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====[2005-11-20]===============
  「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
        名古屋ビジネス情報
     主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」 へのご登録ありがとうございます。当社は不動産にとどまらず 広くビジネス情報をお届けいたします。今回は、

  テーマ:地下街と回遊性

先般の名古屋駅前にほしい店舗施設調査分析に関係して、名古屋駅 前の地下街についてお問い合わせをたくさんいただいております。 名古屋駅前エリアにおける地下街のポジションとはどの様なものな のか考えてみましょう。

バブル経済当時は地下街への出店はどのようにしたら良いのかとい う問い合わせが多くありました。最近は、名古屋駅前に計画されて いる新しい商業ビルの路面店に出店希望されている方から、希望の 店舗出店が出来ない場合、ウエイティングとして地下街に出店する ことも考えるという意見が聞かれます。

地下街は名古屋の消費文化における、百貨店と方を並べる商業施設 の代表格でありました。いまだにその通行量等は決して落ちておら ず、名古屋の主要な商業施設にはかわりがないと考えます。

しかし最近の名古屋駅前と栄エリアにおける百貨店戦争のように、 非常に激しい市場競争の中で百貨店がどんどん再投資をして経営努 力を繰り広げているのに比べて、地下街が何か大きな話題を提供し たという事を聞いた事がないのも事実です。最も経営母体の体質的 な違いがあるから当然でしょうが。

考えてみるに、地上の百貨店・商業施設による激しい競争がおこな われている中で、何にもしなくても漁夫の利益を得ることができる のが地下街である。又或いはそこそこ何かやらなくてはいけないが、 当面緊急に何か対処しなくてはならないまでには至っていない。商 業施設との間においてまだ十分に競争できる。或いは市場競争に参 加できるような経営体力が既に欠落してしまっている。

等等いろんな解釈が出来ますが、何れもの状況においても、何もし なくても将来が約束されている商業施設なんてないのが現実ではな いでしょうか?私どもをよく問いかけをする事柄に、ダイエーとイ オンの勝ち負けの違いは単に商業施設の新しい古いだけではなかっ たのか?というものがあります。

現在、エリア戦略の主要なトレンドに回遊性というものがある。回 遊性とはそのエリア内における滞留時間を多くすることによって、 人の、ショッピング、食事、エンターテイメント、癒し、交流等に 対するニーズから来るビジネスチャンスを、そのエリア内で囲い込 みをすることである。

エリアへの来客者が、来所の特定の目的以外満足できなければ、用 が済みしだい他のエリアにでてしまうことになる。つまり滞留時間 が短くなるわけだ。滞留時間を長くするのが回遊性であり。回遊性 には様々な工夫が必要となる。

地下街が持つ重要な機能には、地上のポイントを結ぶアクセス機能 がある。その証拠に、通勤時にはすべて一方通行の流れになる。朝 と夕方にはまったく流れが違う。滞留は無く、一目散に駅に向かっ て流れる。流れをさえぎって滞留が生じる構造にはなっていないの が地下街でもある。目的のある人だけが店舗に入る。

昼の時間帯は、地上が名古屋駅前のビジネス街ということも有り、 昼休み時間帯の回遊性が見られる。滞留時間を長くさせるという事 は、動線上不便にすることともいえよう。真っ直ぐシュートカット した通路で出口に導くのではなく、わざとグニャグニャと曲がって いれば物理的にはその場に居る滞留時間は長くなる。

例えば、名鉄等の鉄道と、地下鉄を一本の地下道でドアTOドアに したら非常に便利が良い。反対に鉄道の駅と地下鉄の駅を道路で5 0mでも離したらどうなるか?非常に不便であるが、そこには50 mの商店街が出来る可能性がある。これが滞留効果である。

いろんな効果によって回遊性は作られる。JR名古屋のツインタワ ーのクリスマスデコレーション等のように、地上での華やかさがト レンドになり、地上での回遊性が新しいニーズとして出始めている のが名古屋駅前エリアの特徴である。名古屋駅間に新しいビジネス チャンスを求めている企業も、新しいにニーズに応えるところにビ ジネスチャンスを求めている。

新しいニーズにビジネスを求めるために、企業としてもイメージを 演出したいわけだ。それが新しい商業ビルの路面店への出店と言う ニーズになっていると考える。

回遊性がある百貨店の売り場の特徴を見ると、所狭しと商品を多く 陳列してお客に多くの商品選択肢を提供する事だけを最優先するの ではなく、ウインドウショッピングでもするかのような余裕のある スペースを提供している。中には休憩スペースすら用意してある。 厳しい競争にさらされている百貨店が回遊性を重要視している現れ である。

商業施設の中には大きなオープンスペースが用意してあり、オープ ンスペース、ショッピング店舗、飲食店、休息、カフェ等が有機的 にコラボレートして来場者のニーズに対応している。特にオープン カフェと言うビジネスモデルの登場と共に回遊性というニーズも市 場に登場してきたのではないだろうか?

駅前商業エリアを最近の大型ショッピングセンターと同じように考 えることも出来る。商業エリアではすべての施設がコラボレーとす る必要がある。地下街が名古屋駅前リアの中でどの様な役割を果た し、どの様なポジションを取るのか?今後の名古屋駅前エリアの重 要な要素となる。

重要な事は、地下街だけで独立した施設ではなく、エリアの中でど の様なポジションを取るか?と言う考えかたが無ければコラボレー はありえないと考える。

以上



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