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====[2006-8-20]===============
  「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
        名古屋ビジネス情報
     主宰 川津商事株式会社
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  テーマ:百貨店店舗業績と都市構造

都市構造の特徴を見る上でいろんな指標を使う。消費財売上の統計 も非常の参考になる指標である。消費財の売上の指標の一つに百貨 店の売上がある。2005年度の売上実績から都市構造のトレンドを考 えてみる。

2005年度の主要な百貨店の店舗の個別売上の上位200店舗を見てみ る。上位から1位三越本店、2位伊勢丹新宿店の、3位阪急百貨店 梅田店である。愛知県では8位松坂屋名古屋店が、18位三越名古 屋、19位JR東海高島屋、58位丸栄である。

店舗面積の規模別では、1位が三越本店、2位高島屋大阪店、3位 福屋広島である。松坂屋名古屋店が4位、三越名古屋が7位、JR 東海高島屋が売上順位と同じ19位である。

効率性である店舗面積と売上高(2005年度年間金額)の関係を見て みると、3万平米以下の店舗では、どの規模でも概ね平米あたりの 年間売り上げが100万円若干切る状況で一定である。4万平米以上 の店舗になると、平米あたりの売上が暫定的に増える。

平米単位当りの売上金額を順位にしてみると、1位伊勢丹新宿店、 2位阪急百貨店梅田店、高島屋東京店である。この上位3店舗が平 米あたりの売上が300万円台となっている。因みに松坂屋名古屋 が25位、JR東海高島屋が36位、中部近鉄百貨店が37位、三 越名古屋店が61位である。

日本全国には5万平米以上の百貨店が約30店舗有る。愛知県では 松坂屋、三越名古屋、JR東海高島屋の3店舗である。約1割であ る。因みに関東圏が4割、関西圏が3割、名古屋圏が1割である。

売上高上位200店舗が、5店舗以上ある都道府県は12都道府県 しかない。その他の都道府県は殆んどが1店舗ないし2店舗でしか ない。大店舗百貨店が大都市に集中し、小規模の百貨店が地方の都 市に散在する状態にある。なお1店舗も存在しない都道府県が2県 ある。秋田県と岐阜県である。

身近な岐阜県の特徴からこの2県を説明すると、岐阜県は明らかに 名古屋の大都市圏に隣接して商圏を吸収されている。あわせて百貨 店のビジネスモデルに取って代わって、新しい商業流通チャンネル (郊外型モール、大型SC)の躍進が見られる県である。

話はそれるが、都心部の百貨店のビジネスモデルが陳腐化し、郊外 型の大型SCに頼らざるを得ない状況にある地方都市で、今後郊外 型の大型SCの出店が出来なくなる。これが大店舗立地法の改正で ある。

いまさら戻そうとしても百貨店は大型店が経営戦略の主流となって いて、地方都市では採算が合わない。中心地の活性化にもSCの出 店が必要である。なぜ地方都市からこのような法律に反対の意見が 出ないのか不思議である。

さて以上をまとめると、3万平米以下の百貨店店舗の売上では売上 の極大化、効率化が出来ないためそれ以上の百貨店店舗面積の競争 となる。しかし中核都市以下の市場では巨大店舗の採算が取れない ため大都市での出店に限定される。

結果的に都心部での競争は周辺都市の商圏おも吸収し始めて、岐阜 県、秋田県に見られるように、中核都市の隣接した都市において百 貨店と言うビジネスモデルが消滅しかかっている。現実に、一つの 県に1つないし2つしかない地方都市の百貨店の成長率(売上前年 比)も概ね大都市のそれより低い。

このようなトレンドの背景には、大都市都心部への交通アクセスの 革新(短縮化)、新しい流通チャネル(複合SC・モール)の登場、 大店舗法などの地方都市での出店に関す様々な規制が考えられる。

名古屋の百貨店は従来から売り場当たりの売上の低い事が指摘され てきた。上記データでもこの事がいえる。しかしこれは必ずしも欠 点ではなく、東京の都心部と違って余裕を持った売り場面積を取る 事が出来る環境にあって、それなりの売上を確保しているともいえ る。

大きな売り場面積は名古屋の資源と考える事も出来よう。決して東 京都心ほど収益性が良いわけではないが、持てる資源を利用して東 海地方の核となるだけの活性化を維持していると考えると決して欠 点とは言えないだろう。

都心への回帰という考え方はもう言い古された言葉である。東京な どでは実際に持ち家の移動など人口動態があるが、名古屋の地方都 市では持ち家の移動までは顕著になっていない。せいぜい賃貸人口 の移動である。しかし商圏と言う概念においては都心への回帰は非 常に顕著である。名古屋駅前エリアがその例である。人口が増えて いるわけではないが、商圏は急速に拡大している。

もう一つ百貨店の最近の商圏トレンドから、JR東海高島屋、JR 西日本伊勢丹が大きな成長をして都市の構造に非常に大きな影響を 与えていることも注目される。これらの百貨店は何れも平米あたり の売上も高く成長も高い。

このような主要駅が商圏の核となる事で、地価の最高価格ポイント の移動が名古屋駅前だけでなく札幌駅前でも起きている。さらにJ R九州博多駅前に阪急百貨店の出店が決定している。福岡天神地区 との競争が福岡全体に活性化をもたらすと期待されている。

そして、このような商圏拡大のトレンドには交通アクセスの影響が 非常に大きい。都市を生かすも殺すも交通の利便性が非常に大きな 影響を持っているといえよう。既存の鉄道などを時代のニーズに合 わせてどんどん改良していく事が重用である。

因みに東北地方では上位200店舗にランクされる百貨店が5店舗 以上或る県は無い。核となる中核都市の成長が無いと東京の商圏に 吸収されてしまうという危機に直面している。

都市の活性化を怠ると他の吸収される事は明確な市場メカニズムで ある。
(使用データ:百貨店協会、商業統計、日本流通経済新聞)

以上



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