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===[2003-5-10]===============
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
        名古屋ビジネス情報
       主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」
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   テーマ: 名古屋駅前ビジネスエリアの動向

東京では2003年問題が非常に重要な問題になっている。

2003年問題をもう一度ここでまとめると、 2003年問題はオーバービルディングであり、供給過剰のことである。 しかし今回の2003年問題は循環的な供給過剰ではなく、新しいニーズに対して市場が敏 感に反応した結果である。その新しいニーズとは?

日本全国的に配分していた経営資源を、効率の良い東京に集中させ 、その代わりに全国との顧客とをITネットでリレーションシップを構築する。 そのために新しく東京で、ITに対応して、かつ新しい大きな集積可能な施設が必要と なった。

このニーズに対して建築業界が大量に供給を行った。 企業、国などの遊休地が受け皿となって市場を拡大させた。

その結果、日本全国の営業所、支店の統廃合が急激にすすんだ。そして大阪名 古屋といえどもビジネス拠点としてその存在意義が問われている。 しかしこのニーズも日本の将来100年を固定するニーズでは決してない。 新しいニーズは次々にやってくる。新たなグローバルリスクに対す るニーズ。高齢化社会に対するニーズ。などがそれである。

経営資源の効率的集積を優先して、東京に集中はしたが、グローバ リゼーションがもたらす様々なリスク(戦争、病気)に対してまっ たくの無防備である。今後どのような対策がニーズとして出てくる のか?

日本は5年後、10年後には、高齢化社会を支援する手法として、大量の海 外労働者の受け入れか、ロボットによる介護支援かという選択に迫 られると言う意見がある。海外労働者、ロボットどちらにしても、 その受け皿となる新たなスペース、社会基盤整備、都市開発に対するニーズが 出てくる。

次々と市場で顕在化する新しいニーズが次のオーバービルディングを生み出す。 2003年問題さえクリアーすれば良いという問題ではない。 さてそこで名古屋はどのような状況にあるかということになる。

牛島開発
現在地権者で構成される再開発組合(名鉄、中電、トヨタ、住生、 大成 個人1名)中心になり、シンクタンクに依頼して近隣テナン ト市場の調査行っている模様。実際は、中部電力が床の権利を持た ず、トヨタは関心がトヨタ毎日再開発にあり、名鉄もリストラによ り企業財務体質の建て直し途上にある。

大成建設が中心的役割を行っているようである。

マスタープランのリライトでツインタワー等の案も出たといわれて いた。計画の進化は当然なされるべきである。もっと地元からこう したいというニーズを引き出し、それに対して新しい技術を提供す るというスタイルが期待される。情報発信が少なく、話題性が乏し くなっているのが懸念される。
着工 2004年6月 竣工2007年9月

三井ビル東館再開発
あまり新聞等では取り上げられていないが、トヨタ毎日ビルの再開 発と同時並行ですすむ予定である。2007年完成を目指している。逆 算すれば2005年解体着工、それまでに既存テナントとの調整がなさ れなくてはならない。名古屋駅前であらたなテナント、オフィスの 移動が近々起きると考えられる。

三井ビルの新しいテナントとしては、新しい話題を求めていた名古 屋モード学園が、ようやくメジャーなビルに入居を認められた。三 井の総合力で、力のあるビジネススクールの名古屋サテライトを誘 致するくらいの斬新さが期待される。

この三井ビル東館再開発は、まだ施設コンテさえ公表されていないが、正面の名鉄グループの将 来像にも影響を与えるものである。以前名鉄グループの将来構想として、前面道路(広井町線)をデッキで覆う案などが聞かれた。

今後、三菱グループ、三井グループ、トヨタグループ、名鉄グループ等、 暫時名古屋駅前のビル施設の再開発が起きてくる事が予想されるが、 どのようなニーズに対して、いつの時点でどのような戦略で投資を行うか が重要になる。

話がそれるが、トヨタ毎日ビルのテナント撤退に続き、三井ビルで もテナントの大量一斉撤退交渉が行われている。本来不動産のプロ集団 でないトヨタ毎日ビルが、店舗の退去交渉を概ねスムーズに処理下とされている。

それに対して 三井ビル東館の権利調整には時間があまりない。いずれにしても今 後のビルの建て替え、つまり再開発のテナントに対する対処手法に、慣例として大 きな影響を与えるものと思われる。

名古屋駅前のエリア間競争の特徴は、エリア内の三菱地所・三菱倉 庫ビル郡、三井不動産ビル郡、トヨタ・東和ビル郡間のいわゆるエリア内競争により、 エリア全体が活性化される事が期待されることである。しかしその競争相手は、 今や伏見でもなく、栄でもなく、東京であることを名古屋の人間も 知る必要がある。

東京のオーバービルディング問題はその解決策として、商圏の拡大に向かっている。名古屋の市場をも吸収する勢いであ る。これを迎え打つ名古屋の2007年維新も間近に来ている。

補足;
名古屋の2007年を2007年「問題」という人たちがいる。 変化にネガティブな人たちはいつの世にも存在する。しかし名古屋の2007年は名古屋は全国、全世界に打って出るチャンスである。 まさに「維新」と考えるべきである。また全国(特に東京)で2007年問題といえば、ホテルの過剰供給問題を意味する。 特に名古屋のマスコミの方々には正しい理解をしていただきたい。東京から、2007年に名古屋にそんなに大きなホテルが進出するのか?といった問い合わせが入ってきています。

以上



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