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===[2001-8-20]============
 「名古屋の不動産何でも相談室」がお送りする
        名古屋ビジネス情報
       主宰 川津商事株式会社
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名古屋・不動産に関するビジネス情報誌「名古屋ビジネス情報」
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   テーマ:東京と名古屋の駅前の可能性

バブルトラウマから脱出して将来を見据えたビジョンを期待。

豊田毎日ビル再開発の環境評価書に出てくる調査資料によると、名 古屋駅前の豊田ビル、名鉄メルサ、菱信ビルに囲まれた交差点で歩 行者交通量(7時−19時)が平日81477人、休日が117975人。 名古屋駅前ロータリーで平日が76085人、休日が91854人 である。

名古屋駅前エリアというのは、平日のビジネス関係の人口動態以上 に、休日非ビジネスの人口動態のほうが上回っている事を示している。

東京の東京駅前エリア(大手町、丸の内、有楽町)所謂「大・丸・ 有」には企業数で4100事業所、就業者24万人通行往来者は7 0万人とも80万人とも言われている。しかし問題になっているの はこの人口動態が休日になると激減する事である。

大手町、丸の内ではビジネス目的の人の流れのみであり、それ以外 の異種の目的をもった人の交流がまったくないところに、現在の大 きな問題点があるといわれている。そのために丸の内の仲通にブラ ンドショップなどを集めたりして、人の流れを変えようとしている。

東京駅前では現在、新しいビジネスモデルの対応できなくなってき た古いビルを建て直して、エリア全体の再開発を急ピッチで進めて いる。現在既に着工が進み完成をま直にしている案件だけで以下の 物がある。名古屋より後れて一気にエリアの高層化が進む。

プロジェクトビル名とビルの高さ
新丸ビル      180M
日本工業倶楽部会館 143M
東京サンケイビル  146M
明治生命本社    135M
丸の内1町目1街区  160M
パシフィックセンチュリープレイス 150M
八重洲口計画    186M
日本の高層ビル建築は従来概ね31Mで規制されていた。大体ビル 建てにして17−8階である。現在これを超える高層ビルが建築さ れているが、それでも航空法の管制空域であれば250Mが限度と なる。

東京駅前では現在丸の内大手町の街づくり協議会において、ビルの 建設に関して概ね高さ150Mのガイドラインを設けている。

現在政府が経済構造改革として上げている、都市再生はまさに高度 利用を目的とした便利で利用価値のある街づくりである。こういっ た政策が持ち出されたのも不動産の不良債権処理以外に、都心の駅 前などの高度利用を目的とした再開発を起爆剤として経済に刺激を 与えようとしている事が背景にある。

東京では上記の150M−200Mのビル群が駅前に登場する事に なる。それによって新しい人の流れを作りオールドエコノミーとな りつつあるエリアを再生しようとしている。 大学院を誘致したり、ショッピング店舗、飲食店、ホテルなど誘致 して新しいエリアをマネージメントしている。

名古屋駅前は奇しくも、JR東海のセントラルタワーズ(250M)、 豊田毎日ビル(250M)、牛島開発(180M)などビル群が登場 しようとしている。東京、名古屋以外で、都心のコアとなる駅前で このような都市の再生が進んでいるところはない。

名古屋の場合はJR、トヨタ、そして中部の財界企業団などが動き 出したタイミングだけが功をそうしたとも言える。しかし都市再生 の胎動は何百年に一度のチャンスである事に間違いはない。

東京の丸の内、大手町では大体大手地権者100社ぐらいで街づく りのガイドラインがコーディネートされている。やはりその中で有 力企業である三菱地所などがメインとなってエリアマネージメント がなされている。

エリアには人の交流が可能となるアメニティーが必要になる。栄の 久屋通りなどがパリのシャンゼリゼ通りと姉妹関係にあるなど、が 世界でも有数の都心エリアとして評価されるのは、100M道路が 人の交流を可能としているからである。

ニューヨークでは公園のセントラルパーク、タイムズスクエア等イ ベント広場がある。名古屋駅前にはある意味でユーティリティース ペースがない。このような問題をどのように解決するかというエリ アマネージメントが必要である。

例えば、名鉄百貨店、近鉄パッセ、メルサ、セブンを再開発してそ の1/3をユーティリティー広場としたとする。当然営業スペースが 削られて経済性がないという考え方になるが、その分高層化し、さ らにそのユーティリティースペースが、マンハッタンのタイムズス クエアーのように名古屋駅前エリアのフロントとなれば、人の集客 効果は今以上となるはずである。

エリアマネージメントによってフロントは動く。名古屋駅前のフロ ントがJRの前と決まっているわけではない。名古屋駅前エリアす べてにフロントとなりうる可能性があるのではなかろうか。現に人 口動態もっとも多いのは近鉄パッセの前の交差点である。

名鉄グループの再開発は現在まだ水面下での進行でしかない。1-2 年はかかるようだ。現実には建物の設備の更新が早期に望まれてい る状態にあるといわれる。立地かえら考えて多くの選択肢があるは ずである。

豊田毎日ビルとJR東海、名鉄、近鉄のアクセスポイントである。 これらをまたいだデッキ等は? 来年の初めには、豊田毎日ビルに 入る予定の新しいファッションデパート等が明らかにされるといわ れている。

いよいよ名鉄グループも・・・・・?

名古屋駅の機能は、西は三重県伊勢志摩、北に飛騨・長野、南に三 河湾の観光資源のアクセスポイントである。交通アクセス機能を名 古屋駅西口に充実させる等インフラ整備により、これらのエリアの ネットワークを取り込めば、名古屋駅前の可能性はもっと大きなも のになる。

東京の丸の内の再開発のキーワードは「Open」である。新たな インフラの再生によって周りを取り込もうとしている。交流を目指 してオープンにしようとしている。そして競争優位あるエリアを構 築しようとしているのである。

考えて見れば1階店舗に銀行の融資相談等の窓口がある必要はもう ない。ATMだけなら地階で十分である。トレンドは人が楽しむエ ンターテイメント「衣食」、そして魅力ある「職」、そして新しい可 能性をもたらす「学び」、そしてこれらの交流ではないだろうか。

パリのメイン通り行くと、通りの一階にはカフェが並び、カフェか ら入って店の奥階段から地下に入るとトイレ等の横にトトカルチョ、 競馬の販売デスクがある。日本的発想考えるとカフェを通り過ぎて 地下に金券ショップ等が無難なところであろう。

東京丸の内には慶応義塾のビジネススクールが進出する計画が出さ れている。名古屋でも次世代を担うビジネスマンが、新しいビジネ ススキルを得る機会が当然必要になる。年功序列で一生かけて会社 が人のビジネススキルを保証する時代ではない。

現在名古屋大学などが手を上げているが、国立大学がトヨタ自動車 等から人材を拝借して体裁を整えるのではなく、海外の本当のMB Aコースが名古屋にも登場してほしいものだ。アメリカの上位有名 なMBAは殆どが企業と関係の強い私立の大学である。

それにいたる要因は別にして、東京と同様に今名古屋駅前は、その 他のエリアには見られない21世紀に向けての非常に大きな可能性 を持とうとしている。名古屋の中の一エリアではなく、日本を代表 するエリアになる可能性があるのではないだろうか。

参考資料

名古屋駅前のビジネス地殻変動

     以上



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