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┏┏┏[2003-12-5]┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
 名古屋ビジネス情報  主宰 川津商事株式会社
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   テーマ: 祝 地下鉄4号線砂田名古屋大学間開通

名古屋の地下鉄路線がいよいよ都心ループに向けて大きく進んだ。 この地下鉄ループが名古屋の都市構造に与える影響は非常に大きい と考えられる。

今回開通した路線は、砂田橋、名古屋大学といった高校、大学など の教育機関を持ち、その教育文化エリアのバックエリアには高級な 住宅地を要している。都心にあって今尚大規模な商業施設の投資を 呼びこむ力のあるエリアである。

これらがループ上に結ばれることは、その内側の都心にとって商圏 エリアが排他的に確定されることを意味している。つまりループに 内側が一つの商圏として囲い込みをされたことになる。

東京、大阪では都市形成の早くから都心環状鉄道が整備されていた。 これら都心環状鉄道から、郊外への放射状交通網が発達していた。 したがって都心環状交通網の内側がそのまま都心エリアとなってい た。名古屋が同じような都市構造になりつつある。

東京では、環状線である山手線から郊外に延びる主要鉄道の交点が、 新しい都心としての機能を高めて言った。従来からの新宿、渋谷、 最近の品川などがそうである。名古屋の守山瀬戸の商圏をバックに してエリアが砂田橋、茶屋が坂、小牧をバックにした上飯田に登場 しても不思議ではない。

しかし反対に、この地下鉄ループの中心位置になる今池・千種エリ アが、現在地勢的に非常に弱体化している。企業が流出して、地価 も下がり続けている。地下鉄環状駅周辺の開発が進めば、その反動 として更にこれらのエリアの沈下が進む可能性すらある。そうなる と企業の担保能力が更に下がることが懸念される。

そしてこの地下鉄ループが栄を起点にしている。栄がこのループの 起点であることを、利用して集客できるか、反対に栄の商圏が拡散 してしまうかが非常に重要になる。三越の増床、ブランド街の特化、 観覧車の出現などがどのような巻き返しを図るか、地下鉄ループ線 上の市場競争の始まりである。

名古屋駅前の立体的な開発は確かに華やかさがある。立体的な開発 は現在の日本のトレンドを象徴するものである。しかし路面を歩い て楽しめる街ではない。反対に栄は路面を歩いて楽しむ街である。

それぞれ特徴を持った競争が展開されている。このループが出来た ことによって、栄は名古屋都心、名古屋駅は名古屋駅へアクセスす る三重、岐阜または中部圏までの商圏のすみわけが進むことになろ う。

補足
いずれにしても今回の路線開通、来年の完全ループ化の完成予定に よって名古屋の都心が活性させることを更に祈念したい。

これまでの名古屋の地下鉄交通駅の開設は、地域経済にそれほど大 きな影響を与えるものではなかった。これに対して、名古屋は自動 車社会だから鉄道の役割は小さい、というのがその言い訳であった。

東京などの地下鉄を利用する方はご存知だと思いますが、駅の使い 勝手改善に対する努力は、名古屋ではほとんど感じられない。東京 では多少長くなっても地下道を伸ばして、駅から社会基盤施設への アクセスをしやすくするなどの改善が開通後もなされている。

名古屋では地下鉄の駅はあっても、そこから図書館、会議場、民間 商業施設例えばJRツインタワーなどへのアクセスはまったくない。 一度つくったら、そこから更に使いやすいように改善する経営努力 はまったく無い。その結果が赤字である。

以上



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