤解が起きる原因としては、タイムリーな地価情報に関 する市場ニーズが以前に比べて強くなってきている事が上げられる。 これは地価に関する指標が、一年に一回ではなく、他の経済指標と 同じように4半期ごとに指標にする必要がある。
もうひとつ、今回いろんな人と話してわかったのは、サブプライム ローンの影響を名古屋の人たちは理解していない。あれはどこかの 異国に地の金亡者が起こしたバブルで自分たちには関係ないといわ んばかりだ。サブプライムローンの何が名古屋に実際に影響をもた らしているの?と逆に聞かれる。
最近二―三年の名古屋の地価上昇トレンドを作ってきたのは、好調 な実物経済の収益の蓄積と、それを評価した東京からの投資マネー である。この投資マネーはリスクマネーでありファンドの形式を取 っている。
ファンドのビジネスモデルはサブプライムローン問題を起こしたヘ ッジファンドのビジネスモデルである。この大元の考え方が破綻縮 小すれば、これらから派生していたビジネスモデルはすべて縮小す る。
2005年以降名古屋の投資市場が、完全のグローバルな資本市場の組 み込まれた結果、地価が上昇したのである。これが理解されていな いようだ。
都心部で大量供給された賃貸マンションがオーバービルディングを 起こし、金融庁の検査が非常に厳しくなっているといううわさが流 れ、実際に土地の在庫の放出がまことしやかにうわさされる中で、 現在でも都心部で依然として30%超の上昇している、名古屋駅前は トヨタの景気により磐石という論評はいかがなものか?
もうひとつ忘れ去られてしまった問題がある。建築確認申請の遅れ である。これはもうすでに過去の終わった事件のように思われてい るが、現在もスムーズに確認が取れるとは言いがたい。建築確認の 遅れによって、現在投資のキャンセル、計画の中断も起きている。
建築確認に時間がかかっている間に、経済情勢が変わり、ファイナ ンスの見直し、物価の高騰で計画に見直しが起きて当たり前の状況 である。市場のダイナミズムを強制的に止めてしまった事になる。 バブルの時の銀行の総量規制と同じである。
総量規制がその後の新規の投資をすべて止めてしまい、失われた10 年といわれたデフレ不況を生み出した事は周知のとおりである。
そのくらい昨年の秋から、1月1日、そして現在の3月末にいたる までに市場が激変している。
以上
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